大学受験に向けた勉強は、日々の積み重ねが大切です。
しかし、どんな人でも長期間やる気を保ち続けるのは簡単ではありません。
そこで今回は、大学受験の勉強でやる気が出ない原因とその対策についてご紹介します。
やる気が出ない原因は?

受験勉強に取り組もうとしても、なんとなく気分が乗らないと感じることはよくあります。こうしたちょっとした気持ちのつまずきには、心理的・身体的な要因が影響していることが少なくありません。モチベーションが下がってしまった理由を正しく把握し、適切に対処することで、やる気を取り戻すことができます。ここでは、モチベーションが低下する原因を具体的に探っていきます。
心と身体が疲れているのかも!?
やる気が出ない原因として、まず考えられるのは心身の疲労です。
長時間の受験勉強や夜更かしが続くと疲れがたまり、集中力も低下します。
睡眠不足だけでなく、不規則な食生活や成果が出ないことによるストレスなども疲労の原因になります。
また、目標設定や勉強方法にも注意が必要です。目標が高すぎたり、勉強時間のノルマが多すぎたりするとなかなか達成できず、モチベーションが下がりやすくなります。
一方で、容易な問題ばかりを解いていると、刺激がなくやる気を保ちにくくなることもあります。集中力を維持するためには、難しすぎず簡単すぎない“頑張れば解ける問題”に取り組むことがおすすめです。
勉強以外に取り組みたいことがある
やる気が出ない原因として、心の奥底で「勉強よりもやりたいこと」があるケースが考えられます。例えば、部活動、趣味、友人との交流など、やりたいことや楽しいことが目の前にあるケースです。やりたいこととやらなければいけないことのバランスをとることが重要です。
スケジュールを工夫して、部活動や遊びの時間を柔軟に組み込んで、気分転換しながら勉強を進めましょう。息抜きの時間をしっかり確保しておくことで、「勉強を頑張ればこれを楽しめる」と思えるようになり、勉強へのやる気も自然と引き上げられるはずです。
学ぶ意味が見えていない
受験勉強がはかどらない理由の一つに、「学ぶ意味が見えていない」ことが挙げられます。「これを勉強して、自分の人生にどう役立つのか?」という問いへの答えがはっきりしないと、モチベーションはどうしても下がりがちになります。目の前の問題集やテキストで勉強している内容が、将来にどう繋がるのかイメージできなければ、無駄だと感じてしまうこともあるでしょう。
このようなときは、学びが自分の人生にどんな影響を与えるかを具体的に考えてみるのがおすすめです。例えば、志望校で学ぶ専門分野の勉強が将来目指したい職業にどう役立つかを調べてみましょう。今取り組んでいる勉強が自分の目標や夢に繋がることを実感できれば、やる気を引き出す糸口が見つかります。
過剰な完璧主義が効率を低下させる?
「完璧にしなければならない」という気持ちは強いモチベーションとなりますが、逆にやる気を失う原因になることもあります。
特に、計画通りに進まないと自分を責めたり、結果をすぐに出さないといけないと感じたりする場合は、注意が必要です。
「完璧でなくても良い」という考え方を少しずつ取り入れてみましょう。
いきなり高い目標を設定するのではなく、達成できる目標を設定し、小さな成功体験を積み重ねることが重要です。これにより、勉強の楽しさや達成感を感じることができ、自然とやる気が湧いてきます。
朝のリフレッシュ状態で記憶強化

朝起きたときは、脳の疲労がとれてリフレッシュされた状態です。
このタイミングで昨日覚えた内容を復習すると、記憶の定着に効果的です。
特に朝は集中を妨げる要素が少なく、落ち着いて勉強に取り組むことができます。
効率よく勉強を進めるためにも、ぜひ朝の時間を前日の暗記の復習に活用してみてください。
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まずは十分な睡眠を

長期戦となる受験勉強では、やる気を保つために毎日しっかり疲れをとることが大切です。そのために最も大切なのが睡眠です。
人によって適切な睡眠時間は異なりますが、一般的な目安とされている6~8時間を基準に、自分に合った規則正しい睡眠を心がけましょう。
また、寝る前にゆっくりお風呂に入る、ストレッチをする、就寝1~2時間前はテレビやスマートフォンの使用を控えるといった工夫をすると、睡眠の質も高められます。
つい睡眠時間を削って勉強をしてしまいがちですが、しっかり睡眠をとった方が集中力も維持でき、勉強の効率が上がります。
学習環境の工夫

なかなかやる気が出ないときは、学習環境を変えてみましょう。
いつもと違う場所で勉強してみると、気分が変わって集中できることがあります。
さらに、気にならない程度の雑音がある方が集中しやすいとも言われています。
例えば、
- ・自室でなくリビングで勉強してみる
- ・自宅や学校でなくカフェで勉強してみる
- ※風邪などが流行っている時期は、体調を崩さないよう外出を控えたほうがよい場合もあります。
といった方法もおすすめです。
また、普段勉強している環境にテレビ、スマートフォン、漫画などの誘惑が多い場合は、そうしたものが目に入らないようにするなど、勉強に集中できる環境を整えることも大切です。
勉強を習慣化するための工夫

大学受験のように長期間にわたる勉強を乗り切るには、勉強を「日々の習慣」として生活に組み込むことが欠かせません。いったん習慣化してしまえば続けやすい勉強でも、最初のうちはなかなか続かないことも少なくありません。ここでは、勉強を習慣化するための具体的な工夫やアイディアをご紹介します。
関連記事:受験勉強のルーティン化で効率アップ!
ポモドーロテクニック
「ポモドーロテクニック」とは、「一定時間集中して勉強し、その後に短い休憩を取る」というシンプルな時間管理法です。
例えば、25分間勉強した後、5分間休憩を挟むことを1セットとし、これを繰り返します。
この方法を活用すると「やる気が続かない」「集中力が維持できない」といった問題の解決が期待できます。また、短時間の休憩を挟むことで脳をリフレッシュさせ、効率的に勉強を続けられます。
このテクニックを活用することで、勉強の効率が上がり自然と勉強が習慣化できるでしょう。
関連記事:勉強を効率化する時間を無駄にしないための5つのテクニック
勉強仲間と共有する取り組み
勉強を一人で進めるのが難しいと感じるときは、友人や仲間と一緒に取り組むのがおすすめです。進捗を共有したり、一緒に問題を解いたりすることで、孤独感が軽減され、モチベーションも高まります。
また、同じ目標を持つ仲間の頑張りを見ることで刺激を受けて、やる気の向上に繋がることもあります。
最近ではオンラインツールを使って勉強仲間を見つけ、進捗を共有することも可能なので、「勉強を習慣化したい」と思っている人はぜひ活用してみてください。
気分転換も大切

やる気を保つには、適度な気分転換も大切です。
- ・軽い散歩に出かける
- ・ストレッチをして身体をほぐす
- ・休憩して飲み物やお菓子を食べる
他にも、読書をしたり好きな音楽を聴いたりするのもおすすめです。
ただし、時間が長くなりすぎないように、「30分だけ」「この1曲だけ」とルールを決めると、勉強への切り替えがしやすくなります。
勉強法を工夫してモチベーションUP

大学受験を乗り越えるためには、継続的な勉強が不可欠ですが、そのためにはモチベーションを高く保つ工夫が必要です。勉強法を少し工夫するだけで、気持ちが楽になり、やる気がアップします。
関連記事:モチベーションを維持、向上させる方法
音読で学習効率を上げる
音読は、文字を目で追うだけの学習とは異なり、声に出して読むことで聴覚を刺激し、体を使った能動的な学習ができる点が特徴です。この方法は、単調でマンネリ化しがちな勉強に新鮮さを与え、モチベーションを高めるきっかけになります。
音読最大のメリットは、学習に積極的に参加していると実感できることです。「ただ読む」受動的な勉強ではなく、「声に出す」というアクションを通じて、「自分で勉強を進めている」という達成感が得られます。この感覚が、勉強への意欲を高め、やる気を引き出します。
さらに、声を出すことでリズムやテンポが生まれ、集中力を維持しやすくなるのも音読の魅力です。特に暗記が必要な科目を勉強するときには、視覚と聴覚を同時に刺激することで記憶が定着しやすくなるこの方法がおすすめです。「声に出して覚えられた!」という実感が達成感に繋がり、それがモチベーションUPの原動力になります。
勉強効率を高める計画の立て方
勉強を効率的に進めるためには、計画を立てることも重要です。計画があると、やるべきことが明確になるため、迷わず勉強に取り組むことができます。
ただし、無理のある計画を立ててしまうと、途中で疲れてしまい逆効果になることも…。ポイントは、余裕を持ったスケジュールを組むことです。
まずは、月単位や週単位で目標を整理し、1日の目標を決めると、進捗状況が見えやすくなります。
計画を細かく立てることで「ちゃんと進められている!」という達成感が得られ、モチベーションを保ちやすくなります。
好きな科目から始めるアプローチ
勉強に取りかかる際、最初に「苦手な科目」を選んでしまうと、モチベーションが下がりやすくなります。そこで、まずは得意な科目や好きな科目から始めてみましょう。
好きな科目であれば取り組みやすく、勉強に対するポジティブな感覚も生まれやすくなります。
その結果、苦手な科目の勉強もスムーズに始められます。小さな成功体験を積み上げることで自信を高め、やる気を引き出す工夫をしてみましょう。
やる気が出ないときの緊急対策

やる気がどうしても出なくて困ったときは、無理に頑張ろうとせず、すぐにできる緊急対策を試してみましょう。
「とりあえず机に向かう」テクニック
やる気が全く湧かないときこそ、深く考えすぎずに「とりあえず机に座る」というシンプルな行動を取るのがおすすめです。やる気がなくても、一旦机に座るだけで環境に慣れ始め、少しずつ手を動かせるようになることがあります。小さな行動から始めることで、次第に集中力が高まり、やる気が出てきます。
最初は「5分だけ勉強する」という短い時間に取り組むルールを設けると、自然と勉強を進める流れが作りやすくなります。これをきっかけに、気づけば勉強に没頭していたということもあるでしょう。まずは一歩踏み出すことで、勉強のスイッチが入りやすくなるはずです。
過去の成功体験と理想未来のイメージ化
やる気が出ないときは、過去の自分が成功した体験を振り返るのも効果的です。まず、これまで自分が成功を感じた瞬間を思い起こしてみましょう。例えば、「試験の点数が上がった」「難しい問題を解けた」「予定どおり目標が達成できた」など、具体的な成功を振り返ることで、「自分にもできる!」という自信が湧いてきます。
さらに、視点を未来へ広げ、「理想の自分」をイメージしてみましょう。例えば、「憧れの大学で学んでいる自分」「受験をクリアして家族や友人から祝福されている自分」「新しい環境で充実した学生生活を送る自分」など、具体的な未来の姿を想像することで、今やるべきことの重要性を再認識できます。明確な目的意識を持てば、「この努力は未来に繋がる」と実感でき、やる気を引き上げる力になります。
理想をイメージする際には、少しでも具体的な情景を描くと効果的です。例えば、「大学で好きな教授の講義を受ける」「キャンパスで友人と楽しく過ごす」といったことを思い浮かべて、その未来にワクワクする気持ちを引き出すなど、小さな刺激を自分に与えることで、モチベーションが高まります。
おわりに
大学受験に向けて勉強する中で、誰でもやる気が出ない状態に陥ることはあります。
普段から十分な睡眠や気分転換を心がけ、やる気が出ないときもすぐに切り替えられるようにしておきましょう。