教科専門職員が教える!大学受験で役立つ≪世界史が苦手な人のための学習法≫

2023年8月

教科専門職員が教える!大学受験で役立つ≪世界史が苦手な人のための学習法≫

世界史の苦手を克服して、志望校合格に近づこう!

世界史をしっかりと勉強したいけど、覚えることが多くて大変…、何から勉強をすれば良いのか分からない…という方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな高校生や受験生に向けて、苦手を克服するための勉強法をお伝えします!


大学受験で役立つ!世界史学習のポイント

大学受験で役立つ!世界史学習のポイント

その1【基本知識の定着】

世界史の授業では多くの出来事について学習しますが、その際に資料集や用語集を存分に活用しましょう。
単語ベースの一問一答的な暗記学習に終始してしまうと、世界史の得点は必ず伸び悩みます。

そのため、用語集を使って出来事の背景や前後関係をつかみ、論理的に理解して覚えること。また、資料集の地図や年表を用いて、位置関係や時期を明確にしながら覚えること。この2つを基礎とした学習を心がけるべきです。


その2【タテとヨコの理解】

大学受験で役立つ!世界史学習のポイント

その2【タテとヨコの理解】

世界史学習のポイントとして、「タテとヨコの流れをおさえる」というのが定番です。
タテとは時間的(各国史的・時系列的)な理解、ヨコとは空間的(地域横断的・同時代的)な理解のことです。

世界史が苦手な人は、まずタテの理解を確実にすべきでしょう。

各地域・国家ごとの特徴や歴史の流れを正確に把握することが、学習の土台となります。タテの理解がおぼつかない状態でヨコの流れと無理に関連づけると、かえって中途半端な理解となりがちです。
政治的事象だけでなく、特定の民族や宗教が「なぜその地域で?」といった視点を常に持ちつつ、周辺勢力との交易や協力・対立関係にまで情報を紐づけられると効果的です。

また、各地域の地理的な理解を深めることも重要です。

資料集の地図をみて諸国家の領域や境界をよく確認すると同時に、重要な山脈や海、河川、海峡などの位置を把握することも必須です。
デフォルメしたもので構わないので、地域ごとの略地図を自分で書いてみると、より理解が深まります。


その3【年号を覚えよう】

大学受験で役立つ!世界史学習のポイント

その3【年号を覚えよう】

やみくもに暗記せず、ヨコの理解の「鍵」となる重要年号をしっかり覚え、それに関連情報を紐づけることが極めて重要です。

一例として、タラス河畔の戦いが起きた751年に注目してみましょう。
この戦いでは、アッバース朝が中国の唐を破りますが、当時の両国はどのような状況でしょうか。
アッバース朝はこの前年の750年に成立したばかりですが、唐はすでに衰退期に入っており、4年後の755年には安史の乱が勃発します。 さらに、ヨーロッパに目を向けると、751年にはカロリング朝(フランク王国)が成立します。
このケースでは、751年という年号を「鍵」として、アッバース朝、唐、カロリング朝という3つの国家を紐づけられるうえ、イスラーム世界、中国、ヨーロッパの同時代における動向も理解できます。

忌避されがちな年号暗記ですが、限られた時間のなかで効率的に進める必要がある受験勉強において、ヨコの理解を深めるには、このような重要年号を覚えることは効果的です。

また、年号を覚える際は「〇〇年」といった「点」ではなく、「〇〇年~〇〇年」といった「線」で覚え、始まりと終わりを意識してください。
単年の出来事についても、関連事項の年号と結んだ「線」として覚えましょう。
それぞれの「線」が重なっている期間、あるいはピンポイントで重なった年、これらが、前述の「鍵年号」としての役割を果たすのです。


世界史学習のポイントを押さえて、志望校へ合格しよう!

世界史学習のポイントを押さえて、志望校へ合格しよう!

世界史学習のポイントは 『暗記ではない基本知識の定着』『タテ(時間的)とヨコ(空間的)の理解を深める』『年号は点ではなく線として覚える』 でした。

世界史を苦手に感じている人は、たくさんの世界史上の人物や出来事を暗記しなければいけないと思っているかもしれません。
しかし、今回紹介したポイントをしっかりと押さえて勉強をすれば、理解が深まり、定期テストや模試、そして入試本番でも得点が上がるはずです。

また、志望校合格に向けて勉強をしていて、分からないことや疑問に思うことがある時は、そのままにせず、学校の先生や予備校・塾の講師などに質問をして、理解することが大切です。
苦手克服に向けて、一歩を踏み出しましょう!

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