スランプ克服法

2019.10.16

模試を受けてみて、「成績が思うように伸びない」「勉強の成果が実感できない」といったように、いわゆる「スランプ」に陥っていると感じている人はいませんか?今までコツコツ勉強してきたのに思ったほど成績が伸びず、他の人が解ける問題を、なぜ自分は解くことができないのだろうと自信を失っている人もいるのではないでしょうか。
しかし、この「思ったほど成績が伸びない」という状態は、ほとんどの人が経験するものなのです。特に高校生は未習分野や習ったばかりで演習がほとんどできてない分野がありますので、今この段階で思うような成績が取れないことを悲観することはありません。勉強の成果が結果としてあらわれ始めるのはこれからなので、今のペースを崩すことなく学習を続けましょう。
そうは言っても、不安になってしまうのも無理はありません。そこで今回は、「スランプ」を克服する方法についていくつか紹介していきたいと思います。悩んでいる人は、まずは手探りでもいいのでいろいろと試してみましょう。そのなかに解決のヒントがきっとあるはずです。

何がスランプなのか見極める

「スランプ」と言っても、何がうまくいかないのかによってその克服法が変わってきます。その種類は大きく「成績が伸びない」「勉強が手につかない」「勉強に集中できない」の3つに分けることができると言えます。まずは自分がどれにあてはまるのかをしっかりと見極めてください。では、それぞれの克服法について説明していきます。

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成績が伸びない①

みなさんが、自分はスランプかもしれないと思う一番の要因は、「成績が伸びない」ことだと思います。授業や模試の復習もして自分ではしっかりと勉強しているつもりでも思ったように成績が伸びない。これはおそらく、受験生の誰もが持っている悩みでしょう。では、こんな時はどうしたらいいのでしょうか。
最も効果的な方法は、勉強は継続しながらも、学習の質(勉強の方法)や量に変化を加えることで、そのためには基礎演習やこれまで受けた授業・模試の復習を重点的に行う勉強に切り替えるのがお勧めです。受験が近づくにつれて、解いていく問題の難易度もどんどん上がってきていると思います。また、解説を見ても理解できない問題が増えてくると、勉強が嫌になってしまうこともあるでしょう。そんな時は、応用問題に手を付けたり新しいことをするのはいったん止めて、1学期にこなした問題集や易しめの問題集を解き直してみてください。そうすると一度解いたことのある問題や易しい問題なので、スイスイできるはずです。あるいは、1週間ほど今までの復習だけをしてみてください。一度学習している範囲なのでスムーズに頭に入ってくるはずです。「ちゃんと解ける!今まで頑張ってきたことは無駄ではなかった!」と、感じることで自然とプレッシャーも薄れ、自信も回復してくることでしょう。

新しいことばかり見て焦りを募らせるのではなく、時には少し後戻りしてみる勇気も必要です。基礎演習や復習も立派な受験勉強です。後ろに戻ることは恥ずかしいことではありません。むしろ前よりもずっと基礎力がついて、今後の受験勉強の支えとなるかもしれません。最後に勝つために、戦略的に後ろに戻 る。この考えでスランプはきっと脱出できるはずです。

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成績が伸びない②

他には「気分転換をすること」もよいかもしれません。ここまで精一杯頑張ってきた人は、いわば「ゴムが伸び切った」状態になっていますので、少しペースを落としてゴムの弾力を取り戻す必要があります。勉強する手をいったん止めて、買い物を楽しんだり友達と遊んだりすることによって、日頃の受験勉強で溜まったストレスを発散させましょう。
思ったように成績が伸びない状態が続くと気持ちが落ち込んでいるはずですので、こうして気分をリフレッシュさせて、新たな気持ちで勉強に臨むのもいいかもしれません。ただし、勉強をしない時間を作って気分転換をすることは、ともすれば自分の現状から目をそらすことに繋がってしまいますので、この手段はあくまでも最終手段と考えましょう。

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勉強が手につかない

時間はあるけれど「勉強が手につかない」時こそ、まずは実行することが大切なのです。考えている間は何も解決しません。困った時は「できること」から始めることを意識しましょう。「できること」とは、自分の得意教科や得意分野、単純な暗記系の作業などのことです。勉強が手につかない原因は、どうすれば勉強がスムーズに進むか、何から勉強するのが最も効果的かなど、勉強をする前に頭だけで考えて、その考えに収拾がつかない状態になっているからです。スポーツと同様、勉強も練習の積み重ねなしに成果が出ませんし、効果的な練習法も身につきません。まずは「実行」、そして「改善」の繰り返しです。勉強に対して気持ちが前向きになるまで、自分の得意教科や得意分野を勉強するようにしましょう。とにかく勉強を継続することが重要です。

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勉強に集中できない

勉強に集中できない場合は、学習環境を変えてみたり、勉強する時間を変えてみたりして、集中できる環境を作るよう心がけましょう。
例えば、いつも自習している場所とは違う場所で勉強してみるのはどうでしょう。自分の部屋や高校の自習室などにこもって勉強していると、自分の周りの世界がどんどん受験一色になり、夢を実現するための手段であるはずの大学受験が目的になってしまい、精神的に落ち込んでくることがあります。時には「ひらけた場所」や「静かではない場所」で勉強してみるのです。公園やカフェでもいいでしょう。受験一色の世界から少しだけ抜けだし、普段とは違った空間に身を置くことで新たな刺激を自分に与えながら勉強に取り組みましょう。また、いつもより早く起きて、学校に行く前に集中して勉強する方法(勉強する時間を変える)も効果があります。
最も陥りやすいのが、他のことが気になって今取り組んでいる勉強に集中できないという状態です。そんな時は今やらなければならないことや課題をリストアップして紙に書き、それを終えるごとにチェックを入れていくという方法(「見える化」)や、勉強机の上には他の教材などを置かないことで、目の前の教材に集中する方法が効果的です。これらは、意欲の高い人ほど陥りやすいスランプです。過大に期待しない、過少に見くびらないバランスが大切です。

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おわりに

長い受験生活の中では、「自分は本当に合格できるのだろうか」と、時には不安になってしまうこともあるかと思います。受験勉強につきものの「スランプ」から脱出するためには、スランプから目をそらさないことと、スランプにからめとられてしまわないことが重要なカギとなります。どんな方法がよいのかは人によって様々ですが、例えば「どうしてこの第一志望の大学を志したのか、初心を思い返してみる」「受験仲間を作って共に励ましあい、刺激しあう」など、多くの場合は自らを見直すきっかけを得ることで「スランプ」から脱出できるようです。
一番いけないことは、いつまでも悩んでしまうこと。「スランプ」と言っても結局は自分の実力不足が主たる原因であることに変わりありません。点数が伸びないまたは悪いということは、同時に弱点や苦手分野がまだ克服されていなかったり、時間配分に問題があったりと、まだまだ課題があるということです。その時点での自分の成績や状態をきちんと受け入れ、悩みすぎず、逃げずに、最後まで継続して勉強に取り組んでください。

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