2025新課程入試に関する最新情報
~2025年度(令和7年度)共通テストに向けた分析と対策
2022年11月10日掲載
大学入学共通テスト各教科・科目のポイント(2025年度入試から)
英語
各教科・科目のポイント
- ●出題科目は、現行通り(英語・独語・仏語・中国語・韓国語)
- ●「英語」については「リーディング」と「リスニング」として出題 *2021年3月時点での発表では「英語」とのみ公表
- ●出題範囲は「英語コミュニケーションⅠ」「英語コミュニケーションⅡ」「論理・表現Ⅰ」の内容
→5領域を総合的に測る「英語コミュニケーションⅠとⅡ」と発信力の強化をねらいとした「論理・表現Ⅰ」の内容に対応2021年7月6日大学入試のあり方に関する検討会議「大学入試のあり方に関する検討会議 提言 」より
(2021年共通テスト終了後における有識者の検証レビュー)
英語については、日常生活で必要となる基本的な言語能力と認知的に高度な能力が要請される言語能力のバランスや、明示的指導法(語彙、文法、文章構造等を教師が説明し、練習を重ねて習得させる)と暗示的指導法(意味理解を通して無意識に語彙や文法を習得させる)等のバランスの観点から検証が期待される。(共通テストにおける総合的な英語力を評価する方法等について)
[・・・]大学入学共通テストでのスピーキングテスト、ライティングテストについては、質の高い採点者の確保や正確な採点の担保等、記述式問題の採点と同様の問題や面接官・試験室の確保 等の実施上の課題が生じるため、その実現は、技術の飛躍的進展や社会の理解がない限り困難であると言わざるを得ない。 このように考えた場合、大学入学共通テスト「英語」の試験形態は、引き続き、マーク式問題及びICプレーヤーを使用して実施する方式とし、出題内容としては「読む」、「聞く」に 関する能力を中心としつつ、「話す」、「書く」を含めたコミュニケーション力を支える基盤となる知識等も評価するなど、高等学校までの教育で培った総合的な英語力を可能な限り評価する方向で不断の改善を図っていくことが望ましい。 - ●英語は「リスニング」の実施あり→ICプレーヤーを使用した試験の実施(別の試験時間で実施、現行通り)
数学
各教科・科目のポイント
- ●出題範囲は、数学Ⅰ、数学A、数学Ⅱ、数学B、数学Cの内容
- 数学A:「図形の性質」「場合の数と確率」の2項目に対応した出題で必答
- 数学BとC:数Bの「数列」「統計的な推測」、数Cの「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」から3項目を選択解答
- ●「数学Ⅰと数学Ⅰ・A(①)」と「数学Ⅱ、数学B、数学C(②)」のグループそれぞれに試験時間を設定(試験時間は①②いずれも70分)
- ①の「数学Ⅰ」と「数学Ⅰ・A」は、1科目から選択(現行通り)
国語
各教科・科目のポイント
- ●「現代の国語」「言語文化」から出題→近代以降の文章(論理的/実用的/文学的な文章)および古典(古文・漢文)
- ●多様な文章を扱うことにより、より思考力・判断力・表現力等を評価するため、新たな大問を追加(※2021年9月に予告)
- ●言葉による記録・要約・説明・論述・話合い等の言語活動を重視し目的や場面に応じて情報収集や文章把握、解釈力を評価
- ●大問数(4問→5問)と配点が変更(現代文:110点、古典:90点[古文・漢文各45点])
- ※問題構成と出題内容、追加となる「第3問」の配点は2022年11月現在の検討案
理科
各教科・科目のポイント
- ●出題科目は「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」「物理」「化学」「生物」「地学」
- ●出題科目の選択方法は以下の通り(現行の選択方法から変更なし)
- A「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」は、いずれか2科目選択
- B「物理」「化学」「生物」「地学」のうち1科目を選択
- C「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」から2科目選択+「物理」「化学」「生物」「地学」から1科目選択
- D「物理」「化学」「生物」「地学」から2科目選択
- ●「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」は2科目選択解答のため、1科目のみ選択解答の指定はできない(現行通り)
- ●なお、2025年度から地歴公民と同様に、一つの時間帯で最大2科目を受験する方法に変更(130分で解答時間は120分/1科目60分)
- ●現行科目から出題内容に関して大幅な変更はないが、各科目で使用されている用語等は変更になっている可能性あり
- →旧課程履修には登場してこなかった用語、また、新課程では同一内容で異なる用語として登場しているものもある
地理歴史・公民
各教科・科目のポイント
- ●地理歴史は「地理総合,地理探究」「歴史総合,日本史探究」「歴史総合,世界史探究」の3科目からの出題範囲
- ●公民は「公共,倫理」「公共,政治・経済」の2科目からの出題
- ●上記に加え、地歴・公民の組合せ科目として「地理総合,歴史総合,公共」を出題(範囲は指導要領科目の通り)
- ※「地理総合,歴史総合」「地理総合,公共」「歴史総合,公共」の組み合せから選択解答
- ●地歴と公民で一つの試験時間帯(現行通り、130分で2科目[1科目60分])
- ●出題科目の選択方法は「地理総合,地理探究」「歴史総合,日本史探究」「歴史総合,世界史探究」「公共,倫理」
「公共,政治・経済」「地理総合,歴史総合,公共」の6科目のうち最大2科目を選択 - ●「地理総合」「歴史総合」「公共」は共通問題となるため、選択方法には一定の諸条件あり ※2022年11月試作問題概要より
- *「公共,倫理」と「公共,政治・経済」の組合せは不可(「公共」が共通問題)
- *「地理総合,歴史総合,公共」で選択解答した問題の出題範囲の科目と同一名称を含む科目の組合せは選択不可
○「地理総合,歴史総合,公共」で地理総合と公共を選択、もう1つを「歴史総合,日本史探究」から選択
×「地理総合,歴史総合,公共」で地理総合と公共を選択、もう1つを「地理総合,地理探究」をから選択
- ●地歴、公民ともに必履修科目の学習をもとに選択科目を学習するという指導要領の方針に準拠
- 高等学校の多様な履修の実態を踏まえ必履修3科目で構成された「地理総合,歴史総合,公共」を出題
- 「公共,倫理,政治・経済」は議論/検討内容を踏まえ出題しない
地理歴史・公民の選択パターン
- *出題科目の選択方法は、「地理総合,地理探究」「歴史総合,日本史探究」「歴史総合,世界史探究」「公共,倫理」
「公共,政治・経済」「地理総合,歴史総合,公共」の6科目のうち最大2科目を選択 - *「公共,倫理」と「公共,政治・経済」の組合せは不可
- *「地理総合,歴史総合,公共」で選択解答した問題の出題範囲の科目と同一名称を含む科目の組合せは選択不可
総合科目・公共、探究科目と公民科目の出題バランス
※2022年11月大学入試センター公表「試作問題」を参考に作成
- *「地理総合,歴史総合,公共」で課される問題の一部が共通問題として「探究」系科目と公民科目にも課される
- *「地理総合」「歴史総合」の一部は《共通問題》として、①「地理総合」は「地理探究」に、②「歴史総合」は、同一範囲の異なる問題を「日本史探究」「世界史探究」に出題(→日本史探究と世界史探究で出題される「歴史総合」の問題は異なる)
- *「公共」の一部は《共通問題》として「倫理」「政治経済」にも出題
- *ただし、試作問題と同じ大問が共通問題になるとは限らない(小問数やどの大問の採用数など)
情報
各教科・科目のポイント
- ●出題範囲は「情報Ⅰ」の内容、「情報」として試験時間を設定 ※2021年3月24日に実施が決定
- ●コンピューターの仕組みやプログラミング等の出題(試験時間は60分)
- ※2018年6月5日閣議決定「未来投資戦略2018」より「2-1.AI時代に求められる人材の育成・活用」
大学入学共通テストにおいて、平成36年度〔補註:令和7年度〕から必履修科目「情報Ⅰ」などの新学習指導要領に対応した出題科目とすることについて本年度中に検討を開始し、早期に方向性を示すとともに、コンピューター上で実施する試験(CBT)などの試験の実施方法等について検討を進める
- ※2018年6月5日閣議決定「未来投資戦略2018」より「2-1.AI時代に求められる人材の育成・活用」
- ●他教科・科目と同様に「冊子とマークシート形式」による出題(CBTでは実施せず)
- ●経過措置に対する対応
- 新教育課程による出題科目と経過措置科目を合わせた2科目のうちから1科目を選択し解答
- 「旧情報(仮)」の出題範囲は「社会と情報」及び「情報の科学」の内容
※高校等において「社会と情報」、「情報の科学」のいずれの科目を履修していても不利益が生じないよう両科目の共通部分に対応した必答
問題に加え「社会と情報」に対応した問題及び「情報の科学」に対応した問題を出題し選択解答。
- ●「情報Ⅰ」と「旧情報(仮)」に限り、受験者数が1万人未満であっても得点調整を実施
- ※令和7年度共通テストで初めて出題するという事情も考慮