慶應義塾大学


1.志願者数の推移について

【図表①】志願者数の推移(2014年~2023年)
志願者数の推移[クリックして拡大]
【図表②】学部別志願者の推移 (2014年~2023年)
学部別志願者数の推移[クリックして拡大]
  慶應義塾大の志願者数は、ここ10年では2017年度入試をピークに志願者数の減少期に入っています。ただ、この減少の流れは2021年度入試でいったんは下げ止まりました。これは近年、上位私大が志願者数を減らした一方で、合格者数を増やしたため、実質倍率が大きく下がったことで入試の難易度も下がり、そのため受験生の出願傾向が強気に変化したことが要因と考えられました。しかしながら、2023年度入試では状況には大きな変化がない中で、志願者数は小幅ながらも再度減少に転じています。志願者の詳細をみると、現役生と女子受験生については2022年度入試に引き続き、わずかながらも増加しています。一方で、既卒生の志願者数が大幅に減ったことが全体の減少の要因となっています。これは浪人してでも慶應という志向が弱まり、現役時に合格した大学に進学するという現役進学志向の強まりが要因であると考えられます。
  慶應義塾大は学部や学科を増やしたり、入学定員を増やしたり、また入試方式を増やしたりするなどの志願者数増加のための入試改革をまったく行っていません。さらには、慶應義塾大は学部の数が他の総合大学よりも少なく、各学部単位での一般選抜の受験機会が1回しかなく、また入試科目の構成も学部ごとで異なります。そのため、学内併願による志願者数増加が期待しにくく、受験人口の減少による実志願者数減少の影響を特に受けやすくなっています。来年度以降も大胆な入試改革を行わないとすれば、慶應義塾大の志願者数は緩やかながらも減少していくことが予想されます。【図表】参照
  2023年度入試の志願者数を学部別にみると、文系は法学部政治学科、商学部A方式を除く学部・学科・方式で減少しています。一方で、理系は理工学部学門B、看護医療学部を除く学部・学科・学門で増加しています。理系学部は2022年度入試ではすべての学部・学科・学門の志願者数が増加しており、2年連続で増加している学部・学科・学門がほとんどとなっています。増加している学部の詳細をみると、全体と同様で現役生と女子受験生の増加が目立ちます。【図表】参照

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