新潟大学
5.総合型・学校推薦型の入試状況
総合型選抜の入試状況
2025年度の総合型選抜全体の志願者数は206人で、志願倍率は1.8倍です。2024年度は志願者が158人で志願倍率は1.9倍でした。募集人員が増え、志願者も増えているので、全体での志願倍率もあまり変わりませんでした。
学部ごとの志願倍率では共通テストが必要ない経済科学部、工学部がそれぞれ2.2倍、1.6倍となり、共通テストが必要な理学部、創生学部がそれぞれ1.8倍、1.5倍となりました。
次に学部一括の募集形態ではなく、入学後に学ぶ分野ごとに募集がなされる工学部と創生学部についてみていきます。工学部は9つのプログラムで募集がありました。工学部全体では2024年度27名だった募集人員が2025年度は57名と、30名増えました。協創経営プログラムを除く分野で2024年度より募集人員が増えています。募集人員が増えたことで志願倍率が低下したのは、機械システム工学、社会基盤工学、電子情報通信、人間支援感性科学の各プログラムであり、9つ中4つでした。協創経営プログラムも志願者が減少しましたが、こちらは募集人員の増減は関係していません。
創生学部では、2025年度からDX共創コ-スの募集が実施されました。募集人員が5名のところ、志願者が2人、合格者が2人と募集人員を満たすことはできませんでした。デジタル技術を使って日常や社会を豊かにすることを目指すコースでしたが、受験生は授業内容や卒業後の進路がうまくイメ-ジできなかったのかもしれません。
経済科学部は共通テストの受験が必要ありません。2024年度も2025年度も30名の募集がありました。志願者数は2024年度が61人、2025年度が67人と、2年間で大きな変動はありませんでした。
理学部は共通テストが必要で、学部一括での募集となります。募集人員は2024年度も2025年度も5名です。志願者数は2024年度が5人、2025年度が9人と志願倍率は1倍台が続いています。【図表⑨⑩】参照
学校推薦型選抜の入試状況
まず、2025年度に初めて女子枠を取り入れた工学部についてみていきます。工学分野の女性の進出を促進するためとして、Ⅰ型(共通テスト不要)の知能情報システムプログラムに女子枠が新設されました。募集人員は5名で、Ⅰ型全体の募集人員30名の16.7%に相当します。2025年度は志願者が19人で、志願倍率は3.8倍となりました。これは工学部の全募集単位の中で2番目に高い志願倍率です。【図表⑪】参照
工学部の学校推薦型選抜を志願した女子の割合は2024年度の17.6%(志願者205人のうち女子36人)→2025年度の24.9%(181人のうち45人)と増加しました。新設された女子枠は募集人員が5名と狭い枠ではありましたが、志願者の女子割合が増加したことは大学の取り組みが受験生に響いたということです。しかし合格者の女子割合は、2024年度の22.5%(合格者129人のうち女子29人)→2025年度の22.9%(105人のうち24人)とほとんど変わりませんでした。
法学部では志願者が2024年度の96人(志願倍率1.9倍)→2025年度129人(2.6倍)と、33人増加しました。また理学部生物学プログラムが2024年度の志願者7人(1.4倍)→2025年度が19人(3.8倍)と12人増加、医学部保健学科看護学専攻は2024年度が62人(2.2倍)→2025年度が79人(2.8倍)と17人増加、農学部Ⅱ型は2024年度が57人(2.7倍)→2025年度が74人(3.5倍)と17人増加しています。【図表⑫】参照
学校推薦型選抜全体の志願者数は2022年度から1076人→1140人→1176人→1235人と推移しており、少しずつ増加しています。また、募集人員も増えてはいるものの、その増分を上回る勢いで志願倍率の上昇が見られました。「学校推薦型選抜は特別なもの」という感覚が近年の受験生では薄まってきていることが、志願者数の増加の一因と考えられます。【図表⑬】参照