大学・学部選択の考え方③ 系統別学部紹介 〜文系〜

更新 2020.10.01
2019.08.09

大学での学問は一般的には自然科学・人文科学・社会科学の三つに大別されますが、近年は学際化(研究などがいくつかの異なる学問分野にまたがること)や学問の細分化が進み、学部横断的な学科など以前にはなかったような学科も増えています。
また同じような名前の学部・学科でも、大学によって教育の方向性やカリキュラムが異なる場合もあります。大学それぞれに個性がありますので、各大学の特徴をしっかりとつかむようにしましょう。

ここでは主に文系に分類される社会科学系の学部と人文科学系の学部について紹介します。

法学系

人間生活全般に関わる「法律」について、その成り立ちや解釈を学び、社会での法的な問題に対する的確な理解と合理的な解決策を探ります。憲法や民法、刑法、商法などのいわゆる六法の他に、経営法学や国際法学、企業法学などを専門に勉強する学科も増加しています。

弁護士、検察官、裁判官になるために法科大学院(ロースクール)に進学する人や、国家公務員試験を受験する人もいますが、むしろそれは少数派で、卒業後の進路は金融・商社・メーカー・マスコミ等、多岐にわたります。

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政治学系

行政・都市・民族・外交・産業など多方面から、理論と実例研究を通して日本を含む国際社会や国家・地域社会などの政治現象を研究する学部で、大きく分けて政治の在り方や各国の政治の特質を学ぶ<政治理論>、政治史などの<歴史>、国家同士の外交関係・安全保障・経済関係などを学ぶ<国際関係>の3つの学問分野があります。

法学系学部と同様に、学生の卒業後の進路は多岐にわたりますが、報道機関や新聞社には、政治学を専攻していた人が多いようです。一般企業では、金融・保険・製造関連への就職が多く、国際政治を研究対象にした人は、企業の国際部門で活躍することがあります。

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経済・商・経営学系

経済学部・商学部・経営学部の3つはお互いに強いつながりを持ちながら、それぞれの研究目的を持っています。大まかに言うと、「家庭の経済」から「世界的な視点でみた経済」まで幅広く学ぶのが経済学部。
流通・交通・貿易・金融・保険・会計など、事業体による商業行為の実際とその理論について学ぶのが商学部。
経済の知識を生かし、企業やNPOなどの様々な組織の運営や管理・経営について学ぶのが経営学部です。

社会に出てすぐに戦力となれるような「実学」を学ぶので、卒業後は一般企業で働くケースが多いです。
中でも銀行・証券・保険などの金融関係、商社への就職率が高くなっています。一方で、公認会計士・税理士・中小企業診断士・証券アナリストの資格取得を目指す人も多く見受けられます。
経営学部に関しては、経営学的な知識に加え、情報・流通分野にも通じた人材として、情報処理系企業、金融・サービス関連企業への就職が、また広告宣伝理論などを学んだ人は広告・放送業界への就職も目立ちます。

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人文科学系

人文科学系とは、多種多様な切り口から「人間とは何か」を追求する学問です。
学系ごとに、文学や歴史、語学、教育、心理など、研究対象となるテーマは異なりますが、人間とは何か、人間とはどのように生きるべきか、文化とは何か、といったような根源的な問いに、正面から向き合うのがこれらの学系といえます。
学ぶ内容は学生が自分で選ぶことができるという教育体制を整えている学部・学科がほとんどですので、きちんと主体的に学ぶことができる方にお勧めです(各大学・学部・学科でそれぞれ講座内容が大きく違うので、大学案内やインターネットのホームページなどで内容をチェックしましょう)。

将来の進路はまさに多種多様といえ、マスコミ・教員・カウンセラー(心理学科)などの専門性の強い職業から、官公庁、企業に就職して営業や事務職に就くケースなど様々です。

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教員養成系

教育学部は、教員を養成することを目的とした「教員養成系」と、教育の理論を学ぶ「教育学系」に大別されます。
教員養成系学部では、各種の教員免許の取得を義務づけているのが大きな特徴です(ただし、教員免許の取得を義務づけない総合科学課程もあります。ここでは、学生の興味に合わせて文系・理系の枠を越えてさまざまな学問分野が勉強できます)。
教育学部では、教育の歴史や教育哲学、教育心理学などを学び、学問としての教育のあり方に迫りますので、教育そのものに興味があったり、自分の手で教育を変えたいといった志向がある人にお勧めです。

全国各地で大学新卒者の教員採用人数の少なさが問題となっていますが、採用状況は地域により、また校種により差があります(小学校・中学校に関しては採用者数が徐々に増えていますが、一方で高校に関しては依然として厳しい競争が続いています)。
また、教員以外の進路を選択し、教育関係のマスコミ(出版等)などへ進むケースも少なくありません。

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