京都大学


8.2025年度入試の変更点

(1)一般選抜

   2022年12月7日に京都大より「令和7年度一般選抜において利用する大学入学共通テストの教科・科目、並びに個別学力検査の出題教科・科目について(予告)」が公表されました。また、2023年7月20日に「令和7年度一般選抜における旧教育課程履修者に対する経過措置について(予告)」および「令和7年度一般選抜における配点等について(予告)」が公表されました。
   共通テストについては、『情報Ⅰ』がすべての学部・学科で必須となりますが、学部・学科ごとに配点比率が異なります。配点比率が最も高いのが工学部(50/225点・22.2%)、最も低いのが文学部、教育学部(15/265点・5.7%)となっています。地理歴史・公民については文系・理系とも、すべての学部・学科で『地理総合/歴史総合/公共』で受験することはできません。なお、旧帝大+神戸大でも『地理総合/歴史総合/公共』での受験は不可となっています。
   また、次の4学部では配点等にも変更があります。
   法学部の現行入試では、5教科7科目900満点を270満点に換算していましたが、情報の新設で6教科8科目950点満点になったこともあり、285点満点に換算されます。
   薬学部は現行入試では各教科50点満点でしたが、国語、地理歴史・公民、数学、理科、外国語が各40点満点、情報が20点満点の合計220点に変更されます。
   工学部は現行入試では数学と理科については第1段階選抜のみの得点対象で最終選抜での配点はありませんでしたが、2025年度以降は各25点の配点があります。加えて国語の満点が50点から25点に、地理歴史・公民も100点から50点に変更されます。
   また農学部では、国語の満点が100点から70点に変更されます。工学部や農学部では共通テストにおいては、文系科目の配点比率が下がり、より理系科目の比重が大きくなります。
   2次試験では、法学部の配点に変更があります。外国語の満点が150点から200点に変更され、2次試験における外国語の重要度が高まります。
   各科目の出題範囲については次の通りです。
   国語については「現代の国語」、「言語文化」、「論理国語」、「文学国語」、「古典探究」から出題されます。「国語表現」は現行入試と同様に範囲外となります。
   地理歴史では東京大や筑波大と同様に「地理探究」「世界史探究」「日本史探究」から選択となります。近畿地区において探究科目のみでの出題は京都大と神戸市外国語大(「世界史探究」のみ出題)です。一方、他の旧帝大(北海道大、名古屋大、大阪大)や京都府立大では「地理総合」、「歴史総合」も出題範囲となっています。
   数学は数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Aについては全範囲から出題されます。加えて文系では数学Bの「数列」、数学Cの「ベクトル」、また理系では数学Bの「数列」、数学Cの「ベクトル」、「平面上の曲線と複素数平面」も出題範囲です。東京大とは異なり、数学Bの「統計的な推測」は範囲から除外されています。また、数学Aの範囲について滋賀大、大阪大、奈良女子大、和歌山大などでは、「図形の性質」と「場合の数と確率」に限定されており、大学によって出題範囲が異なっていますのでご注意ください。

共通テストの出題教科・科目・選択方法

文系学部(総合人間・教育・経済学部の文系含む)

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教科 科目 選択方法
国語 『国語』 必須
地理歴史 『地理総合、地理探究』、『歴史総合、日本史探究』、『歴史総合、世界史探究』 2科目選択
(公民は1科目まで) ※
公民 『公共、倫理』、『公共、政治・経済』
数学 『数学Ⅰ、数学A』、『数学Ⅱ、B、C』 2科目必須
理科 『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』、『物理』、『化学』、『生物』、『地学』 「基礎2」、「専門2」から選択
外国語 『英語』、『ドイツ語』、『フランス語』、『中国語』、『韓国語』 1科目選択
情報 『情報Ⅰ』 必須
※)法学部は『歴史総合、日本史探究』、『歴史総合、世界史探究』いずれか必須

理系学部 (総合人間・教育・経済学部の理系含む)

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教科 科目 選択方法
国語 『国語』 必須
地理歴史 『地理総合、地理探究』、『歴史総合、日本史探究』、『歴史総合、世界史探究』 1科目選択
公民 『公共、倫理』、『公共、政治・経済』
数学 『数学Ⅰ、数学A』、『数学Ⅱ、B、C』 2科目必須
理科 『物理』、『化学』、『生物』、『地学』 2科目選択 ※1 ※2 ※3
外国語 『英語』、『ドイツ語』、『フランス語』、『中国語』、『韓国語』 1科目選択
情報 『情報Ⅰ』 必須
※1)経済学部(理系)は理科1科目のみ
※2)医学部は『物理』、『化学』、『生物』から2科目選択
※3)工学部は『物理』必須

2次試験の出題教科・科目

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教科 科目 出題範囲
国語   「現代の国語」、「言語文化」、「論理国語」、「文学国語」、「古典探究」
地理歴史 日本史 「日本史探究」
世界史 「世界史探究」
地理 「地理探究」
数学(文系)   「数学Ⅰ」、「数学Ⅱ」、「数学A」、「数学B(数列)」、「数学C(ベクトル)」
数学(理系)   「数学Ⅰ」、「数学Ⅱ」、「数学Ⅲ」、「数学A」、「数学B(数列)」、「数学C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)」
理科 物理 「物理基礎・物理」
化学 「化学基礎・化学」
生物 「生物基礎・生物」
地学 「地学基礎・地学」
外国語 英語 「英語コミュニケーションⅠ」、「英語コミュニケーションⅡ」、「英語コミュニケーションⅢ」、「論理・表現Ⅰ」、「論理・表現Ⅱ」、「論理・表現Ⅲ」を合わせて『英語』として出題
ドイツ語 「ドイツ語」
フランス語 「フランス語」
中国語 「中国語」

一般選抜の配点一覧(2025年度)※変更点は下線部

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区分 共通テスト   2次試験
歴公 合計 地歴 合計
総合人間
(文系)
50 100 25 175   150 100 200 - 200 650
総合人間
(理系)
100 25 125 150 - 200 200 150 700
文 ※1 (50) (50) (50) (50) (50) (15) 250
(265)
150 100 100 - 150 500
教育
(文系)
50 50 50 50 50 15 265 200 100 150 - 200 650
教育
(理系)
50 50 50 50 50 15 265 150 - 200 100 200 650
法 ※2 (200) (200) (200) (100) (200) (50) 285
(950)
150 100 150 - 200 600
経済
(文系)
50 50 50 50 50 50 300 150 100 150 - 150 550
経済
(理系)
50 50 50 50 50 50 300 150 - 300 - 200 650
50 25 50 50 50 25 250 150 - 300 300 225 975
医・医 ※3 50 50 50 50 50 25 275 150 - 250 300 300 1,000
医・人間健康科 50 50 50 50 50 25 275 150 - 200 200 200 750
40 40 40 40 40 20 220 100 - 200 200 200 700
25 50 25 25 50 50 225 100 - 250 250 200 800
70 100 50 50 50 30 350 100 - 200 200 200 700
※1)共通テストは265満点を250点に換算
※2)共通テストは950点満点を285点に換算
※3)2次試験の面接は点数化しない


   情報の新設により、共通テストの配点が変更された学部・学科も多く、それに伴って共通テストと2次試験の比率も変化しています。特に経済学部(理系)では『情報Ⅰ』の配点が50点と他の学部・学科と比べても高く、共通テストの合計点が250点から300点満点に変更されたこともあり、2次試験の比率が2024年度から4%減となっています。
   それに対して、上記の通り法学部や薬学部では、配点が変更されたことで現行入試より2次試験の比率が高まっており、今まで以上に2次試験の出来が合否を分ける可能性があります。

一般選抜の配点・比率比較(2024・2025年度)

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学部等 共通:2次 2次比率
24年 25年 24年 25年
総合人間
(文系)
150:650 175:650 81% 79%
総合人間
(理系)
100:700 125:700 88% 85%
250:500 250:500 67% 67%
教育
(文系)
250:650 265:650 72% 71%
教育
(理系)
250:650 265:650 72% 71%
270:550 285:600 67% 68%
経済
(文系)
250:500 300:550 67% 65%
経済
(理系)
250:650 300:650 72% 68%
225:975 250:975 81% 80%
医・医 250:1000 275:1000 80% 78%
医・人間健康科 250:750 275:750 75% 73%
250:700 220:700 74% 76%
200:800 225:800 80% 78%
350:700 350:700 67% 67%

(2)特色入試

 一般選抜と同様に、2022年12月7日に京都大より「令和7年度京都大学特色入試における大学入学共通テスト利用教科・科目について(予告)」が、2023年7月20日に「令和7年度特色入試における大学入学共通テスト経過措置科目の取り扱いについて(予告)」および「令和7年度特色入試における大学入学共通テスト利用教科・科目の配点・合格基準について(予告)」が公表されました。現行の特色入試で課される共通テストの教科・科目と概ね変更はありませんが、一般選抜と同様に特色入試においても共通テストでは『情報Ⅰ』が受験必須となります。『情報Ⅰ』は100点満点で活用する学部・学科も多く、各科目合計1,000点満点でそれぞれの学部・学科が設定する得点率を突破する必要があります。また、地理歴史・公民では『地理総合/歴史総合/公共』で受験することはできません。 
 加えて法学部と経済学部では、実施方法等に変更があります。 
 法学部はこれまで、特色入試ながら後期日程として実施していましたが、2025年度より学校推薦型選抜として秋以降に実施されます。現行入試では共通テストと小論文の成績で合否を判定していましたが、2025年度以降は出願要件に英語外部・検定試験スコアの提出が必須となり、学校長の推薦(各学校2名、男子は1名まで)も必要になります。
   また経済学部では、現行入試と推薦人数に変更はありませんが、男女共学校においては男子の上限は文系型・理系型それぞれ1名までとなります。また、共通テスト科目に変更があり、現行入試では文系型入試で『世界史B』が必須の2科目でしたが、2025年度以降は『歴史総合・世界史探究』、『歴史総合・日本史探究』、『地理総合・地理探究』、『公共・倫理』、『公共、政治・経済』から2科目選択(『公共・倫理』、『公共、政治・経済』の組み合わせは不可)に変わります。また、理系型入試でも『物理』が必須の2科目でしたが、『物理』、『化学』いずれか必須に変わり、また『地学』の選択も可能になります。

法学部・経済学部の実施方法等  ※変更点は下線部

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学部 区分 変更前(2024年度) 変更後(2025年度)
実施日程 後期日程 学校推薦型選抜として秋以降に実施
出願要件 (特になし) 英語外部・検定試験スコアの提出、学校長の推薦(各学校2名、男子は1名まで)が必須
経済 出願要件 各学校長が推薦できる人数は文系型、理系型それぞれ2名まで 各学校長が推薦できる人数は、文系型、理系型それぞれ2名(男女ともに在学する学校における男子の上限はそれぞれ1名)まで
評価方法 【文系型入試】
共テ地歴公民:『世界史B』が必須の2科目選択
【文系型入試】
共テ地歴公民:『歴史総合・世界史探究』、『歴史総合・日本史探究』、『地理総合・地理探究』、『公共・倫理』、『公共、政治・経済』から2科目選択(『公共・倫理』、『公共、政治・経済』の組み合わせは不可)
【理系型入試】
共テ理科:『物理』が必須の2科目選択。『地学』は選択不可
【理系型入試】
共テ理科:『物理』、『化学』、『生物』、『地学』から2科目選択(『物理』、『化学』のうち少なくとも1科目を選択)

(3)旧教育課程履修者に対する経過措置

   2023年7月20日に「令和7年度一般選抜における旧教育課程履修者に対する経過措置について(予告)」および「令和7年度特色入試における大学入学共通テスト経過措置科目の取り扱いについて(予告)」が公表されました。
共通テスト(一般選抜・特色入試共通)
地理歴史、公民
   新教育課程による出題科目に加えて『旧世界史B』、『旧日本史B』、『旧地理B』、『旧倫理、旧政治・経済』を選択することができます。

数学
   新教育課程による出題科目に加えて『旧数学Ⅰ・旧数学A』、『旧数学Ⅱ・旧数学B』を選択することができます。

情報
   新教育課程による出題科目に加えて『旧情報』を選択することができます。
2次試験(一般選抜)
   必要に応じて旧教育課程履修者にも配慮して出題されます。

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