代々木ゼミナール

大学入試改革の 基礎知識

2020年度から新しい制度となる大学入試。
大学入学共通テストや英語4技能の評価など
これまでの入試とはどのように変わるのでしょうか?

大学入試改革って何?

01大学入試改革とは?
~高校・大学・入学者選抜という
三位一体の改革〜

少子高齢に伴う生産人口の減少、グローバル化の進展、ビッグデータやAI活用などの技術革新により、社会が大きく変化するなかで、これまで以上に新たな価値を創造する力を育むことが求められています。これからの教育は、価値創造など新たな取り組みの基盤となる「学力の3要素(※)」を軸に、高校・大学・入学者選抜を一体的に革める必要があるとして、文部科学省が中心となり「高大接続改革」が進められているところです。大学入試改革は、高大接続改革の一部として位置づけられており、その基盤となる「学力の3要素」を、これまで以上に意識した入試を実現することを目的に進められている改革です。

「学力の3要素」:新しい社会を力強く生きるために育むべき力として、文部科学省が示したもの。3要素とは「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を指す。

02誰が対象?何が変わる?

新しい制度による大学入試は、2020年度から開始され、2018年度現在の高1生が対象となります。ただし、高2・高3生が既卒生となり受験する場合も、同じ制度・条件のもとで受験することになります。新しい制度による大学入試は、大きく3つの変更点があります。

  1. 1)新しい共通テスト「大学入学共通テスト」導入

    2020年度(2021年1月)から、現在行われている大学入試センター試験に代わり「大学入学共通テスト」が導入されます。

  2. 2)入試区分の変更

    現在行われている「一般入試」「推薦入試」「AO入試」が、それぞれ「一般選抜」「学校推薦型選抜」「総合型選抜」と名称を変え、どの選抜でも「学力の3要素」をバランスよく測るものに変わります。そのため、これからは、調査書や面接等が今まで以上に評価されることになるため、学校での活動を充実させる必要がありそうです。

  3. 3)大学入試の英語は4技能評価が原則

    新たに導入される「大学入学共通テスト」からは、民間の外部試験を活用した英語4技能評価が導入されます。また、各大学の個別入試でも、英語は4技能評価をすることが原則となります。

03高2・高3生の受験も変わる?

2020年度までは、現行の入試制度のもとで大学受験をすることになりますが、センター試験でも、教科書に登場しない資料を示して解答させるなど、思考力や判断力が問われる問題が出題されてきています。また、個別入試では、民間の外部試験を活用した選抜方法が増えています。さらに、国立大では推薦・AO枠が拡大しています。そのため、調査書や面接など「学力」以外で評価されるものの対策も必要となりそうです。

大学入学共通テストとは?

01大学入学共通テストって何?

1991年から始まった「大学入試センター試験」に代わって、2021年から新たに導入される共通テストです。実施形式(日程や出題科目など)は、センター試験とほぼ変更ありませんが、新しい制度では、《学力の3要素をバランスよく測る》ことが求められます。つまり高校で学習した知識の理解度を確認するだけではなく、「思考力・判断力・表現力」および「主体的に学ぶ態度」が想定される場面(例えば学校での活動や行事)なども、筆記試験の場面で問われることになります。

02センター試験とどう違うの?

「大学入学共通テスト」は、形式面で大学入試センター試験を継承したテストと言えます。全教科マーク式が出題され、教科・科目数も、センター試験同様の6教科30科目です。また実施面でも、受験年度の翌年1月中旬の2日間で実施される点で、センター試験と同様です。一方、センター試験と異なる主な特徴としては、(1)国語と数学に記述式が導入されること、(2)マーク式問題が知識の理解を重視した問題であったものから、学力の3要素の1つである「思考力・判断力・表現力等」といった《知識を活用する力》や《思考する力》を測ることを重視した問題となること、(3)英語の試験が2種類となること(「2技能タイプ」と「民間団体による資格・検定試験(外部試験)」)があげられます。

03共通テストの記述式とは

「大学入学共通テスト」に新しく導入される国語と数学の記述式問題は、「国語総合(近代以降の文章のみ)」と数学Ⅰの範囲から出題される予定で、どちらも小問3問程度になる見込みです。ただし、国語と数学の教科的特性の違いから、国語は《単独問題》、数学はマーク式との《混合問題》として出題される予定です。記述式と言えば、個別入試で出題されるような論述や自由記述を想定してしまいますが、共通テストの記述式は《限られた条件のなかで表現する力などを測ること》が主な目的とされているため、国語は一定条件を課した20字から120字程度の記述、数学は簡単な数式や文章を記述させる問題が出題される予定です。

04やるべき対策は?

「思考力・判断力・表現力」を養うには、基礎となる知識や技能が不可欠であり、日々の学習を着実に進めながら対策していきましょう。そのうえで、SAPIX YOZEMI GROUP模試の「論理力評価テストSRT」「大学入学共通テスト入試プレ」「スタンダードレベル模試」などの新しい入試に対応した模試で新システムの入試を体験し、いち早く志望校に向けた学習の指針を立てることがオススメです。

英語4技能の評価とは?

01英語4技能がどうして必要なの?

グローバル化していくこれからの社会に対応したコミュニケーション力を育成するために、新しい大学入試制度では、「読む」「聞く」だけではなく、「話す」「書く」も含めた4つの技能をバランスよく評価することが求められます。ただし、「大学入学共通テスト」と個別大学の入試で活用されるルールが異なるため、仕組みをしっかりと理解しましょう。

02「大学入学共通テスト」における英語

「大学入学共通テスト」の英語は、2種類の試験を活用します。1つは国が作成する「筆記(リーディング)・リスニング」、もう1つは「民間団体による外部試験」です。大学入学共通テストで活用される「外部試験」には、一定のルールがあります。1)高3生の4月から12月の間に受験した成績(2回まで)のみ大学に提出できること、2)受験できる外部試験が指定されていること(7団体23試験)があげられます。特に、成績は、複数回受験したテストから2つ選べるわけではなく、受験申込をする前に、大学入試で利用することを申請しなければなりません。そのため、志望する大学で認定されるテストかどうか、受験できる時期が適切かどうかなど、計画的に受験することが必要となります。
なお、各大学の活用について、いち早く方針を示したのは国立大です。国立大学は、2024年度入試までは共通2技能テストと外部試験の双方が課されます。一方、公立大や私立大は、各大学が判断して活用することになるため、志望する大学の募集要項から情報を得る必要があります。

03個別大学入試における英語

個別大学においては、従来行われてきた2次試験や私大入試に加え、外部試験のスコア等を活用した一般入試が増えてきています。個別入試で活用される外部試験のルールは、大学入学共通テストとは異なり、各大学が独自のルールで設定することができます。つまり、大学入学共通テストでは、高3生の成績のみ認定されますが、各大学独自の選抜方法として設定する場合、有効期限や受験可能なテストに制限はありません。そのため、志望する大学が大学入学共通テスト以外のルールで設定していないかどうか、募集要項をしっかりと見る必要があります。

04外部試験にはどんなものがあるの?
対策は?

大学入試で活用される外部試験として、大学入学共通テストでは7団体23試験のみ受験可能です。2018年3月に大学入試センターが発表した参加要件を満たす外部試験は以下の通りです。

GTEC(CBTを含む) TEAP TEAP CBT 実用英語技能検定ケンブリッジ英語検定 TOEFL iBTテスト TOEIC® IELTS GTEC(CBTを含む) TEAP TEAP CBT 実用英語技能検定ケンブリッジ英語検定 TOEFL iBTテスト TOEIC® IELTS

これまでの大学入試のように、高3の1月までに準備すればよいわけではなく、2020年の4月から外部試験は始まります。学習の進捗を考えると、秋以降に受験したくなりますが、受験会場の問題や選抜区分によっては、早い段階に成績の提出が求められる場合もあります。ぜひ早めの対策をオススメします。