学習環境を整えよう!
学年が一つ上がり、気持ちも新たに新生活のスタートを切る高校生の皆さんや、大学受験突破に向けて意欲を燃やしている受験生の皆さんに質問です!
皆さんは今、ご自身が勉強している部屋の温度や湿度についてきちんと把握していますか?
高校生や受験生の皆さんが、より効率的に学習を進めるために、今回は勉強に適した環境づくりについてお伝えしたいと思います。
勉強部屋に適した室温とは…
部屋は暑すぎても寒すぎても、作業の効率と集中力が下がってしまうということが、様々な実験データにより明らかになっています。
令和3年4月1日に施行された文部科学省の学校環境衛生基準では、教室等の環境について
『17℃以上、28℃以下であることが望ましい』とされています。
性別や年齢、体質によって、温度の感じ方には個人差がありますので、まずはこの温度を基準にして、自分に合う室温を見つけると良いでしょう。
また、行う学習内容によっても最適な温度は異なります。
研究によると、脳の回転や作業スピードが必要とされる作業を行う際は、室温を低めにした方が作業効率がアップするそうです。
数学の計算問題や英単語の暗記など、基礎的な問題や反復学習に取り組むときは、部屋の温度を低めに設定してみましょう。
一方、思考力を必要とする作業を行う際は、比較的暖かい室温が適しているそうです。
長文読解や記述問題に取り組むときは、部屋の温度を高めに設定してみましょう。
集中力をしっかり保ち、勉強の効率をアップさせるために、ご自身の体質や学習内容に合わせて室温を調整しましょう!
学習に適した湿度とは…
勉強部屋の温度は季節に合わせて調整しているけれど、湿度についてはあまり把握していない…という人が多いかもしれません。
しかし、部屋の湿度も調整を怠ると、勉強の効率が下がってしまうおそれがあります。
文部科学省の学校環境衛生基準を確認すると、教室等の一般的な湿度は
『30%以上、80%以下であることが望ましい』とされています。
お住まいの地域や季節によって快適な湿度は異なりますが、まずはこの数値を基準に考えるのが良いでしょう。
湿度の調整をする上で、最も注意したいのが体調への影響です。
高湿度の環境下では、汗が蒸発しにくくなります。
そして、汗が蒸発しにくくなると、体内で作られた熱を外に逃がすことができなくなり、体の中に熱がこもりやすくなるのです。
発汗による体温調節が上手にできないと、夏場は熱中症を引き起こすおそれがあります。
梅雨や夏場などの湿度の高い時期は室温だけでなく湿度も確認して、快適な環境を保つように心がけましょう。
湿度が低いときは、空気の乾燥による肌のかゆみなどの皮膚トラブルや、ドライアイに注意しましょう。
また、感染症対策にも注意が必要です。
受験生の大敵である、風邪やインフルエンザのウィルスは、湿度が40%以下の環境で活発化するとされています。
気温が低くなる冬場は低湿度になりやすい時期ですので、受験本番を万全の体調で迎えるためにも、勉強部屋の湿度が低くなりすぎないように心がけましょう。
高校生や受験生の皆さんが集中力を保って勉強するためには、体調管理の徹底が重要になります。
勉強部屋の温度だけではなく、湿度にも気配りをして、体調を崩さないように注意しましょう!
室温と湿度を調整する方法とは…
エアコン・加湿器
温度調節、湿度調節のいずれにも利用できるのがエアコンです。
特に夏場は冷房の代わりに「除湿」機能を使用することで、部屋の温度と湿度の両方を一気に下げることができます。
また、冬場に空気が乾燥してきたな…と感じた時は、加湿器を利用するのがおすすめです。
最近では、卓上に設置できる小型タイプの加湿器や紙に含ませた水を蒸発させる気化タイプの加湿器も販売されています。
勉強部屋の大きさや机周りのスペースに合わせて、使い勝手の良いサイズやタイプの加湿器を選ぶと良いでしょう。
換気
部屋の換気を行うことで、室温と湿度を調整するのもおすすめです。
換気を行う際は、空気の入口と出口を設けて「風の通り道」を作ることがポイントです。
部屋に二つ以上窓がある場合は、複数の窓を開けて風の通り道を作りましょう。
部屋に窓が一つしかない場合は、窓と部屋の扉を同時に開けておくと、スムーズに換気が行えますよ。
エアコンや加湿器を使って室温と湿度を調整しているときでも、定期的に換気を行うと良いでしょう。
室内のCO2(二酸化炭素)濃度は、低ければ低いほど、脳のパフォーマンスが向上すると言われています。
外の空気を取り込んで、効率良く勉強を進めましょう!
志望校合格に向けて、走りだそう!
室温と湿度を調整して、勉強部屋の居心地を良くすることで、集中力を長く保つことができます。
新年度のはじまりに合わせて、学習環境を整え、スタートダッシュを決めましょう!
学習環境がしっかりと整ったら、大学受験に向けて学習計画を立てるのもおすすめですよ。
『大学受験に向けた計画の立て方について』の記事も、ぜひご参考に!