新潟大学
1.志願者数・志願倍率
【図表①】志願倍率推移
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【図表②】前期の志願者数と倍率の推移
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2018年度からの状況を見ると、志願者増加の翌年は減少、減少の翌年は増加という隔年現象で推移していましたが、2024年度は前期・後期ともに2年連続で志願者が減少しました。2024年度は共通テストの平均点が上昇した科目が多く、国公立大の志望者に「目標以上に点数が取れた」感触があったと考えられます。そのため共通テストの後に新潟大学よりも難易度の高い大学に出願する受験生が多かったと考えられます。【図表①②】参照
では、前期日程で2023年度よりも志願者が増加した主な募集単位についてみていきましょう。
医学部保健学科放射線技術科学専攻は2023年度より54名(163.6%)増加の87名(志願倍率3.8倍)でした。これは2022年度56名(2.4倍)→2023年度33名(1.4倍)と23名(41.1%)減少した反動です。
歯学部歯学科は2020年度に志願者数が180名(志願倍率8.2倍)でした。その後2021年度が132名(5.5倍)→2022年度が111名(4.6倍)→2023年度が84名(3.5倍)と減少が続いていましたが、2024年度は2023年度より29名(34.5%)増加となり113名(志願倍率4.7倍)となりました。2024年度は、国公立大学前期日程で歯学系統の志願者が増加(6.2%増)していたのと同様に、新潟大学でも志願者増加になりました。
創生学部前期は2023年度より100名(137.0%)増加の173名(3.8倍)でした。2020年度が162名(志願倍率3.6倍)→2021年度が101名(2.2倍)→2022年度が96名(2.1倍)→2023年度が73名(1.6倍)と3年続けて志願者が減少していた反動と、近年志願者を集めている文理融合・総合系統であるということから、他学部からの志願変更もあったと考えられます。
続いて、前期日程で2023年度よりも志願者が減少した主な募集単位についてみていきましょう。
人文学部は2023年度より104名(27.7%)の減少となりました。2022年度が385名(志願倍率2.8倍)→2023年度が375名(2.7倍)→2024年度が271名(1.9倍)と、2年連続の減少となりました。
法学部は2023年度より22名(12.0%)減少となりました。2020年度が233名(志願倍率2.7倍)→2021年度が198名(2.3倍)→2022年度が191名(2.2倍)→2023年度が183名(2.2倍)→2024年度が161名(1.9倍)と、2024年度はこの5年で初めて2.0倍を切りました。
経済科学部は2023年度より138名(25.7%)の減少となりました。2020年度が430名(志願倍率2.4倍)→2021年度が452名(2.5倍)→2022年度が569名(3.2倍)と志願者数が2年連続で増加しましたが、2023年度が538名(3.0倍)→2024年度が400名(2.2倍)と2年連続の減少となりました。
医学部保健学科-検査技術科学専攻は、2024年度は2023年度より57名(57.0%)減少の43名(志願倍率2.0倍)となりました。2020年度までは英語のみだった2次試験が、2021年度より数学(ⅠⅡⅢAB)が追加されて負担が重くなったために、2020年度123名(志願倍率6.5倍)→2021年度66名(3.1倍)と57名(46.3%)減少しました。さらに2022年度も37名(1.8倍)と29名(56.1%)減少しましたが、2年連続で志願者が減少した反動で2023年度は100名(4.8倍)と63名(170.3%)増加しました。2024年度はその反動での志願者減と考えられます。
工学部は2023年度より107名(15.6%)減少となりました。2022年度が822名(志願倍率2.6倍)→2023年度が684名(2.1倍)→2024年度が577名(1.8倍)となっており、2年連続で減少しています。募集区分ごとにみると、個別学力検査重視型は224名(58.0%)減少していますが、共通テスト重視型は2023年度より117名(39.3%)増加しています。2024年度は共通テストの平均点が上昇した科目が多く、得点できた受験生が増えたこと、2023年度に共通テスト重視型の志願者が大幅に減少していたことの2点が、このような志願状況につながったと考えられます。募集区分を決定する際には、共通テストの得点状況だけでなく前年度の志願者数にも注目するとよいでしょう。【図表②】参照