高校生・受験生の皆さんは、一日に何時間くらい机の前に座っていますか? 学校や予備校の授業時間以外も自主学習に真剣に取り組み、一日の半分以上を座って過ごしているという人も少なくないでしょう。
そこで今回は集中力をキープし学習効率をアップさせる、正しい姿勢と座り方についてご紹介したいと思います。
正しい姿勢で勉強するメリット
正しい姿勢で学習することは、健康面や学習効果において多くのメリットをもたらします。
日常生活で姿勢を意識することは簡単ではありませんが、習慣化することで身体にかかる負担を軽減し、集中力や作業効率を高めることができます。
以下に、正しい姿勢の具体的なメリットを紹介します。
手足の冷えやむくみを防ぐ
正しい姿勢で勉強することで血流が良くなり、手足の冷えやむくみを防ぐことができます。
悪い姿勢では血流が圧迫され、体の隅々まで酸素や栄養が十分に行き渡らないため、冷えやむくみが生じやすくなります。
姿勢を正すことで勉強中もリフレッシュしやすく、手足の冷えも防ぐことができます。
集中力と作業効率が向上する
姿勢が良いと背筋が伸び、呼吸が深くなります。深い呼吸によって脳に酸素が十分に供給され、結果として集中力が向上します。
さらに、正しい姿勢は疲れにくく、長時間の学習でも疲労がたまりにくいので、作業効率も大きくアップします。
眠くなりにくい
正しい姿勢は適切な血行を促し、酸素が脳にしっかり送られます。これにより、頭がすっきりし、眠気に襲われにくくなります。
一方、悪い姿勢でいると血流が悪くなり、酸欠状態が続くため眠気が生じやすくなります。
肩こり・腰痛の予防
不自然な姿勢が続くと、筋肉や関節に余計な負担がかかり、肩こりや腰痛につながります。特に、姿勢が悪いと背中や首の筋肉が緊張し、肩こりがひどくなります。
正しい姿勢で学習することで、これらの負担を軽減し、肩こりや腰痛の予防が可能です。
疲労の軽減
適切な姿勢を保つことで、体全体に均等に負担がかかり、特定の部位だけに負荷が集中することがありません。
これにより、体がバランスよく使われ、疲れにくくなります。
特に、腹筋や背筋が適切にサポートされるため、長時間の勉強でも疲労が軽減されます。
悪い姿勢・座り方がもたらすデメリット
長時間の学習を終えた後、肩こりや腰痛、頭痛を感じることはないでしょうか?
その原因は、悪い姿勢や座り方にあるかもしれません。
たとえば背中を丸めて机に覆いかぶさる『猫背』の姿勢は、悪い姿勢の代表的なものです。
猫背は首・肩・骨盤に負担がかかるため、体が疲れやすくなります。
また、背を丸めた状態では目から机に置いたノートや参考書までの距離も近くなるため、眼精疲労や視力低下の原因にもなりかねません。
猫背になると胃や肺が圧迫されて、呼吸が浅くなるのも問題です。
浅い呼吸では脳への酸素供給が不足して、頭の回転が悪くなり、集中力や判断力の低下を引き起こすなど、学習効率が悪くなってしまうのです。
さらに、猫背は精神面にも悪影響を及ぼすといわれています。
人間の脳は、うつむいた体勢が続くとネガティブな気持ちになりやすいため、猫背の姿勢が常態化することで、不眠やストレスを感じやすくなるおそれもあるのです。
姿勢だけではなく、座り方にも注意が必要です。
たとえば、足を組んで座ると筋肉がねじれた状態になり、骨盤が傾きます。
骨盤の歪みや筋肉のねじれによる血流の悪化は、腰痛や冷え性、足のしびれの原因にもなります。
猫背や足を組む座り方は無意識にしてしまいがちですが、体にもメンタルにも負担がかかるものです。
受験勉強で長時間机に向かうことが多い高校生・受験生の皆さんは、集中力を保って効率よく学習するためにも、正しい姿勢と座り方を心がけましょう!
正しい姿勢と座り方とは
次に、正しい姿勢と座り方とはどのようなものか、押さえておきたいポイントを説明します。
<骨盤は地面と平行にする>
椅子に座る時は、骨盤の高さが地面に対して水平になるように、座面に坐骨(おしりの左右二つの骨)を均等に乗せましょう。
骨盤を正しい位置でキープできると身体が疲れにくくなり、肩こりや腰痛の予防にもなります。
骨盤が後方に傾いた状態になると、背筋が丸まって猫背の姿勢になってしまいます。
反対に骨盤が前に傾いた状態でも、上の写真(※右端図)のような『反り腰』と言われる姿勢になるおそれがあります。
反り腰は一見したところ、背筋が伸びているように見えるため、良い姿勢だと思われることがありますが、こちらも猫背と同様に、体に負担がかかる悪い姿勢です。
正しい座り方のポイントは「背筋を伸ばす」ことではなく「正しい骨盤の位置」をキープすることと覚えておきましょう!
<足は組まずに、足裏全体を床につける>
前項でもお伝えした通り、足を組んで座るのはNGです!
膝を90度の角度にし、座面に深くこしかけた状態で、足の裏全体がしっかり床につくように椅子の高さを調整しましょう。
椅子が高い場合は、足の下に台を置くとよいでしょう。
足裏が床につく状態で座ると、体重の負荷が分散できて体も疲れにくくなります。
足がぶらぶらと宙に浮いた状態にならないように注意しましょう!
姿勢矯正のお助けアイテム
正しい姿勢や座り方をキープするには、ある程度の筋力や筋肉の柔軟性が必要です。
そのため、座りはじめは意識していても、いつの間にか悪い姿勢や座り方に戻ってしまう…という人もいるかもしれません。
その場合は、骨盤を正しい位置にしてくれる『矯正クッション』などの助けを借りるのもいいでしょう。
もっとお手軽なところでは、バスタオルを利用するのもおすすめです。
椅子の座面が傾いている場合や湾曲している場合は、おしりの下にバスタオルを引いてみましょう。
骨盤の位置が安定し、正しい姿勢を保ちやすくなりますよ。
背もたれつきの椅子に深く腰掛け、背中(※へその後ろあたりの位置)と椅子の背もたれの間に、ロール状にしたバスタオルを挟んでみましょう。
腰や背中の筋肉に負荷がかかりにくくなり、背骨にかかる力を分散できるため、腰痛予防にもなりますよ。
おわりに
日本人の成人が平日に座っている時間の平均は約7時間』という調査結果もあり、この長さは世界一とも言われています。
高校生・受験生の皆さんは今、受験勉強や学習のために座っている時間が長くなっているかと思いますが、正しい姿勢と座り方を身につけておくことは、今後の人生においてもきっと役立つはずです!
正しい姿勢や座り方を心がけていても、長時間座り続けると、どうしても肩こりや腰痛が出てしまう…という日もあると思います。
その場合は、以前のコラムで『肩こりの防止・解消方法』についてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
正しい姿勢と座り方で、集中力を切らすことなくしっかりと学習し、志望校合格への道を突き進みましょう!