新しい大学入試に向けて
~変更点とこれからの対策~

4つのポイント なかでも「大学入学共通テスト」は、大学入試センター試験よりも受験方法が複雑となるため、新しくなる仕組みを十分に理解しつつ、今後の学習に向けた計画を立てていきましょう。

Point.1 大学入試センター試験から「大学入学共通テスト」に変わる

図① 大学入学共通テストの概要

2021年1月より「大学入学共通テスト(以下、「共通テスト」)」が実施されます。図①の通り、実施時期や出題教科・科目(範囲)に変更はありません。しかし、出題内容や形式が大きく変わります。センター試験は全てマーク式の試験ですが、「共通テスト」からは、記述式が導入されます(Point.2)。
また、英語は、大学入試センターが作成する「筆記」と「リスニング」の試験に加えて、民間の英語資格・検定試験(以下、外部試験)が活用されます。どのような資格が必要となるのか、志望大学の募集要項等で把握しておく必要があります。(Point.3)

Point.2 「共通テスト」の国語と数学に記述式が導入される

国語と数学に課される記述式は、出題形式と評価が異なります(図②)。
2018年に行った試行調査(プレテスト)では、国語は大問1つが全て記述式で出題されましたが、数学は各大問内の一部が記述式でした。
評価(配点等)については、数学は5点×3問の計15点(100点満点)と配点が大きいため、十分な対策が必要となるでしょう。一方、国語には配点がなく、「段階別評価(5段階評価)」となります。 図② 大学入学共通テストの記述式 また、出願時に重要となる試験終了後の自己採点にも注意が必要です。
センター試験は全てマーク式であるため、答えが1つに定まりましたが、記述式は、表現や表記により差が生じるため、採点基準の内容を十分に理解し、正確に自己採点することが求められます。本番で焦らないためにも、例えば、模擬試験等の採点基準を参考に、「自分の答案がどのように採点されているのか」「部分点がどのようにつけられているのか」などにも目を配ってみてください。

Point.3 「共通テスト」の英語に民間の資格・検定試験が導入される

図③ 大学入学共通テストの英語2020年度からの大学入試は、英語を4技能で評価することが原則となります。そのため、共通テストの英語は、最大3種類の試験を受けることになります。図③の通り、大学入試センターが作る「筆記[リーディング]」と「リスニング」、そして民間が実施する「外部試験」の3種類となります。新ルールでは、3つの試験を全て受験することが推奨されていますが、大学によっては活用しない場合もあります。例えば、国立大は全体方針として3種類全ての試験が求められますが、公立大や私立大は大学によって異なります。 図④ 外部試験の活用方法の違い~共通テストと個別選抜との違い 外部試験は、「共通テスト」と個別入試(国公立大の2次試験や私立大の試験)で課される条件が異なります(図④)。「共通テスト」は、例えば提出時期や回数に制限があります。(高3生の4月~12月に受験した結果を2回のみ提出可)。一方、個別入試では、各大学で独自にルールを設定しますので、高3時のスコアとは限りませんし、提出方法も試験結果とは限らず、調査書に記載されただけで認められる場合もあります。そのため、志望大学で「どのような出願要件」にあるのか、十分に把握したうえで受験に臨みましょう。

Point.4 一般入試は筆記試験だけでは合格できない?

図⑤ 大学入試における選抜区分大学入試の選抜区分は、2020年度より「一般・AO・推薦」から「一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜」に名称が変更となります。図⑤を見ると、一般・総合型・学校推薦型のいずれも、現行の一般・AO・推薦と内容が大きくは異なりませんが、「学力の3要素」をバランスよく測るという点から、それぞれの選抜に不足するものを補うルールとなります。具体的には、これまでの一般入試は、ほとんどが学科試験のみで合否を判定していましたが、これからは、調査書等の内容が評価(点数化)の対象となる入試も登場します。そのため、学校での活動への積極的な参加が必要となりそうです。
一方、総合型選抜や学校推薦型選抜では、これまでは学力が不問の入試もありましたが、2020年度よりこれらの選抜にも学科試験が必須で課されることになります。例えば、面接や書類選考では合格基準を満たしていても、学科試験の結果により不合格となる場合もあります。一般選抜以外で受験する場合でも、学科試験対策を十分に行うようにしたいところです。

  

Point.5 今後に向けて

受験に向けて、高校で何をしたらよいのか。次の3つを心掛けながら学習に励んでみてください。 今後に向けて

読解力と記述力を身につける
 「共通テスト」や国公立2次・私立大の入試問題に共通して、これから必要になるのは、読解力と記述力です。《文章を正確に読むこと》《自分の考えとしてまとめること(書くこと)》を踏まえた学習が必要となります。

用語や公式の意味を理解する
 「共通テスト」では、教科書に掲載されていない図や表、文章も出題される予定です。用語や公式を暗記するだけの学習では通用しない問題もありますので、その背景にある知識や考え方を理解しながら学習する方法を身につけましょう。

英語は計画的な学習を!
 英語は、高3の4月から外部試験の受検が始まります。これまでより1年近く日程が早まるため、より計画的な学習が求められます。これまでほとんどの受験生が対策不要だった「書く」「話す」の学習も必要となります。大学入試に向けて効率よく計画的な学習を進めるために、

  • 外部試験の種類や特徴、日程などの情報収集を早くから行う
  • 学校の勉強を上手く活用した学習

を意識しながら学習を進めていきましょう。

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