基礎から応用、さらに志望校ごとの対策など大学受験にむけた勉強の内容は広範囲にわたるため、つい根を詰めてやり過ぎることも少なくありません。
しかし、大学受験に向けた勉強では上手に息抜きをすることも大切です。
ここでは、効果的な息抜きの方法をご紹介します。
大学受験に向けた勉強に息抜きが必要な理由
焦りや不安から「息抜きをしている暇なんてない!」と考える人もいるかもしれません。
ただ、どんな人でも頑張った分の疲れは感じますし、疲れがたまれば集中力が下がってしまいます。
長時間勉強しても、疲れている状態では効率が良くありません。
広範囲を長い期間かけて理解しなくてはならない大学受験に向けた勉強だからこそ、上手に息抜きの時間を取り入れていくことが重要なのです。
短時間の息抜きは学習効果を高める
脳のパフォーマンスを維持するには、短時間の息抜きが有効です。
勉強は脳に対して多大な負荷をかける活動であり、集中してテキストを読解し、情報を記憶し、問題を解く際に脳のワーキングメモリが活用されます。
しかし、長時間の勉強ではワーキングメモリの機能が低下し、結果として学習効率が下がります。東京大学で行われた実験でも、15分の休憩を挟んだ45分の学習グループが、一週間後のテストで高成績を残しました。
これは休憩をとることで脳の疲労を軽減し、パフォーマンスを維持できたためと考えられます。
疲労や睡眠不足がワーキングメモリの機能を低下させると精神科医も指摘しているように、勉強の合間に適度な休憩をとることは非常に重要です。
したがって、しっかりと休息を取りながら効率的に学習する方が、長期的な学習効果を高めることができるのです。
いろいろな息抜きの方法
それでは、具体的におすすめの息抜きの方法を下記で5つご紹介していきます。
【1】軽い運動でリフレッシュ
激しいスポーツではなく、すぐにできる簡単な運動がおすすめです。
散歩やランニングなら外の空気を吸って気分転換になりますし、ストレッチや筋トレ、深呼吸などはその場でもできます。
【2】仮眠でスッキリ
疲れを感じたときは、思い切って寝てしまう方法もあります。
15分間仮眠をとるだけでも、スッキリできます。
それでも疲れや眠気がとれない場合は、ベッドで90分間しっかり眠りましょう。
人間は眠りに落ちてすぐ深い眠りであるノンレム睡眠(深い眠り)の状態に入ります。
その後90分間隔でレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠を交互に繰り返します。
しっかりと眠るのであれば、浅い眠りであるレム睡眠に入った最初のタイミングで目を覚ますことのできる90分間の睡眠がおすすめです。
ただし、いずれの場合も寝すぎないように念のため、タイマーを忘れずにかけておきましょう。
【3】音楽でリラックス
音楽は気持ちを癒したり高めたりしてくれます。
「やる気を出したいときはこの曲」
「リラックスしたいときはこの曲」
という風に、テーマを決めておくのも、勉強・息抜きの切り替えには有効です。
【4】お菓子や飲み物で休憩タイム
脳のエネルギー補給には糖分が有効だと言われています。
そのため、軽い間食で糖分を補充することも大切です。
食べるものはチョコレートやバナナなどがおすすめです。
食べすぎると眠くなることもあるので、食べる時は少量を心がけましょう。
【5】友達と楽しく話すのも効果的
友達同士の楽しいおしゃべりも息抜きには効果的です。
同じ受験生の友達なら、悩みを相談したり勉強についてアドバイスし合ったりもできるので、その点もおすすめです。
息抜きをする際の注意点
息抜きは学習や仕事の効率を向上させるために非常に重要ですが、効果的な息抜きをするためにはいくつかの注意点があります。
スマホ
スマホは手軽に息抜きができるツールですが、使用には注意が必要です。
スマホの画面を見ているとブルーライトなどで目が疲れやすく、スマホの長時間の使用は脳の疲労回復に逆効果となります。
使用する際は、時間を決めてリラックスできるアプリや音楽、短い動画などを選ぶようにしましょう。
また、通知をオフにして集中力を保つことも大切です。
SNS
SNSは友人とのコミュニケーションを楽しめる反面、時間を忘れて長時間利用してしまう危険があります。
特にネガティブな情報や他人の成功と自分を比較してストレスを感じることがあるため、使用時間を決めることが重要です。
リラックスできる投稿やポジティブな内容に触れることで、心のリフレッシュを図りましょう。
ゲーム
ゲームは一時的なストレス解消になりますが、夢中になると時間を無駄にしやすく、脳をさらに疲れさせる可能性があります。
特に対戦型や難易度の高いゲームは脳への負担も大きくなります。
休憩時間を設定して簡単なパズルゲームなど、ストレスの少ないゲームを選ぶほうが良いでしょう。
また、目の健康を守るため、ゲーム後には画面を見ない時間を設けることをお勧めします。
長い休憩
長い休憩を取ることも大切ですが、ダラダラと過ごすことで逆に疲れが取れないこともあります。
適度な運動や散歩をすることで、血流が良くなり脳に新鮮な酸素が供給され、リフレッシュ効果が高まります。
また、短い仮眠を取ると集中力が回復することもあります。
規則正しい生活リズムを保つために、長い休憩を取る際も時間管理を意識しましょう。
息抜きは適度に行うことで、心身ともにリフレッシュし、学習や仕事への集中力を高めることができます。効果的な息抜きをするためには、これらの注意点を守り、自分にとって最適な方法を見つける努力が必要です。
上手に息抜きをしよう
息抜きは大切ですが、そればかりで勉強が疎かになっては本末転倒です。
上手に息抜きをするために、
「短時間」 「簡単」 「区切りがつけやすい」
というポイントを意識しておきましょう。
スマートフォンで動画を見る、ネットサーフィンをするなどは、区切りがつけにくくダラダラと長くなってしまいがちなので、あまりおすすめできません。
おわりに
大学受験に向けた勉強は、ただがむしゃらに頑張れば良いというものではありません。
長い時間をかけてコツコツと学力を上げていくためには、上手に息抜きをしながら日々の勉強を重ねていくことが大切です。
今回ご紹介した方法を参考に、長い大学受験に向けた勉強の日々をぜひ乗り切ってください。
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