東京科学大学
1.志願者数・志願倍率
全学院で志願者が減少していますが、特に目立つのは総合型選抜の新設で募集人員が-53人(-16.9%)減った工学院です。-178人(-12.4%)と大きく減らしましたが、志願倍率は2024年度の4.6倍から4.8倍と上昇しています。同じく総合型選抜の拡大で募集人員を減らした理学院、情報理工学院も募集人員の減少率よりも志願者の減少率が小さかったため、2024年度よりも志願倍率は上昇し、理学院は学院単位での募集となった2019年度以降で最も高い志願倍率となりました。他方、募集人員は2024年度と同数ながら志願者を減らした物質理工学院、生命理工学院、環境・社会理工学院はいずれも志願倍率を下げており、生命理工学院は2019年度以降、7年連続で志願倍率が2倍台と低倍率の状況が続いています。 【図表①②】参照
2025年度前期日程の医歯学系(旧東京医科歯科大)の志願者数は合計で+30人(+4.6%)の676人と3年連続の増加でしたが、後期日程は-35人(-9.5%)の減少で、合計では昨年比-5人(-0.5%)と横ばいとなりました。
前期日程の状況を見ると、医学科は+6人(+2.0%)と微増ですが、国公立大医学系全体の指数が95.3である中では比較的志願者を集めた状況です。歯学科は+42人(+34.1%)の165人と増加し、例年150人前後の志願者を集めていた2020年度までの水準に戻りました。国公立大全体の医療系の中で歯学系は唯一志願者が2024年度を上回り、指数105.1と東日本の大学を中心に志願者を伸ばしていますが、それを大きく上回る増加率となっています。看護学専攻も+21人(+35.0%)と大きく伸ばした一方、検査技術学専攻は-31人(-34.8%)で志願倍率は2024年度の4.5倍から2.9倍に大幅に低下しました。2024年度の志願倍率が、看護学専攻は2016年度以降で最低、検査技術学専攻が2番目に高かったことによる反動がその一因と見られます。
後期日程を実施している医学科、保健衛生学科検査技術学専攻、歯学科のうち、医学科・歯学科は減、検査技術学専攻は増といずれも前期日程の増減と逆の結果となりました。特に歯学科は-45人(-31.5%)と大幅な減少となりましたが、これは2016年度以降最高の志願倍率であった2024年度の反動によるところが大きいと見られます。検査技術学専攻は2009年度から後期日程を廃止していましたが、2023年度に復活させました。復活初年度に志願倍率13.0倍と志願者を集めた反動減となった2024年度から再び志願者を増やした形です。 【図表③④⑤】参照