受験生にとって、大学受験当日の緊張感は、とても大きなものです。
とはいえ、適度な緊張感を持って試験に臨めば、ミスを避けようと慎重になれるため、必ずしも『緊張=NG』というわけではありません。
一方で、試験開始の号令を聞いた途端に、心臓がドキドキ・バクバクと高鳴り、パニックで頭が真っ白になってしまう――そんなケースもあります。受験生なら、そのような状態は絶対に避けたいと願うはずです。
そこで今回は、試験中に慌てたり焦ったりしないために、どうすればよいのかを一緒に考えていきましょう。
試験前夜の整え方(前準備)
大学入試は、前夜から始まっています。就寝前の小さな選択が、翌朝の集中力に影響し、本番で実力発揮できるかどうかに関わります。
前夜は、就寝の2〜3時間前にはスマホの画面をなるべく見ないようにし、部屋の照度を落とすなどして、自然に休息モードへ移行できる環境を整えましょう。
勉強は「重要ポイントの軽い復習」に留め、直前の過度な詰め込みは避けるのが無難です。明日の持ち物(受験票、筆記用具、時計、替えマスク、軽食など)を準備し、交通経路と到着予定を「遅延があっても間に合う」設定にしておくと、朝の不安はぐっと減ります。ぬるめのお湯に浸かるなどして心身を落ち着かせると、翌日の自分を助けてくれるはずです。
当日の朝と移動のルーティン(緊張の立ち上がりに対処)
目覚めたら、水を一杯飲み、肩と首を軽くほぐしてください。
続けて、数回の腹式呼吸を行いリラックスします。
朝食は消化の良いメニューがおすすめです。揚げ物や食べ過ぎは避けてください。移動中は、分厚い参考書よりも、公式や頻出ポイントだけをまとめた小さなカードなどをさらっと見返すくらいにしましょう。電車内でも片手でめくれる枚数に絞っておくと、気持ちが落ち着きます。
移動中にも緊張してきたと感じたら、スクエア呼吸法(4秒吸う→4秒止める→4秒吐く→4秒止める)を1〜2セット行ってください。呼吸が整うことで、視界が広がり思考も落ち着きやすくなります。
試験当日の朝は周りの刺激に流されず、いつものリズムを守ることを意識してください。
試験会場に着いてから試験開始まで(直前の整え)
席に着いたら、受験票と筆記用具を机の上に出し、背筋を軽く伸ばし、肩の力を抜いて、静かに腹式呼吸を30〜40秒行います。試験に集中しやすいように、気持ちと身体を整えましょう。
試験開始の合図で焦らないためには、試験開始前に「試験の進め方」を小さく復習しておくことが有効です。たとえば、「最初に試験問題全体を把握し、配点を確認。易しい問題から始め、最後に見直す」という流れを心の中で一度なぞるだけでも気持ちが落ち着きます。
緊張はゼロにはできませんので、集中を助ける適度な張りとして受け止め、試験開始の合図が鳴ったらひと呼吸おいてから動き始めましょう。
試験中に慌ててしまうのは誰にでも起こりえること!
まずお伝えしたいのは、試験中に慌てて「頭が真っ白になったらどうしよう」と不安になるのは、あなただけではないということです。
- 「試験中にパニック状態になった」
- 「頭が真っ白になった」
という声は、大学受験を経験した人たちから毎年必ずあがっています。
大学受験本番では、思わぬ難問に出会ったり、出題形式に戸惑ったりすることがあり、すべてが予想通りに進むほうがむしろ珍しいと言えるでしょう。
試験中に慌てず実力を発揮するためには、事前に「どう対処するか」を考えて備えておくことをおすすめします。
次項から具体的な対処法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
もし本番で焦ってしまったら?試験中の緊張をほぐす5つの方法!
緊張している自分を客観視する
客観視は、気持ちの暴走を止めて「次の一手」へ注意を戻すためのスイッチです。試験中に不安を感じたら、まず「今、緊張しているな」と心の中で短く言ってみてください。心臓がドキドキする、手に汗が出る——これは頑張ろうとしているときに起きる普通の反応です。「ダメだ」と否定せず、事実として認めることがポイントです。緊張を言葉でまとめると気持ちに飲み込まれにくくなり、落ち着くきっかけが生まれます。
認めたら、すぐに次の行動へつなげましょう。「配点チェック→解ける問題から→迷ったら保留→最後に見直し」。この4ステップを意識して、時間配分どおりに進めましょう。流れに乗れば、頭の中の心配ごとよりも目の前の問題に集中しやすくなります。
手を動かしているうちに、いつものペースが自然と戻ってきます。
気持ちを切り替える
受験生の皆さんに試していただきたいのは、「気持ちを切り替える」ことです。
たとえば試験中に予期せぬ難問にぶつかり、不安な気持ちに襲われたとします。
その時に「どうしよう…この問題は自分には解けない」と思い詰めてしまうと、不安が膨らみ、実力を発揮できなくなるおそれがあります。
しかし、そこで気持ちを切り替えることができたらどうでしょう。
「これほどの難問なら、きっと他の受験者たちも解けないはずだ」と捉え直してみると、張りつめていた気持ちがゆるみ、肩の力も抜けていきます。
気持ちを切り替えることには、別の視点で考えられるようになるというメリットもあります。
パニックに陥ると一つの考え方に固執し、結果として自分をさらに追い詰める負のスパイラルに入りがちです。いったん落ち着きを取り戻せれば、別のアプローチが自然と浮かんでくるはずです。
肩の力を抜き、気持ちを切り替え、視点を変える。これを実践して、平常心を取り戻しましょう!
深呼吸をする
前項で「気持ちを切り替える」ことをご紹介しましたが、次は「深呼吸」を試してみましょう。
深呼吸には自律神経を整える効果があり、ストレスを緩和して緊張をゆるめることができます。
肺の下にある横隔膜には自律神経が集まっているため、リラックス効果を高めるためには横隔膜をしっかり動かす『腹式呼吸』で深呼吸するのがおすすめです。
また、深呼吸には「集中力を高める」というメリットもあります。
慌てると呼吸が浅くなりがちですが、体内に十分な酸素が行き渡らないと脳が酸欠気味になり、思考のキレが鈍り、集中力の低下につながるおそれがあります。
特に試験中もマスクを着用する場合には、酸素の取り込みが不足しやすい点に注意が必要です。
深呼吸は気持ちを落ち着かせるだけでなく、脳の酸素不足の解消にも役立つため、受験生にとっては一石二鳥の効果と言えるでしょう。
試験中に大きく身動きしたり物音を立てたりすることはできませんが、深呼吸ならその場で静かに実践できます。
焦ってしまったときだけでなく、試験前に気持ちを整えたいときにも効果的です。ぜひ試してみてくださいね!
手のツボを押す
試験中でも周りに気づかれにくい手のツボは、試験中の緊張を和らげるのにおすすめです。
まず、親指と人差し指の骨が交わる手の甲のくぼみ(合谷)、そして手のひら中央付近(労宮:中指を軽く曲げて当たる位置が目安)を目立たない圧で5〜10秒ずつ、息を吐きながら左右交互にやさしく押します。
「合谷」は、緊張や不安の軽減、気分の落ち着き、リラックス(自律神経のバランス調整)に役立つセルフケアとして用いられることが多く、「労宮」は緊張・不安の鎮静や気持ちの安定、動悸やストレスによる息苦しさの緩和を目的として使われます。
指先の感覚に意識を寄せることで過剰な緊張が緩みやすくなります。
緊張や焦りが先に立ったら、手のツボを押しながら深呼吸をし、落ち着きを取り戻しましょう。
難問から一旦離れ、別の問題に取り組む
「難問にぶつかった」「解けない問題が出てきた」ことが原因で慌ててしまった場合は、その問題から一旦離れて、別の問題に取り組むのがおすすめです。
真っ白な解答用紙を前にすると焦りが増しやすいですが、他の問題に取り組んで解答欄が埋まっていけば、次第に調子を取り戻すことができます。たとえ解けない問題があっても、「他の問題で得点すればよい」と気持ちを切り替えましょう。
そして、他の問題で手を動かし、心が落ち着いたあとにもう一度戻って挑戦してみると、「さっきはあれほど難しく感じたのに、すんなり解けた」ということは実際によくあります。
まずは解ける問題から解答欄を埋め、試験時間を有効に使いましょう!
休憩時間の過ごし方(集中の回復と維持)
休憩は、ただ「休む」だけの時間ではなく、次の科目に向けてモチベーションを高める短い整備時間です。
肩・首をゆっくり回し、遠くと近くを交互に見ることで目のピントをリセットしましょう。席で静かに「深呼吸」をして、呼吸に意識を向けましょう。呼吸に意識を向けることで消えるはずです。
軽食は、手が汚れず消化の良いものが◎。小さめのおにぎり、バナナ、ゼリー飲料などが定番です。水分は少量をこまめに(飲み過ぎは集中の乱れにつながることがあります)。新しいサプリや高脂質・高糖質の食品、大量のカフェインは集中の波を乱しやすいので避けましょう。
試験中に慌てず実力を発揮するために
志望校合格を目指して努力してきた受験生が、本番で実力を発揮するために、試験中に焦って頭が真っ白になってしまったら、今回のコラムのポイントを思い出してください!
- 「気持ちを切り替える」
- 「深呼吸をする」
- 「難問から一旦離れ、別の問題に取り組む」
本番で不安が高まり「焦って実力を出せないのでは…」と心配になることもあるでしょう。しかし、これらの対策を覚えておけば、過度に恐れる必要はありません。肩の力を抜き、呼吸を整え、解ける問題から着実に進める——この流れを意識するだけでも、落ち着きは戻り、実力を発揮しやすくなります。
試験後の心の整え方(次の科目・次の試験へ)
試験直後は結果に意識が向きがちですが、今コントロールできるのは「次の行動」です。休み時間の間に各設問の手応えと時間配分の自己評価を2分だけメモし、改善点をひとつに絞って次の試験で実践しましょう。
次に試験をひかえている人はポジティブな振り返りを行うことも有効です。
- ・うまくいったことを3つ
- ・次回改善することを1つ
このバランスが、連戦のメンタルを守り、次の試験への集中を支えてくれます。
乗り越えられない壁はない。強い気持ちで、試験本番に立ち向かいましょう。
Tweet


