「受験勉強って、みんな本当はいつから始めているの?」
「高1生や高2生のうちって、何をどこまでやっておけばいいの?」
部活もあるし、正直まだ本気モードにはなれない。でも、心のどこかでは「このままで大丈夫かな」と不安が消えない──そんな気持ちで過ごしていませんか。
受験勉強について、まず押さえておきたいのは2つ。
- ・早く動き出した方が有利
- ・出遅れても、状況は変えられる
この記事では、大学受験の流れや「いつから」「何から」勉強を始めると良いのかを整理し、高1生・高2生が今日から踏み出せる大学受験のためのロードマップを紹介します。
大学受験の全体像を押さえよう
「いつから」「何から」を考える前に、まずはゴールである大学受験がどんなスケジュールで進んでいくのかをイメージしておきましょう。
大学受験の基本的な流れ
多くの受験生は、次のような流れで準備を進めます。
- 高1生・高2生
- 学校の教科書レベルの基礎固め+大学入試の仕組みを知る
- 高3生の春〜夏
- 基礎を仕上げながら、共通テストレベルの問題演習を本格化
- 高3生の秋〜冬
- 志望校の過去問演習・記述問題の対策など、志望校対策に集中
- 1月:大学入学共通テスト
- 2〜3月:国公立大学の二次試験・私立大学の個別入試
一般選抜では、多くの場合「共通テスト+各大学の個別試験」で合否が決まります。
総合型選抜や学校推薦型選抜では、高1生・高2生の成績(評定平均)や活動実績が評価されるため、「早めに動いた人が有利」という点は共通です。
入試方式と必要科目の“型”を知ろう
受験のスタイルや必要な科目は、大学や学部によって変わります。
まずは、代表的な2つの入試方式の違いを押さえましょう。
- 一般選抜
- 共通テスト+各大学が行う個別試験(いわゆる二次試験)の組み合わせで合否が決まる方式
- 総合型・学校推薦型選抜
- 成績・小論文・面接・活動実績などを総合的に評価する方式
高1生・高2生のうちに、「文系・理系」または「興味のある大学・学部」をざっくり調べておくと、優先すべき科目が見え、勉強の方向性が定まっていきます。
大学受験の勉強は「いつから」始めるのがベストか
実際みんなはいつから?一般的なスタート時期
本格的な受験勉強を始めるタイミングとしてよく見られるのは、「高3生の春〜夏ごろにスタート」というパターンです。部活の引退やオープンキャンパス、模試をきっかけに、本気モードに切り替わる人が多くなります。
一方で、国公立大学・難関私立大学や特に難易度の高い学部(医学部など)を目指す人は、高1生・高2生のうちから「定期テスト+受験の基礎」を意識して、少しずつ先取りや復習をしているケースが目立ちます。
周囲と同じように高3生から本格スタートするのか、合格の可能性を高めたり進路の幅を広げたりするために、高1・高2生から早めに始めるのか。自分の学習ペースや生活に合わせて、どのタイミングで受験勉強を始めるかをイメージしておきましょう。
高1生・高2生から始めるべき3つの理由
先述のとおり、「周りと同じように高3生からスタートしよう」と考える人は多いと思いますが、高1生・高2生のうちから少しずつ動いておくと、次の点で大きなメリットがあります。
1.想像以上に時間がかかる基礎固めがしっかりできる
英単語・英文法、数学の教科書レベル、古文単語・文法などの「基礎」は、短期間で一気に覚えようとしても定着しにくいものです。
基礎学習は毎日の積み重ねが大切です。高1生・高2生のうちから基礎学力を高めておけば、高3生になったときに応用問題や過去問演習にしっかり時間を回せるようになり、受験勉強を有利に進められます。
2.定期テストの勉強がそのまま受験の土台になる
高1生・高2生の定期テストでしっかり点を取るには、「テスト前だけの暗記」ではなく、授業や教科書の内容をきちんと理解することが大切です。
この積み重ねが基礎学力の向上につながり、そのまま受験勉強のスタートラインを高めてくれます。
逆に、高3生になってから教科書レベルからやり直すことになると、過去問や応用問題に使える時間が足りなくなり、焦りや不安につながるおそれがあります。
3.志望校の選択肢が広がる
高2生までに基礎がある程度できていると、模試の成績も伸びやすくなり、「思ったより点数が取れたから、もう少し上の大学を目指してみよう」と、挑戦できる大学の幅が広がります。
一方、基礎が不十分なまま高3生を迎えると、「本当は行きたい大学」があっても、時間的に厳しく、チャレンジしにくくなることもあります。
学年別「ここまでできていると安心」の目安
あくまで目安ですが、次の状態を一つのゴールとして意識しておくと、自分の現在地を把握しやすくなります。
高1生の目安
- 英語
- 教科書レベルの単語・文法の意味が分かり、基礎的な問題なら自力で解ける
- 数学
- 基本問題(教科書や学校配布の問題集レベル)が解き方を見ずに自分で解ける
- 国語(現代文)
- 評論・小説の問題で、「なんとなく」ではなく、本文のどの部分を根拠にその答えを選んだのか説明できる
高2生の目安
- 英語
- 共通テストレベルの長文が時間をかければ最後まで読み切れて、内容もだいたい理解できる
- 数学
- 学校で学んだ問題を一通り学習していて、「見たことがない単元ばかり」という状態ではない
- 国語(古文)
- 主要な古文単語がある程度頭に入っており、基本的な文法(助動詞・敬語など)の意味が分かる
「まだ全然そこまで行けていない…」という人も大丈夫です。
今の状態が分かれば、「どの科目から」「何を」勉強するかを具体的に決めていくことができます。
受験勉強は「何から」始める?最初の3ステップ
ステップ1:ざっくりでOK、あなたの進む方向を決める
最初の段階で「○○大学△△学部」とまで決める必要はありません。
むしろ、最初から細かく決めようとすると、調べることが多すぎて動き出しづらくなります。
ここでは、次のような「大まかな方向性」だけを決めてみましょう。
- ・文系か理系か(どちら寄りの勉強が向いていそうか・興味があるか)
- ・行きたいエリア:家から通える範囲か、関西圏中心か、首都圏も含めるか
- ・国公立大学それとも私立大学を志望とするか
この3つがなんとなくでも決まると、勉強の優先順位をつけやすくなります。
- ・どの教科を特に大事にすべきか(例:理系なら数学・理科が重要など)
- ・共通テストで必要になりそうな科目
- ・高1生・高2生のうちに特に力を入れたい科目
ステップ2:志望校の入試科目・配点をチェックする
ステップ1で決めた方向性をもとに、志望校で実際に課される科目・配点をチェックします。ポイントは、主に次の3つ。
- 1.共通テストで必要な科目
- 何教科・何科目必要か
社会や理科はどの科目が必要か などの指定 - 2.各大学の個別試験(二次試験・私立入試)で必要な科目
- 英語・国語・数学・理科・社会のうち、どれが課されるか
記述式かマーク式か、小論文や面接があるか など - 3.配点のバランス(どの科目がどれくらい重要か)
- 例:英語200点・国語100点・数学100点なら、英語が特に重要
共通テストと個別試験のどちらの比重が重いか
これらは、各大学の公式サイトや募集要項、進学情報サイトで確認できます。最新年度の情報は、必ず公式情報をチェックしてください。
科目・配点が分かったら、具体的な「科目ごとの戦略」に落とし込みます。
- ・英語の配点が高い大学→高1生・高2生のうちから英語を厚めに
- ・数学重視の理系学部→数学の教科書・基礎問題に早めに時間を割く
- ・共通テスト重視の大学→高2生のうちから共通テスト形式に慣れる
「なんとなく全部がんばる」状態から、「入試で点が必要な科目を優先する」勉強に変えられるので、このステップは早めにやっておく価値があります。
ステップ3:今の学力を把握する(模試・定期テストの活用法)
ここからは、「今の自分はどの位置にいるのか」を具体的な数字でつかむステップです。これが分かると、「何をどれくらいやればいいか」が一気に明確になります。
学力の把握には、「模試(全国の受験生との比較ができるテスト)」と「学校の定期テスト(教科書の理解度チェック)」を活用します。
模試で見るポイント
成績表をもらったら、次の3つを必ずチェックしましょう。
- ・全体偏差値:今の自分のおおよその位置(志望校との差)
- ・教科ごとの偏差値:どの教科が強みで、どの教科が弱点か
- ・単元ごとの得点率:例えば英語なら「文法」「長文」「リスニング」など、どこで点が取れていないか
この3つを見て、
- 「英語は全体としては平均だけど、文法が特に弱い」
- 「数学は図形問題だけ極端に点が低い」
といった具体的な「伸ばすべきポイント」をノートなどに書き出します。
定期テストで見るポイント
定期テストは、教科書の理解度を確認するのに最適です。
- ・どの単元でミスが多かったか
- ・ケアレスミスなのか、そもそも理解不足なのか
問題用紙や答案を見返し、「どの問題・単元でつまずいたか」に印を付けておきましょう。これが「復習すべき単元リスト」になります。
模試・テスト復習の基本ステップ
復習は、次の4ステップだけでも十分効果があります。
- 1.間違えた問題・あいまいに正解した問題に印をつける
- 2.答えを見ずに、自力で解き直してみる
- 3.どうしても解けない問題は、解説を読んだり、先生に質問するなどして「なぜそうなるか」を理解する
- 4.数日〜1週間後に、同じ問題をもう一度解いて、今度はスムーズに解けるか確認する
この流れを毎回の模試・テストで続けるだけで、成績の伸び方が大きく変わります。
【学年別】今日から始める受験勉強プラン
高1生:授業と定期テストを「徹底的にやる」時期
高1生で一番大切なのは、「教科書レベルを確実に理解し、定期テストで取りきること」です。難問よりも、授業とテスト対策を丁寧にやることが、そのまま受験勉強になります。平日は授業に集中しつつ、帰宅後30分だけでOKです。
- ・その日の授業をノートで軽く復習し、重要ポイントに印をつける
- ・授業で扱った例題を1〜2問だけ解き直す
- ・英単語or数学の教科書基本問題を少しずつ進める
これを1年続けるだけで、基礎力に大きな差がつきます。
テスト前だけの一夜漬けや「分からない」を放置することを避け、早めに質問や復習をする流れを作っておきましょう。
高2生:志望校を意識した本格準備期
高2生は「高校の勉強」から「大学受験の勉強」へ切り替える時期です。
まず「このレベルの大学に行きたい」「この学部が気になる」程度で構わないので、いくつか志望校候補を挙げ、必要科目と配点を確認しましょう。そこから、どの科目に時間をかけるべきかが見えてきます。
また、模試は判定だけで一喜一憂せず、着実に力をつけるために、次のサイクルを回しましょう。
- ・成績表で偏差値・分野別正答率を確認
- ・弱点単元をメモし、教科書・基礎問題で優先的に復習
- ・「次の模試までに直すこと」を一言で決める
高2生の終わりまでに、次のような基礎学習を一通り終えておくと、高3生で過去問・応用にしっかり時間を回せます。
- ・英語:単語帳1冊+文法書1冊を一通り終える
- ・数学:教科書例題+学校の基本問題集を一通り解ききる
- ・国語:古文単語・文法を一通りインプットする
高2生のうちにここまで準備しておけば、焦りや不安から少しずつ解放され、受験生になってからも前向きに勉強に取り組めるようになります。
高3生から始める場合のプラン
高3生から受験勉強を本格的にスタートする場合は、全科目を広く勉強するのではなく、合格に直結する科目と単元に絞ることがポイントです。
まずは英語・数学・国語など主要科目の基礎を短期間で総チェックし、「知らない・あいまい」な単元をリストアップして集中的に克服します。目標は、共通テストの基本問題を確実に取れる状態にすることです。
基礎学習と並行して、第1〜第3志望を決め、募集要項から必要科目と配点を確認しましょう。配点の高い科目を優先的に学習し、他の科目とのメリハリをつけて取り組むことが重要です。
前半は共通テストレベルの問題集で基礎〜標準を固め、後半は志望校の過去問で出題傾向と必要レベルを把握しつつ、足りない分野を基礎に戻って補強していきます。時間は限られていますが、科目と単元を絞り、毎日勉強を続ければ、志望校合格に近づいていけます。
計画・習慣・メンタル:続けられる受験勉強にする
「年間→月→週」で逆算する学習計画の立て方
最初から完璧な年間計画は不要です。
大まかな「年間」→少し具体的な「月」→かなり具体的な「週」の順で決めると、続けやすい学習計画になります。
- 例)
- 年間:高2生の終わりまでに英単語帳1冊+文法書1冊を終える
- 月:今月は「英単語を毎日30個」「文法を1日2ページ」
- 週:テスト期間は文法を減らし、単語は普段どおり続ける など調整
ポイントは、以下の2つです。
- ・やることを欲張りすぎない
- ・内容と量を「具体的な数字」にする
計画を紙やアプリに書き出し、いつでも見返せる形にしておきましょう。
部活・学校と両立する時間管理術
部活や学校行事を頑張ることは、学生生活を充実させる意味においては大きなプラスになります。
大切なのは「勉強ゼロの日を作らない」ことです。
部活のある平日(30〜60分)
- ・英単語
- ・その日の授業の復習
など、負担の少ない勉強を習慣化しましょう。
休みの日(2〜3時間)
- ・数学の演習
- ・現代文・古文の読解
- ・理社のインプット
など、集中して学習を進めます。
通学・休み時間
- ・英単語アプリ
- ・理社の一問一答
「スキマ時間専用メニュー」を決めておくと、1日の合計勉強時間が増えます。
不安との付き合い方とモチベーション維持
受験期は、不安やストレスから心身の調子を崩し、勉強へのモチベーションを保ちにくくなります。
- ・模試の成績が思うように伸びない
- ・友達と比べて焦る
- ・やる気が出ない日が続く
こんなときに意識したいのは、「完璧ではなく、今日のベストを出す」ことです。
具体的には、
- ・落ち込んだ日は「最低ラインだけやる日」にする
- 例:英単語10分だけ/昨日の復習だけ など
- ・上手くいった日は、「何が良かったか」をノートに一行メモする
- ・不安が強いときは、友人や保護者・先生・塾や予備校の講師に話して、頭の中を整理する
受験期に感情が上下するのは、ごく普通のことです。
「落ち込む自分も含めて受験の一部」と捉えて、0か100かで判断せず、「小さくても毎日続けること」を目標にすると、ペースを保って長く走り続けられます。
まとめ:受験勉強は「いつからでも」始められる。大切なのは「今日なにをするか」
受験勉強は、早く始めたほうが有利ですが、大切なのは「いつ始めたか」よりも、「気づいた今日から、何を続けるか」です。
そのためには、まず志望の方向性をざっくり決め、必要な入試科目を確認し、模試やテストで今の学力を把握するところから始めましょう。
もし、自分一人では計画の立て方が分からなかったり、志望校選びや勉強法に不安があったりする場合には、学校の先生や塾・予備校の講師など、専門家に一度相談してみるのも良い方法です。
誰かに話を聞いてもらいながら状況を整理すると、不安が言葉になり、「次に何をすればいいのか」がはっきり見えてきます。この一歩を「いつか」ではなく「今日」から踏み出せるかどうかが、1年後・2年後のあなたの景色を大きく変えていきます。
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