新潟大学


3.医学科入試状況

図表⑦ 医学科(前期)の志願倍率推移
医学科(前期)の志願倍率推移 [クリックして拡大]
図表⑧ 医学科(前期)の第1段階選抜実施状況
医学科(前期)の志願倍率推移 [クリックして拡大]
図表⑨ 医学科(前期)の合格者成績平均点推移(得点率)
医学科一般選抜合格者成績平均点推移(得点率) [クリックして拡大]
 
図表⑩ 医学科(学校推薦型)の合格者成績平均点推移(得点率)
医学科一般選抜合格者成績平均点推移(得点率) [クリックして拡大]
  医学科は2019年度の前期で大幅な入試変更を実施しました。その内容は、①センター試験重視の配点比率(センタ-試験:2次試験=750:450)→2次試験重視の配点比率(750:1200)に変更したこと、②第1段階選抜の制度なし→志願倍率4倍で第1段階選抜を予告したことです。この2点の変更と、さらに2次試験数学の分量増加と難化により、入試状況(志願者数や合格者成績など)が2018年度以前と大きく変化しました。
 2018年度以前は、主にセンター試験の国語の難易変化によって志願倍率が変動しました。医学科のセンター試験は英語・数学・理科が各200点に対し、国語が100点、地歴公民は50点と特徴的な配点です。このため、国語が難化すると国語の配点が圧縮される新潟大学の志願者が増加の傾向でした。2014年度からの5年間の志願倍率は3.4倍~4.7倍の範囲で推移していましたが、前述の入試変更のあった2019年度は志願倍率が6.0倍に急上昇(前年は4.6倍)しました。2019年度は第1段階選抜を予告した初年度でしたが、2次試験重視の配点比率になったことにより2次試験での逆転合格を狙った受験者が集まりました。その結果、第1段階の不合格者が168人(不合格率33.1%)と多くなりました。この結果も踏まえて、2020年度以降は出願が慎重になったと考えられます。2020年度以降の志願倍率(不合格率)は、2020年度が4.3倍(7.0%)→2021年度が3.8倍(実施なし)→2022年度が4.3倍(7.8%)→2023年度が4.3倍(7.0%)となっています。なお、第1段階選抜が実施された場合、新潟大学では過去4回のいずれも予告倍率の4倍ちょうどの人数が合格しています【図表】参照
 続いて、一般選抜前期の合格者成績を見てみましょう。医学科の共通テストの合格者平均点は、共通テストの数学の問題が難化した2022年度と、2022年度よりも数学が易化した2023年度を比べると、5教科7科目合計で2022年度が79.4%→2023年度が83.7%と4.3%上昇しました。2023年度の共通テストは英語のリーディングや日本史と地理を除く地歴公民の平均点が2022年度より低下しているものの、数学の平均点が大きく上昇しており、5教科7科目合計での平均点が上昇したためと考えられます。しかし、医学科の共通テスト合格者平均点では過去10年間で2番目に低い平均点です。2021年度にセンター試験から共通テストに変わりましたが、初年度の2021年度は僅かながら上昇し、2022年度からの2年間は、センター試験時代よりも医学科の共通テスト合格者平均点は低水準となっています。
 次に2次試験の合格者平均点の推移をみると、2018年度以前と2019年度以降では得点率の状況が大きく異なることがわかります。2018年度以前は2次試験の合格者平均得点率は70%台でしたが、2019年度で67.0%となり、2020年度はさらに2.8%低下の64.2%となりました。2019年度から2次試験の数学の問題レベルが上がったことが、2年連続の平均得点率低下に強く影響したと考えられます。
 2021年度からは数学で大問1つが医学科専用問題(大問4問中の1問)になるという変更があり、2次試験の合格者平均得点率が低下する可能性もありましたが、この年度の得点率は69.2%(2020年度から5.0%上昇)となりました。これは、2次の英語の読解問題が前年度と比べて1,078語→912語に減少し、また長文英作文の語数も2020年度と比べて100語→80語に減少して易化したことが一因と考えられます。2次の他の科目(数学・理科2科目)については顕著な分量の減少や易化はありませんでしたので、5.0%の上昇には前述の英語の状況(分量の減少と易化)に加えて、各科目の採点基準の影響もあったと考えられます。2022年度の合格者平均得点率は62.7%で2021年度の69.2%から6.5%低下しましたが、2023年度の合格者平均得点率は69.0%で2021年と同程度に戻りました。2022年度の合格者平均得点率大幅低下の要因は、2次の英語の読解問題の分量が2021年度から912語→1062語に増加し、長文英作文が80語→100語に増加して難化したことです。2次の物理でも、分量は同程度でしたが計算に手間取る問題が出題されて難化しました。その他の2次科目は分量、難易度ともに2021年度と同程度です。2023年度の合格者平均得点率大幅上昇の要因は、化学の分量が減少して内容も易化したことと、生物が分量は増加しましたが内容が易化していたことです。英語は前掲の2.合格者成績で述べた通り難化しており、数学は分量・難易度ともに2022年度と同程度です。【図表】参照
 最後に学校推薦型選抜の概況です。学校推薦型選抜は一般枠と地域枠があり、募集人員は一般枠が20名、地域枠が40名です。一般枠は現役生のみで出身地を問いませんが、地域枠は既卒生も出願可能で、新潟県内の高校対象枠と出身地を問わない枠があります。選抜方法は共通テストと面接(段階評価)で、公表されている合格者成績は共通テストの得点です。センター試験を実施していた2020年度までは平均点は89%台で推移していましたが、共通テストになってからは85~86%台が続いています。合格するためには共通テストで85%以上得点することを目指しましょう。なお、2022年度が79.2%と低かったのは、この年の共通テストが難しく共通テスト5教科7科目合計の平均点も低い年であったためです。【図表】参照

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