ここが変わる!!新・大学入試

2020年度から大学入試の仕組みが一部変わります。
押さえておくべき変更点をわかりやすく解説します。

ズバリ、変わるのはここ!

大学入試の全体的な流れや受験方法は、2019年度までの大学入試と大きく変わりませんが、入試区分の名称・共通試験などが変わります。また、国公立大の2次試験や私立大が独自に行う入試において、高校での活動が評価されるようになります。

新・入試区分、早わかり!

現在の大学入試は「一般入試」「AO入試」「推薦入試」の大きく3つの入試区分に分けられます。「一般」は学力重視、「AO」は学力以外を重視、「推薦」は学校からの推薦という特徴があります。新制度入試の区分はそれぞれ「一般選抜」「総合型選抜」「学校推薦型選抜」と名称を変えます。現在の区分と比較すると異なっている部分があることがわかります。

新しい入試区分では「学力の三要素(※)」がより重視され、どの入試区分でもバランス良く評価する入試に変わります。一般選抜は学科試験だけではなく、志望理由や高校での取り組みなどの主体性を積極的に評価したり、総合型や学校推薦型では学力を測る学科試験を取り入れたり……。現在の入試区分よりも課される試験(科目)が増える大学もありそうです。

コラム

「学力の三要素」って?

新制度入試を理解する上で「学力の三要素」という用語は知っておかなければなりません。学力の三要素とは「知識・技能、思考力・判断力・表現力等、主体的に学習に取り組む態度等」のことで、本来、小学校の教育で規定されたものです。それが高校教育改革や大学入試改革を進める上での基本的考えとしても用いられています。大学入試においては「主体的に学習に取り組む態度等」が「主体性・多様性・協働性」として用いられています。大学入試のマニュアルとも言える募集要項では頻繁に登場するキーワードなので覚えておきたいところです。

コラム

どの入試区分での入学者が多い?

先ほど、大学入試区分には「一般入試・AO入試・推薦入試」があると解説しました。この3つの区分は募集人員が均等に分けられているわけではなく、国公立大と私立大では異なります。下のグラフを見るとわかるように、国公立大は主に一般入試での入学者が多い一方、私立大では一般入試とAO・推薦入試とで概ね半々の状況にあります。私立大は国公立大に比べて大学数が多く、入試方式も多様であるため、このような実施状況になります。国公立大は7〜8割が一般入試での入学者となりますが、現在ではAO・推薦入試の割合も徐々に増えてきています。

スケジュールはどうなるの?

新しい大学入試では「一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜」と区分の名称が変わるものの、選抜方法の流れや入試全体のスケジュールは現在の入試とほとんど変わりません。総合型は現行AO入試から出願日が1か月後倒しの9月1日以降となり、合格発表日が指定され、11月1日以降となります。これまでAO入試を主とする受験生は10月までに入試を終える場合が多かったのですが、合格発表が11月以降となるため、総合型選抜で受験する人は一般選抜に向けて9月以降もしっかりと勉強を続けることが必要です。

一般選抜は「大学入学共通テスト」の日程(1月13日以降の土日)、試験開始日(2月1日以降)、国立大入試日(前期2月25日、後期3月12日以降)が全て変更なしの予定です。

現在の入学者選抜の流れ

新しい入試スケジュール

※2021年度入試の総合型選抜出願・入試は9/15~

大学入学共通テストって?

新しい大学入試で最も変わるのは、現在行われている「大学入試センター試験(以下、センター試験)」が「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」になることでしょう。
共通テストは、教科・科目数や実施する日程がセンター試験と変わらないため、一見同じような試験に思えます。しかし、センター試験よりも思考力や判断力を測るための問題が増える見通しです。とはいえ、センター試験の問題が基本となりますので問題傾向や選択肢について知っておく必要があります。また、センター試験の大原則である「高校で学習した内容の確認」という点も共通テストでは引き継がれます。学校で習ったことはしっかりと理解しておくことが求められます。