大阪大学


3.総合型選抜・学校推薦型選抜の入試結果

【図表⑨】 総合型選抜・学校推薦型選抜 志願者数の推移
総合型選抜・学校推薦型選抜 志願者数の推移
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【図表⑩】 総合型・学校推薦型選抜 2か年比較①
総合型・学校推薦型選抜 2か年比較①
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【図表⑪】総合型・学校推薦型選抜 2か年比較②
総合型・学校推薦型選抜 2か年比較②
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【図表⑫】総合型・学校推薦型選抜 2か年比較③
総合型・学校推薦型選抜 2か年比較③
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【図表⑬】23年度総合型・学校推薦型選抜 外国語学部・専攻別結果
23年度総合型・学校推薦型選抜 外国語学部・専攻別結果
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   2023年度の総合型選抜・学校推薦型選抜の志願者総数は936人であり、過去最多であった2022年度の857人を79人上回る結果となりました。2017年度に全学部で総合型選抜・学校推薦型選抜(旧AO・推薦入試)が導入されて以降、これで6年連続での増加となっています(2017年度から順に332→565→708→770→841→857→936人)。志願者数が増え続けている理由としては、各学部学科によって出願要件は異なるものの、医学部と工学部以外では評定平均値が不要であることや、共通テストで求められる得点が概ね75%~80%以上と高くないことなどが挙げられます。【図表】参照
   続いて学部学科(コース)別の志願者数を見ると、2022年度と比べて理学部(研究奨励型)生物科学科・生物科学コースでは4人から12人に増加、医学部保健学科・検査技術科学専攻では6人から17人に増加、法学部国際公共政策学科では22人から43人に増加と特に大きく数を増やしました。ただし、理学部(研究奨励型)生物科学科・生物科学コースと法学部国際公共政策学科については2022年度に志願者数が大きく減少していたことから、その反動で再び大きく増加したと考えられます。【図表】参照
   一方、志願者数が減少した学部のなかで最も高い減少率となったのは歯学部で、前年比37.5%の減少でした。歯学部は大学所定の英語外部試験スコア(英検準1級以上など)を所有していれば受験することができ、また共通テストで必要なのは数学と理科の2教科のみと、比較的出願しやすい学部であることから、2020年度から2022年度までの3年間は志願者数を増やし続けていました。ところが、2022年度では募集人員が5人、志願者数が16人であったにもかかわらず、合格者はわずか1人とかなり厳しい入試であったことから、2023年度では受験生が敬遠したものと考えられます。【図表】参照
   続いて注目したいのは充足率(最終合格者÷募集人員)についてです。2017年度の同入試導入以降、しばらくは充足率およそ50%~60%前後、募集人員の約半分しか最終合格者がいないという厳しい入試が続いていました。2021年度は志願者数の増加に伴い充足率が75%となりましたが、2022年度では再び充足率が低下して68%にとどまりました。しかし、2023年度では合計で80%を記録し、過去最高の充足率となりました。この原因としては、2022年度と比べて志願者数が増加したこと、また共通テストの平均得点率が上昇したため共通テストの合計得点の要件を満たすことができた受験生が増加したことなどが考えられます。学部別で見ると全11学部のうち7学部が充足率100%を超えています。なかでも医学部では、2022年度は保健学科・看護学専攻しか100%を超えていなかったのに対し、2023年度は医学部の全学科・専攻で100%を超えました。また歯学部では募集人員が5人に対し、2022年度は上述のとおり合格者が1人のみ、充足率にして20%となっていましたが、2023年度は合格者が5人に増え、充足率を満たす結果となりました。【図表】参照
   一方で、依然として充足率が低いままの学部もあります。代表的なのが、理学部(挑戦型)と外国語学部です。まず理学部(挑戦型)は2022年度、2023年度と2年続けて充足率13%、数学科にいたっては2年続けて0%とかなり厳しい結果が続いています。一方の外国語学部は、2022年度の合格者1人のみ、充足率2%という数値と比較すると、2023年度の合格者16人、充足率25%という数値は一見すると飛躍的な増加ではあります。この2年間で合格者数がここまで増加した理由として、まず2022年度では、共通テストの平均得点率が過去最低水準であったうえに、大学が求める得点も合計で概ね80%以上(外国語の得点は概ね85%以上)と高く設定されていたために、多くの受験生が基準を満たせず不合格になったと考えられます。一方の2023年度では、共通テストの平均得点率が上昇したうえに、大学が求める得点も合計で概ね75%以上(外国語の得点は概ね85%以上で変更なし)と緩和されたことから、基準をクリアした受験生が増えたことによって合格者数も大きく増加したものと考えられます。ただし、2022年度と比べて2023年度は大きく増加したというだけで、充足率25%は依然として低い数値のままです。また、これまでの厳しい入試状況も影響してか、外国語学部では25専攻のうち11専攻で志願者がゼロとなっており、例年と同様に一般選抜に出願する受験生が多い結果となりました。【図表】参照
   大阪大の総合型・学校推薦型選抜は、上述のとおり共通テストの難易度に左右される面もありますが、それに加えて自らが志望する学部学科(専攻)で学びたいという強い意志や明確な志望理由がなければ、書類選考や面接・口頭試問でのアピールが不足し、合格を勝ち取るのは非常に難しくなります。とは言え、同入試の出願要件を満たし実際に出願することで大阪大に合格するチャンスが増えることも事実ですので、まずは必要な要件を確認し、早めに準備しておくことをおすすめします。なお、総合型・学校推薦型選抜で満たされなかった募集枠は一般選抜の募集に回されます。

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