国公立大学入試の基礎知識

2017.12.20

国公立大学入試の基礎知識

「できるなら、国公立大学に進みたい」そんな風に考える受験生は多いでしょう。国公立大学進学は決して夢ではありません。その夢を実現するために、大学と入試の特徴をしっかり理解するところから始めましょう。

国公立大学進学のメリットとは何ですか?

国公立大と私立大。その特長はそれぞれ異なります。国公立大の最大の特徴は、教育環境にあります。教員1人あたりの平均学生数は、私立大の24人に対して、国立大は10人、公立大は12人で(「2017学校基本調査」による)、きめ細やかな指導が期待できます。学費も魅力のひとつです。私立大は大学により、文系・理系・医歯薬系により、学費に大きな違いがありますが、国公立大ならばどの学部に入学しても基本的に同額です。(公立大については、少し違いがあります)また、社会的な評価も高く、特に地元では何かと優遇されることもあります。加えて国立大は総合大学が多く、入学者も広い地域から集まってきていて、様々な地方文化や考え方に触れられます。

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国公立大学では、どんな入試が行われるのですか?

国公立大の入試システム

国公立大入試の試験内容

国公立大では、「一般入試」「推薦入試」「AO入試」「その他の入試(帰国子女、社会人、専門学科・総合学科卒業生入試)」などが行われます。ただし、推薦入試やAO入試は定員が少なく(全体の2割以下)、厳しい出願条件が設定されていますので、大半の受験生は一般入試での入学を目指します。一般入試では、2種類の試験(センター試験と2次試験)が行われ、その合計点で合否を判定します。センター試験では5教科受験が基本となっていて、高校での基本的な学習内容がマークシート形式で幅広く試されます。一方、2次試験は記述・論述式の試験です。教科数は大学や学部により異なりますが、2~4教科について、本格的な応用力が試されます。

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国公立大学は何校まで受験できますか?

国公立大の入試日程

国公立大の一般入試では、募集定員を「前期日程」と「後期日程」に振り分けて、2回の2次試験を実施します。(一部の大学は前期のみ実施)また、一部の公立大ではこれとは別の「中期日程」を実施していて、これを含めると国公立大は一人で最大3校まで出願することができます。ただし、入学手続きができる大学は一校に限られていて、前期で合格した場合は中期や後期の合格発表前に入学手続きが締め切られるため、それまでに手続きをしないと合格が無効になってしまいます。また、前期で全定員の約8割を占めるため、前期で第1志望校を受験するのが一般的な受験方法になっています。

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「第1段階選抜」って何ですか?

一部の国公立大では、センター試験の成績で一旦選抜を行い(第1段階選抜)、その合格者に対してのみ2次試験を実施して最終的な合否を判定するという方法をとります。この選抜方法を2段階選抜と呼びます。2段階選抜の実施を予告しているのは、主に難関大学や医学部医学科など、人気が高く志願者の集まりやすい大学・学部です。2段階選抜の多くは募集人員に対する倍率で予告されますが、出願者数がその予告枠に達しなければ第1段階選抜は実施されません。第1段階選抜を通過するために必要な得点は、大学・学部によって異なるのはもちろん、センター試験の難易度や志願者数の増減の影響を受けるため、年度によって大きく変動します。また、一部の大学では倍率ではなくセンター試験の基準点を設けており、それを上回った受験者を合格にするという実施方法もあります。

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合格するためには、どんな勉強が必要になりますか?

国公立大の入試では、性格の異なる2種類の試験(センター試験と2次試験)が課されますので、その両方に備える必要があります。センター試験対策としては、原則5教科を受験することになりますので、多くの教科について、基本的な学力を身につけなければなりません。ただし、出題は高1・2で履修した範囲が中心となりますから、早めに準備に取りかかることと、基本を繰り返し学習することが大切です。2次試験では、志望学部に関連する教科の応用力が試されます。多くの教科で、2~3年で学習した内容を発展させた問題が出題され、答えだけではなく、答えに到る道筋が論理的に考えられているかどうかまで問われますので、記述式模試なども活用しながら、日頃からじっくり問題に取り組む学習習慣が必要です。

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センター試験と2次試験、どちらが大事ですか?

センター試験/2次試験の配点例

国公立大の合否はセンター試験と2次試験の合計点で判定されますが、それぞれの配点は大学や学部によって異なります。センター重視の場合は、センター試験で確実に得点する必要があります。幅広い教科について、確かな基礎力を固めるような学習が大切です。難関大や難関学部に多い2次試験重視の場合は、特定教科について高い応用力が必要となりますから、時間をかけてじっくり問題演習に取り組む必要があります。なお、2次試験重視の場合も、センター試験での高得点が条件となりますから、センター試験対策もおろそかにはできません。いずれの場合も、高校での学習がすべての土台となりますから、授業の進度に遅れることなく基礎力を固めておき、自習や模試で実戦的な問題演習や応用力の向上を図るようにしましょう。

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受験校はどのように決めたらいいですか?

国公立大の場合、センター試験でどれくらい得点できたかで、最終的な合格の可能性が変わってきます。したがって、実際にどの大学を受験するかを決めるのは、センター試験の自己採点結果を見てからになります。ただし、2次試験の出願はセンター試験終了の約2週間後までとなりますから、検討する時間は長くありません。センター試験の前に、それまでの模試成績などを参考に、本番の得点を一定の幅で予想して、どれくらいの得点であればどの大学に出願するかを予め考えておきましょう。また、受験する可能性のある大学の願書を早めに取り寄せておくと安心です。センター試験後にあれこれ迷ったり、出願の準備が間に合わなかったりすることのないように、事前にできることはしっかり準備しておくことが大切です。

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