暗記科目の学習法②

2020.08.7

前回の「暗記科目の学習法①」では、記憶のための工夫についてお話ししました。

今回は、記憶したことを忘れないための工夫についてお話しします。
前回と同様に、現役大学生の代ゼミスタッフの経験談を交えながらご紹介します。
これらのアドバイスを参考に、自分に合った暗記方法を探してみましょう。

忘れないための工夫

一度暗記できたものを、入試本番で使えるようにするには、それを忘れないようにすることが必要になります。

記憶と忘却の関係について著名な実験結果である「エビングハウスの忘却曲線」によれば、人間は勉強した内容を20分後に42%、1時間後に56%、1日後に74%、1週間後に77%、1ケ月後に79%忘れてしまうようです。
暗記科目に取り組む際には、忘却を最小限に抑えるための工夫が必要です。

そのために最も重要なプロセスは繰り返しです。

  • まずは、1周目に分からない単語にチェックまたは付箋をつけます。
    それにより2周目以降に分かる単語を見直す必要がなくなるので暗記効率が非常に良くなります。
    それを終えたら、分からなかった単語をもう何周かして再度分かる単語も含めチェック、付箋をつけるまたは剥がす作業を行います。
    これを繰り返し、効率よく分からない単語を無くしていくと良いです。

  • 日本史や世界史などの暗記量が多い科目は、一度覚えたつもりでも時間が経つと徐々に忘れてしまうので、繰り返し覚えることが大切です。
    私は日本史のまとめノートを常に持ち歩き、気になった時すぐ確認できるようにしていました。

  • 英単語は、通学時間や学校の休み時間といった隙間時間でのみ勉強していました。
    1週間当たり100単語を、何度も何度も見ることで暗記していました。

  • 単語は短時間に・集中して・何度も行うことが大切です(60分×1回ではなく、3分×20回のイメージ)。
    一度で覚えようと欲張るのではなく、何度も目にするように心がけてください。

  • 大切なことは、ある分野を一回で覚えきろうとするのではなく、すべての分野を何度も繰り返して覚えることです。
    単語帳を1周終えたら2周目、3周目…と繰り返し、最終的には単語帳を辞書代わりとして分からない単語の確認のためだけに使えるようになることが理想です。

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友人・家族に協力してもらう

  • 私は暗記科目に関しては、友人と問題の出し合いをしていました。
    もちろん、基本的には一人で覚える作業をする必要があります。
    しかし、どのくらい定着したのかは一人だけでは分かりづらいと思います。
    なので、確認のためには有効的な方法だと思います。

  • 世界史は家族や友達に何も見ずに出来事などを説明することで、定着させるようにしていました。
    世界史に限らず、どんな教科でも、ほとんど教科書などを見なくとも人に分かりやすく説明できるようになれば、自然とその内容を覚えられているはずです。

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まとめて覚えよう!

  • 英単語は派生語とまとめて覚えるようにしていました。

  • 古文単語や漢文の句形は、例文を丸ごと覚えてしまう方が、かえって楽だと思います。
    例文は著名な文章から引用されていることも多いので、覚えておいて損はありません。
    特に古文は、高校1・2年生のうちに百人一首を覚えておくと、単語・文法・修辞法・背景知識がかなり身につくので、後々役に立ちます。

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「ダラダラ暗記」を回避

  • 受験期には、暗記科目は空いた時間に取り組んでいました。
    例えば、物理や数学の合間や飽きたときに地理を赤シートで勉強することを1週間続け、週の終わりに自作した小テストに取り組んでいました。
    この単元は1週間で覚える、など期間を決めることで、冗長にならずに暗記を進められると思います。

  • 歴史系はただ読むだけだと眠くなりがちなので、指や赤シートで隠しながら思い出そうとしたり、物事の流れを抽象化してつなげてみたり(ここの兄弟は仲が悪いから戦乱が起こった)など、頭を使うように意識することが大切です。

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学校の授業をフル活用

  • 授業中に覚えてしまう気持ちで授業に臨んでください。
    先生が話してくれる一見受験に必要ないような豆知識等も、細かくメモすることで流れがつかめたり、授業を思い出せて暗記の役に立つと思い丁寧にメモしていました。
    理解しながら暗記できるように準備すると良いと思います。

  • 学校の授業の復習をする際は、授業を思い出しながら読み直し、暗記ペンでプリントを緑まみれにしていました。
    登下校中歩きながら読んだり青ペンで何度も書いたりして覚え、下敷きで隠してプリントを全て覚えるまで確認していました。
    そうすることで本番のテストのときにプリントごと思い出せたため、歴史だと時代の順番がわかったり、プリントの記載位置でひらめいたりしました。また、論述試験にも効果的でした。

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自分なりの工夫

  • 社会科目なら時代の流れ、英単語なら接頭辞・接尾辞を意識したり、自分なりの語呂を作ってみたりするなど、機械的に暗記をするのではなく、工夫して暗記することが大切です。

  • 私は英単語がなかなか覚えられず、かなり苦しんでいました。
    そこで、単語帳ではなく単語カードを使用し始めたところ、かなり覚えやすくなりました。
    1週間100単語と決め、1週目1~100、2週目1~200と段々と増やし、先生にテストを実施していただくことで単語の定着を図っていました。

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