大学入学共通テストの全貌

センター試験と異なることは何か、大学入学共通テストの全貌を把握し、確実な一歩を踏み出しましょう。

大学入試センター試験との違いはここ!

「ここが変わる!!新・大学入試」のコーナーでも紹介しました通り、共通テストはセンター試験を踏襲します。出題傾向としてセンター試験よりも思考力や判断力を測るための問題が増える見通しですが、「高校で学習した内容の確認」が土台となるため、基礎・基本を疎かにしないことは今までと変わらず重要です。

大学入試センター試験
・1月13日以降の土日2日間
・全てマーク式
・6教科30科目
・全て点数で評価
・英語は筆記とリスニング

大学入学共通テスト
・1月13日以降の土日2日間
・全てマーク式
・6教科30科目
・全て点数で評価
・英語はリーディングとリスニング

大学入学共通テストの概要

実施時期
(2021年度入学者選抜)
2021年1月16日(土)・17日(日):第1日程
2021年1月30日(土)・31日(日):第2日程
2021年2月13日(土)・14日(日):特例追試験
出題範囲 6教科30科目から出題 
(現在のセンター試験と同じ教科目数)
出題形式
出題内容
全てマーク式だが、
センター試験とは異なる解答形式や問題素材
共通テスト
の英語
【共通テスト】 リーディングとリスニング
※配点がそれぞれ100点ずつ

科目や試験時間・配点は?

共通テストで課される教科・科目はセンター試験と同じですが、一部の教科で試験時間や配点が変わります。
「数学I」「数学I・A」の試験時間が60分から70分に延長されます。また、外国語の英語は筆記からリーディングに名称を変え、筆記200点・リスニング50点だった配点がそれぞれ100点ずつとなります。

●試験時間の変更
数学I、数学I・A:60分⇒70分
●配点の変更
英語:筆記200点・リスニング50点⇒リーディング100点・リスニング100点

2020年1月29日に大学入試センターより示された資料に基づき作成
特例追試験は一部、出題科目・試験時間・配点が異なる

どんな問題が出るの?

共通テストの問題はセンター試験の内容を踏まえたものとされていますが、2017年と2018年に大学入試センターが実施した共通テストに向けた「試行調査(※)」では、センター試験とは異なる特徴が2つ示されています。1つは思考力や活用力を測る問題が重視される点、2つ目は実用的な文章や身近にあるものを題材とした問題が出題されるという点です。特に1つ目の思考力や活用力を測る問題では、これまでセンター試験では出題されなかった形式の解答方法なども取り入れられる予定です。

●思考力や活用力を測る問題の重視
知識と知識を組み合わせ、または比較させて解答させる問題 資料1と2より・・・・
ある知識をもとに、何かを推測させて解答させる問題 結果は○○だが その中で・・・・
・答えが1つに定まらない問題、最初の解答が次の解答の根拠になる問題
答えを導くプロセス(過程)そのものをマークまたは記述 ある実験の結果、○○となったが・・・・

●実用的文章、身近な題材、地域の課題から出題
学校の授業(探究学習や課題研究など)を場面として想定させた出題 社会や理科で出題多し
日常的な出来事や題材、ICTの活用を意識した出題
・会話や討論、新聞記事などを題材にした出題 省庁の白書、六法全書なども出題として想定

●センター試験で問われてきた知識はもちろん問われる!
・センター試験は「学校で習得した知識が身についているかどうか」
・教科書に登場する知識の習得は前提条件!

コラム

試行調査って?

共通テストを実施する前に検証する必要性から行われた試験のことで、2017年と2018年に実施されました。

共通テストで出題された新しい傾向の問題には、いくつかの特徴があります。
一例を紹介します。

問題例①

複数の資料を比較し分析して解答を導く

参考:大学入学共通テスト 2018年度「試行調査」より

問題例②

最初の解答が次の解答に連動
教科書の「太字」ではなく本文(歴史の流れ)を理解できているかどうか

参考:大学入学共通テスト 2018年度「試行調査」より

英語の出題は何が変わるの?

共通テストで課される英語は「リーディング」と「リスニング」です。センター試験と違う点を大きく3つ挙げることができます。

①配点の変更
英語:筆記200点・リスニング50点⇒リーディング100点・リスニング100点

②リーディング
「読み(読解)」を中心とした出題(発音、アクセント、語句整序は出題されない)

③リスニング
1回読みと2回読みの両方が出題(難度の高い問題ほど1回読みになる可能性あり)
・配点の変更に伴い、問題量が増える可能性がある(センター試験よりも小問10題程度)

それほど変化していないように見えますが、実は結構違います。
例えば、リーディングは読み中心の出題となるため、現在のセンター試験よりも“読む”量が増えるにも関わらず、試験時間には変更がないことから、これまで以上に時間配分を考えて試験に臨む必要があります。
一方、リスニングも配点変更により問題量が増えることから、今までは全て2回読み上げていたものが1回だけの問題も出題されます。そのため、センター試験以上に正確に聞き取る力が試されます。また、リスニングは「多様性」という観点から、様々な国籍の英語が流れる予定ですので、その点を踏まえてトレーニングを積むと良いかもしれません。

※共通テストにおける出題のポイント
(1) 実際のコミュニケーションを想定した明確な場面、目的、状況を設定。
(2) CEFRのA1からB1までの問題を組み合わせて出題。
(3) 要点を把握する問題、複数の情報を統合して答える問題、読み取った(聞き取った)情報と図表からの情報を統合させて答える問題など、思考力・判断力を試す問題を出題。
(4) リーディングでは「読むこと」の力を把握することを目的とし、発音、アクセント、語句整序などの問題は出題しない。
(5) リスニングについてはアメリカ英語に加えて、場面設定によってイギリス英語を使用。また、1回読みと2回読みが混在する構成で実施し検証する。

リーディングとリスニングの配点比率

共通テストの英語の配点は、リーディング・リスニングそれぞれ100点ずつに変わります。ただし、その得点を入試でどのように扱うかは大学により異なります。一般選抜においてリーディングとリスニングの配点比率別に分類した一覧表は以下のとおりです。

国公立大学におけるリーディングとリスニングの配点比率

R100・L100
(1:1)
国立 北海道、北海道教育、室蘭工業、小樽商科、旭川医科、弘前、宮城教育、筑波技術(保健科学)*、東京外国語、東京学芸、東京工業、東京海洋、お茶の水女子、一橋、長岡技術科学、上越教育、金沢、名古屋工業、豊橋技術科学、大阪教育、兵庫教育、和歌山、広島、鳴門教育、福岡教育、九州、九州工業、鹿屋体育  *筑波技術(産業技術)はリスニングを課さない
公立 札幌医科、札幌市立、公立千歳科学技術、名寄市立、青森公立、岩手県立、秋田県立、秋田公立美術、山形県立保健医療、会津、群馬県立女子、高崎経済、長岡造形、富山県立、石川県立、敦賀市立看護、長野、長野県看護、静岡文化芸術、三重県立看護、京都府立医科、福知山公立、公立鳥取環境、島根県立、新見公立、愛媛県立医療技術、九州歯科、福岡県立、福岡女子、大分県立看護科学、宮崎県立看護、名桜
R160・L40
(4:1)
国立 福島、茨城、筑波、群馬、千葉、東京芸術、新潟、信州、愛知教育、滋賀医科、京都教育、京都工芸繊維、神戸、奈良教育、奈良女子、鳥取、島根、岡山、山口、徳島、香川、高知、長崎、熊本
公立 釧路公立、公立はこだて未来、青森県立保健、宮城、国際教養、群馬県立県民健康科学、千葉県立保健医療、神奈川県立保健福祉、金沢美術工芸、公立小松、名古屋市立、大阪府立、神戸市外国語、神戸市看護、岡山県立、尾道市立、広島市立、福山市立、山陽小野田市立山口東京理科、香川県立保健医療、高知県立、高知工科、熊本県立
R150・L50
(3:1)
国立 北見工業、東北、宇都宮、東京医科歯科、電気通信、福井、岐阜、静岡、浜松医科、名古屋、京都、大阪、佐賀
公立 山形県立米沢栄養、前橋工科、埼玉県立、新潟県立、新潟県立看護、石川県立看護、公立諏訪東京理科、大阪市立、奈良県立、奈良県立医科
前述以外の
比率
国立 帯広畜産(3:2)、東京(7:3)、東京農工(13:7)、三重(2:1)
公立 福島県立医科(3:2)、茨城県立医療(7:3)、福井県立(7:3)、長野県立(3:2)、岐阜県立看護(7:3)、岐阜薬科(3:2)、京都市立芸術(7:3)、下関市立(7:3)、宮崎公立(3:2)、沖縄県立看護(3:2)
R・Lの比率が
学部等により
異なる
国立 岩手、秋田、山形、埼玉、横浜国立、富山、山梨、滋賀、愛媛、大分、宮崎、鹿児島、琉球
公立 東京都立、横浜市立、都留文科、山梨県立、静岡県立、愛知県立、愛知県立芸術、滋賀県立、京都府立、兵庫県立、和歌山県立医科、県立広島、山口県立、北九州市立、長崎県立、沖縄県立芸術

※三条市立・叡啓は共通テストを課さない

私立大学におけるリーディングとリスニングの配点比率

R100・L100
(1:1)
東北福祉、獨協医科(医)、国際医療福祉(医)、千葉工業、青山学院、北里(獣医)、杏林(医)、 國學院、芝浦工業、上智、昭和(医)、成蹊、東京女子、東京農業、東洋、立教、早稲田、神奈川、 南山、藤田医科(医)、名城、京都産業、関西学院、甲南、西南学院
R160・L40
(4:1)
北星学園、酪農学園(獣医)、獨協、順天堂(医)、帝京(医)、東海(医)、日本獣医生命科学(獣医)、麻布(獣医)、愛知医科(医)、立命館、龍谷、大阪医科(医)、産業医科(医)、福岡
R150・L50
(3:1)
埼玉医科(医)、工学院、東京医科(医)、東京電機、東京理科、武蔵、関西医科(医)、岡山理科(獣医)
前述以外の
比率
東京都市(7:3)、同志社(2:1)
R・Lの比率が
学部等により
異なる
北海学園、東北学院、学習院、駒澤、成城、専修、中央、津田塾、日本、日本女子、法政、明治、明治学院、愛知、関西、近畿、広島修道、松山
  • 代々木ゼミナール実施・大学入学共通テスト入試プレにおける判定大学に限る
  • 一部大学は医学部医学科、獣医学部獣医学科のみ
  • 共通テスト利用選抜を実施する日本医科(医)は英語を課さない
  • 成蹊、帝京(医)、武蔵、明治(一部学部等のみ)、立命館(情報理工・グローバルコース方式を除く)はRのみとR+Lの高得点を利用

配点と同様にリーディング・リスニングを100点ずつ(比率で1:1)とした大学や、従来のセンター試験と同じくリーディング160点・リスニング40点(比率で4:1)とする大学などに分かれています。
センター試験では一部例外を除いて各大学が配点(比率)をそのまま利用していましたが、共通テストではこれだけ細分化されています。
大学によってはリスニングの得点を軽視できないことに注意して対策しましょう。