問題分析
現代文・古文は設問形式にやや変化。
現代文は第1問の問6で新傾向の設問が出題された。古文は文章・設問ともに新傾向の要素を含む。漢文は読解力を問う良問。
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昨年度との比較
<難易度> やや易化
<出題量> ほぼ昨年度並
<出題内容> 昨年同様 - 第1問(現代文・評論)は、狩野敏次「住居空間の心身論─『奥』の日本文化」の一節。本文の分量は減少した。ただし、内容的には昨年度よりもやや手応えのある文章である。近代西欧的な空間意識と日本の伝統的な空間意識を対比している点は昨年度と似ている。問6は具体例や文献を示した意図が問われたが、選択肢がA群とB群に分かれた新傾向の問題になっており、そのために解答数が1つ増えた。
- 第2問(現代文・小説)は、夏目漱石「彼岸過迄」の一節。こちらも本文量が少し減っているが、やや古めかしい文体を読み慣れているかどうかが明暗を分けたと考えられる。慣用句などの知識も必要である。選択肢にはやや微妙さがみられる。
- 第3問の古文は、江戸前期の仮名草子『狗張子』(浅井了意)の一話。怪異談で内容は把握し易く、設問も例年に比べ語句・文法の基礎知識が得点に直結する出題が多い。また本文に和歌が含まれない点・空欄補充や文学史が出題された点に従来の傾向からの変化が感じられる。
- 第4問(漢文)は胡直『衡廬精舎蔵稿』から。熟語の問題が消えて、漢文の読解力をオーソドックスに問うている。設問構成もよく考えられた良問と言える。
設問別分析
| 第 1 問 |
配点 | 出題内容 | 難易度 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 50 | 問1 | 10 | 漢字 | 易 | |
| 問2 | 8 | 内容説明問題 | 標準 | ||
| 問3 | 8 | 内容説明問題 | やや難 | ||
| 問4 | 8 | 内容読解問題 | 標準 | ||
| 問5 | 8 | 内容説明問題 | 標準 | ||
| 問6 | 8 | 表現意図把握問題 | 標準 | ||
| 出典は、狩野敏次「住居空間の心身論―『奥』の日本文化」の一節。昨年度と同様に日本と西欧の違いを対比的に論じている文章である。本文の分量は昨年度よりも短くなっているが、密度が高い内容が説明されており、正確に読解するのは決してやさしくないと思われる。ただし、例年に比べれば選択肢に微妙なものが少ないため、本文がきちんと読めれば解答にそれほど手間取ることはないだろう。問1の漢字問題は標準的なものばかりであり、昨年度よりも易しくなっている。問2はいきなり正解は選びづらいが、消去法で答は決められる。問3は傍線部自体が難しいので、選択肢の内容が正しく言い換えられているか判断しにくい面があるが、やはり消去法で答えることができる。問4は傍線部前後の文脈が押さえられていれば正解を選ぶのは難しくはない。問5も同様である。問6は新傾向の設問形式。A群、B群というそれぞれ4つずつの選択肢の中から、正解を一つずつ選ばせる形になっている。A群とB群には難易度の差があり、そこから理解を段階的に計ろうとする出題の意図がうかがえる。 | |||||
| 第 2 問 |
配点 | 出題内容 | 難易度 | ||
| 50 | 問1 | 9 | 語彙力 | やや難 | |
| 問2 | 7 | 心情把握問題 | やや難 | ||
| 問3 | 8 | 心情把握問題 | 標準 | ||
| 問4 | 9 | 心情把握問題 | 難 | ||
| 問5 | 9 | 心情把握問題 | 難 | ||
| 問6 | 8 | 表現理解問題 | 標準 | ||
| 出典は夏目漱石『彼岸過迄』。昨年度は比較的読みやすい文章であったが、今年の小説は、語り手の屈折した心情が綿々と描かれているために、昨年度より分量は減っているものの、最後まで読み通すのにかなりの時間を要するものと思われる。また、設問でも長字数の選択肢の見極めが求められる問題もあり、いかにして素早く正解を導くことができるかがポイントとなろう。問1はやや難。特にウは正解とは逆の意味で覚えていた人も多かったのではないだろうか。問2もやや難。本文の内容に最も即したものを選ぶこと。問3は標準的。紛らわしい選択肢はない。問4は難。ここでの心情は複雑であり、その変化をていねいに辿っていく必要がある。問5も難。各選択肢と本文とを厳密に照合する必要がある。問6は標準レベル。誤りの選択肢がはっきりしており、それほど迷うことはないだろう。 | |||||
| 第 3 問 |
配点 | 出題内容 | 難易度 | ||
| 50 | 問1 | 15 | 語句の解釈 | やや易 | |
| 問2 | 5 | 品詞の識別問題 | 易 | ||
| 問3 | 7 | 心情説明問題 | 標準 | ||
| 問4 | 9 | 文脈把握問題 | 標準 | ||
| 問5 | 8 | 内容正誤問題 | 標準 | ||
| 問6 | 6 | 文学史問題 | やや難 | ||
| 出典は、江戸時代前期の仮名草子『狗張子』(浅井了意)の一話。怪異談で内容は把握し易く、設問も例年に比べ、問1の語句・問2の文法問題など、基礎知識がそのまま得点に直結する、内容依存度の低い出題が多かった。また本文に和歌が含まれなかった点や、問4(1)の空欄補充・問6の文学史など、センター試験では出題されることの少なかった形式・内容の設問が採用された点に、従来の傾向からの変化が感じられる。なお、問4が空欄補充の(1)と文意把握の(2)に分かれていること、問5の正誤問題が2つ選択となっていることにより、解答数は昨年度から増えて10となった。 | |||||
| 第 4 問 |
配点 | 出題内容 | 難易度 | ||
| 50 | 問1 | 8 | 読み問題 | 易 | |
| 問2 | 12 | 返り点・書き下し問題 | やや難 | ||
| 問3 | 7 | 指示・内容把握問題 | 標準 | ||
| 問4 | 7 | 内容説明問題 | やや易 | ||
| 問5 | 8 | 内容説明問題 | 標準 | ||
| 問6 | 8 | 構成理解問題 | 標準 | ||
| 出典は胡直『衡廬精舎蔵稿』。知識問題に偏らず、漢文の読解力を基本に据えているようである。問1は基本漢字の読みの問題。問2のAは比較、Bは使役の句形が問われているが、多少の応用力が必要だろう。問3は「画本」の示す意味内容を多角的に問うている良問。問4は本文の内容をきちんと理解すればおのずから正解は浮かび上がる。問5は聖人の言行こそが「真」であると理解できれば、「真の似」「似の似」の指すものも容易に分かる。問6は筆者の主張を文章の構成に立ち返って理解させようという意図であろう。 | |||||
大学入試センター試験平均点(過去2年分)
| 国語 | ||
|---|---|---|
| 年度 | 2007年度 | 2006年度 |
| 平均点 | 109.95点 | 125.52点 |