名古屋大学
2.配点比率と合格最低点
各学部の配点を見てみましょう。まず、2022年度入試から農学部では国語が2次試験に追加されたため、2次試験の配点比率が61%から63%と高くなりました。
また、配点に特色があるのは、法学部と工学部です。法学部では、共通テストの配点比率が高く、60%に達しています。一方、工学部では、共通テストの配点に傾斜をかけており、数学・理科・外国語の配点が通常の半分になっているため、結果として2次試験の配点比率が全学部中で最も高くなっています。2025年度入試からは新課程入試となり、共通テストで情報Ⅰが追加され、一部の学部学科では配点の変更もあります(4. 2025年度入試の変更点参照)。共テと2次の比率に変化が生じますので、注意してください。【図表⑤⑥】参照
次に合格最低点をみていきましょう。2024年度の合格最低得点率が2023年度から大きく変動する学部・学科はほとんどありませんでした(医学部保健学科理学療法学専攻のみ、-5.8%と大きく低下)。【図表⑦⑧】参照
合格最低点には目立った変動がありませんでしたが、合格者平均点をみると医学部保健学科(放射線技術科学専攻を除く)と、農学部(応用生命科学科を除く)以外の学部全てで上昇しています。
最も上昇した工学部では全学科の平均値で2.7%、次に上昇した情報学部では全学科の平均値で2.5%となっています。
代々木ゼミナール教材研究センターの分析によると、2次試験の文系数学や世界史では易化の傾向が見られたものの、その他の科目は昨年度並みの難易度という評価となっています。志願者が増加したこともあり、合格者全体の学力が上昇したと考えられます。
では共通テストと2次試験それぞれで具体的にどれだけの得点が必要なのでしょうか。2024年度の経済学部と医学部医学科を例に取り上げてみましょう。経済学部の場合、共通テストが900点中の675点(75.0%)だとすると、2次試験では合格最低点(2,400点中の1,606点)には1,500点中の931点(62.1%)が必要です。しかし共通テストが900点中の765点(85%)だと、合格最低点に必要な点数は1,500点中の841点(56.1%)に下がります。また医学部の場合も、共通テストが900点中の675点(75.0%)だとすると、合格最低点(2,550点中の1,836点)には1,650点中の1,161点(70.4%)が必要ですが、共通テストが900点中の765点(85%)だと、合格最低点に必要な点数は1,650点中の1,071点(64.9%)に下がります。このように、共通テストの得点率を少しでも上げることで、難解な2次試験のハードルを下げることができます。【図表⑨】参照