志望校に合格するためには、年間・月間・週間・1日単位の学習計画を立てることが重要です。計画的に勉強することで、効率良く学力を向上させるとともに、メンタルの安定にもつながります。
本記事では、現高2生向けの年間スケジュール例、具体的な学習計画の立て方、勉強時間のポイントについて解説します。高1生や中3生もぜひ参考にしてみてください。
受験学年への準備をしよう!
「一年の計は元旦にあり」といわれるように、入試までの大まかな計画を早めに立てることは極めて大切です。志望校合格という大きな目標に向けて、今から自分だけのスケジュールを用意しましょう。
0学期(1月~3月)~受験生への準備期間~
1月から3月を受験生になる前の準備期間として「0学期」と位置づけましょう。
現学年での苦手分野などを復習しておくのも良いですし、志望校についてじっくり調べ、検討するのもおすすめです。
志望校や志望学部をなんとなくの気持ちで選ぶのと、大学に入学した後に何を学び、どう成長したいのかをしっかり見据えた上で選ぶのとでは、受験勉強に対するモチベーションも大きく変わってきます。
学習環境の整備
受験勉強の第一歩として、机周りの整理や教材・参考書準備だけでなく、英単語アプリや学習記録ノート、スマートフォンで使える暗記アプリ、タイマーなどツールの活用も効果的です。生活リズムや勉強のルーティンもこの時期に整えておくと、春以降の学習がスムーズになります。
学習内容と時間を可視化することで、やる気や自己管理力の向上につなげましょう。
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基礎力の徹底強化
英単語・文法、数学の公式や基礎問題、現代文の語彙、日本史・世界史の通史など、高校2年生までの基礎問題集をしっかり活用し、基礎力の定着を最優先しましょう。苦手科目の問題を繰り返し解くなど様々な方法で確実に身につけることが重要です。
模試や過去問を利用して現在の実力を把握し、具体的な数値目標を立てておくことも効果的です。
スケジュール作成のコツ(逆算管理のすすめ)
スケジュールを立てる際は、まず科目ごとにやるべき内容をリストアップすることと入試までの期間を確認することから始めてください。
入試配点や自分の弱点、志望校の出題傾向をもとに優先順位をつけ、週や日単位の到達目標・勉強量を紙やアプリに記録しましょう。
計画は「7~8割達成できれば十分」という柔軟な姿勢で構築し、週単位で微調整しましょう。計画倒れが不安な方は、予備日やちょっとしたご褒美を組み込むことをおすすめします。
スケジュールの立て方(まとめ)
- ・Step1:やるべき内容を科目ごとにリストアップ
- ・Step2:入試まで残り時間がどのくらいあるか把握
- ・Step3:配点と弱点・志望校の出題傾向をふまえ、勉強時間を配分
- ・Step4:週ごと・日ごとの到達点・勉強量を紙やアプリに記録
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平日・休日の小さな積み増し習慣
本格的な受験期に備え、まずは平日1~2時間、休日3~4時間など、自分の生活リズムに合わせて少しずつ勉強時間を増やしましょう。無理のない目標設定で、学習習慣を定着させるのがポイントです。
また、早寝・早起きなど生活習慣も今のうちから整えておくと、以降の勉強効率が向上します。
精神面の安定も意識
計画表を「見える化」して、達成感を日々積み重ねることは、モチベーション維持や不安軽減に有効です。家族や友人に目標を共有し、応援してもらうことで、困難を乗り越える力が高まります。
1学期(4月~6月)~大学受験に向けた基礎を固めよう!~
新学期から夏までは、学力の土台となる「基礎」固めの期間です。
「基礎」がしっかりしていないと、その上に学力を積み上げていくのは困難です。まずは各科目の教科書・基礎問題から着実に習得しましょう。
志望校の過去問などを解くと、応用問題や発展問題の多さに焦ることもあるかもしれません。苦手な科目や分野では、無理に応用問題や発展問題へ挑むより、基礎を確実に積み重ねる方が着実な得点力に繋がります。
大学受験は難問に対応できる力も重要ですが、それ以上に基礎問題で確実に得点できることが合格への大きな一歩となります。
教科書の例題や基礎問題をしっかり理解し、確実に解答できるようにしましょう。
英語の単語や熟語、古典の文法・単語などの暗記系は、早い時期からコツコツ続けると定着します。短期間で覚える方法より、繰り返して記憶を強固にするのが受験勉強のコツです。記録ノートへの書き出しやアプリの活用もおすすめです。
計画運用のサイクル化
月・週ごとに「目標→行動→振り返り→修正」のサイクルを回し、達成度や失敗点をすぐに改善する習慣をつけましょう。「振り返りと修正」を繰り返す習慣が計画倒れや挫折の予防になります。
受験勉強を始めたころはインプット(読む・覚える)が中心となりますが、徐々にアウトプット(演習)量も増やしましょう。目安はインプット7割、アウトプット3割程度です。
模試の活用
模試は実力の「見える化」や弱点把握、志望校との距離(ギャップ)分析に最適です。模試は受けるだけでなく「解き直し→復習→次回目標」のサイクルを必ず行い、その後のスケジュール作成に活かしてください。志望校合格に向けて、着実にステップアップしていきましょう。
夏休み(8月)~勉強のペースを確立しよう!~
夏休みは、大学受験に向けて基礎を確認できるラストチャンスです。
1学期の総まとめとして、基礎固めや復習に力を入れ、苦手分野の克服を目指して計画的に勉強しましょう。
一方で、得意科目の過去問を解いたり、発展問題に取り組んだりして、ライバルに差をつける絶好の機会にもなります。
秋以降は模試が増え、より発展的な問題にチャレンジする機会が増えていきます。
夏の間に自分の弱点をしっかり克服できるかどうかで、今後の勉強の進め方や自信が大きく変わります。
また、学校が休みの期間は生活リズムや学習習慣が乱れがちになるため、しっかりと学習計画を立てることが大切です。
夏期講習や受験対策イベントも積極的に活用しましょう。
1人で勉強しているだけでは気づきにくい弱点の発見や効率的な学習アドバイスも受けられます。
夏休みの過ごし方
1日のモデルスケジュールを設計
午前に暗記学習、午後に演習・復習など、合計8~10時間を目安に勉強しましょう。
集中力と休憩の配分を意識することで勉強を長続きさせやすくなります。
関連記事:受験生の理想的な1日の勉強時間
弱点補強の集中特訓
苦手分野は「集中ブロック」を設け、英語の読解や単語強化、数学の計算や公式確認、理科・社会の重要ポイント復習など、自分の弱点を優先して集中的に取り組むことが効果的です。
過去問は傾向把握中心に
第一志望校の過去問は、問題を解くよりも「出題傾向」や「頻出分野」の分析に重点を置きましょう。この段階では分析がメインとなりますが、同時に共通テスト対策も並行して進めるのがおすすめです。
2学期(9月~11月)~インプットからアウトプットへ~
ここまででしっかりインプットができたら、いよいよアウトプットの段階です。
これまでに身につけた知識をどれだけ使いこなせるか試す時期がきました。
この時期からは、入試本番を意識して模試を積極的に受験しましょう。
学校の定期テストでも学力チェックはできますが、模試では時間配分や出題傾向など、入試により近い状況で実力を確認できます。
模試の受験日程やスケジュールは自分で管理し、事前に「今回の目標は何か」を設定したうえで挑みましょう。模試受験後は必ず振り返りを行い、弱点や改善点を次の学習計画に反映させていくことが大切です。
この時期になると、志望校もある程度定まってきているはずです。
志望校の過去問にも目を通し、出題傾向や難易度を確認しておくことで、より実戦的な受験勉強が可能になります。過去問演習を通して、合格への道筋や勉強のモチベーションも高めていきましょう。
志望校合格に向けたアウトプット法
アウトプット(演習)比率の増加
インプット中心だった学習(6:4)から、アウトプット・演習中心(4:6)へ学習バランスを変えていきます。過去問や模試・記述対策を中心に「実際に解く力」を高めましょう。
志望校別のマイルストーン設定
国公立大学は共通テスト対策と二次試験対策、私立大学は過去問分析・科目別対策といったように、受験方式別に目標設定・進捗管理を徹底しましょう。弱点や頻出分野対策も重要です。
週次の成果チェック&修正
模試や演習の結果は、週ごとに振り返りましょう。できなかった問題や伸び悩んだ分野をピックアップし、翌週の学習計画に組み込みます。学力の底上げを意識した学習計画を立てることが大切です。
秋の情報収集・メンタルケア
志望校の「募集要項」「受験科目変更」など、公式情報は必ず公式HPで最新情報を確認してください。
不安や焦りを感じやすくなる時期ですが、「やるべきことリスト」を整理し、自分の進歩を実感できる習慣を意識して、精神面の安定を保つことも重要です。
夏に蓄えた知識を演習や模試でしっかり使いこなせるようにしましょう。
受験直前期(12月~1月)~志望校合格へ最終チェック~
冬休みから3学期は、受験直前期です。
体調管理に十分注意しながら、受験本番に向けて最後の総仕上げを行います。
時間の余裕が少ない時期だからこそ、優先順位を明確にし、無駄のない学習計画を立てていきましょう。
効率的な学習には、冬期講習の活用もおすすめです。
冬期講習では、受験生が陥りやすいミスや各大学の予想問題など、本番を意識した実践的なポイントを重点的に学べます。
残された時間を最大限活用し、志望校合格に向けて着実に学力を高めていきましょう。
受験直前の総仕上げ
本番と同じ形式の演習・時間管理の徹底
共通テストや志望校入試を想定し、「本番通り」に答案作成・時間配分練習を繰り返しましょう。
弱点分野のラストチェックと解き方・ケアレスミス対策の最終確認が重要です。
志望校ごとの対策最終形
二次試験・私大入試は、過去問で安定して得点できるレベルを目指します。
答案作成の「型」や解答パターンを身につけることで実戦力を強化できます。
冬期講習でミスしやすい問題や予想問題の強化
ミスをしやすいポイントや各大学の予想問題に集中して取り組みましょう。
冬期講習や問題集の活用で、苦手分野の解消も効率的に進めることができます。
体調管理・メンタルケア
睡眠・食事・感染症対策はもちろん、適度なリラックスも大切です。
予備日やちょっとしたご褒美を用意することで、メンタルの安定にも繋がります。
適度な休憩や気分転換によって、集中力を維持してください。
関連記事:受験生の体調管理チェックのポイント!万全な体調で受験に挑む!
大学受験は先手必勝!
大学受験に向けた1年間の学習の流れはイメージできたでしょうか。
現高2生の皆さんは、受験生になる前に志望校や志望校合格のために必要な勉強を振り返って、目標を立ててみましょう!
現高1生・現中3生の皆さんは、このコラムの内容を先取りして、受験勉強のスタートを意識しておくと安心です。
受験本番が近づくと「もっと早く始めておけば…」と思う受験生もいます。
ひと足はやく受験勉強を始めて、ライバルに差をつけましょう。
先手必勝&スケジュール運用
スケジュール運用の5つのルール
1. 勉強する時間を決める(開始・終了時刻を決めて、生活リズムの中に組み込む)
2. 得意科目から着手し、自信をつける(ただし全科目のバランスにも注意)
3. 復習を複数回取り入れる(翌日・2日後・1週間後など、繰り返しの復習で記憶を定着させる)
4. スキマ時間も有効活用(単語や用語の暗記、リスニングなど短時間でできることをコツコツ進める)
5. 必ず予備日やご褒美も設定し、安心感・達成感を持つ(無理なく続けるためにも、余裕を持った計画づくりを)
トライ&エラーの重要性
計画通りに進まないことがあっても、週単位で見直しと修正を繰り返すことが大切です。計画倒れにならず、自分のペースで確実に前進できます。
精神的安定への配慮
結果を急ぐよりも、「計画→実行→振り返り→修正」のサイクルを積み重ねることで、焦りや不安が減り、合格への確かな一歩を踏み出す力になります。受験勉強は長期戦ですので、日々の積み重ねと柔軟な対応を心がけましょう。
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