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【渋沢栄一】-信念を貫いた、日本資本主義の父

【渋沢栄一】-信念を貫いた、日本資本主義の父

2021/10

理想にしたがって生きるのが素晴らしいのだ。

2024年に発行される新一万円札の顔として話題の渋沢栄一。
明治・大正期に活躍した実業家です。

大河ドラマがきっかけで彼の存在を知った人もいるかもしれませんね。

その生涯で設立や経営に関わった会社はなんと500社以上。

「日本資本主義の父」とも呼ばれる渋沢は、現代社会にも通じる数々の格言を残しています。

 今回は、
「人は死ぬまで同じ事をするものではない。理想にしたがって生きるのが素晴らしいのだ。」
という格言を紹介します。

「倫理と利益の両立」という「理想」を追求

渋沢の講演を口述筆記でまとめた『論語と算盤』の中には、理想や信念、夢を持つことの大切さを説く言葉が多く登場します。

なぜ今、渋沢栄一がこんなにも注目されているのかと言うと、「倫理と利益の両立」という「理想」を追い求め続けた人物だから。
ここで言う「倫理」は、「社会貢献」と言い換えると分かりやすいでしょう。

社会に貢献しながら、ビジネスも成功させる

現代に生きる私たちには理解しやすい「理想」ですが、渋沢が活躍した明治・大正期は、三菱や三井といった財閥が力を持っていました。

一族で利益を独占するのが、財閥の経営スタイルです。
それに迎合せず、民間から出資を募って「開放的な経営」を行い、利益を分配した渋沢は異色の存在でした。

また、「人は死ぬまで同じ事をするものではない。」という言葉通り、渋沢は、新しいことに挑戦し続けた人でもあります。

若い頃には志士として幕府を倒そうとしたものの、挫折し幕臣に。
欧州視察を経て明治政府に加わり、大蔵省を辞した後、日本初の銀行である第一国立銀行(現在のみずほ銀行)を設立。

その後、各地の銀行、新聞社、鉄道会社などの経営を軌道に乗せ、同時に、養育院を運営するなど、数多くの社会事業に携わりました。
教育にも尽力し、一橋大学や日本女子大学の創立にも深く関わっています。

晩年には、「面白い本はないか」と弟子に聞き、紹介されたダーウィンの進化論を一週間で読破して、弟子を質問攻めにしたのだとか。

周囲に流されず自らの信念を貫き、生涯にわたって好奇心を持ち続けた彼の生き方から、私たちが、学べることは多いのではないでしょうか。

渋沢栄一記念館(深谷市)

渋沢栄一記念館(写真・深谷市)の資料室には渋沢栄一ゆかりの遺墨や写真など、たくさんの資料が展示されており、講義室では渋沢栄一アンドロイドによる講義を見学することができます。

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