大阪大学
3.総合型選抜・学校推薦型選抜の入試結果
【図表⑨】総合型選抜・学校推薦型選抜 志願者数の推移

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【図表⑩】総合型・学校推薦型選抜 2か年比較①

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【図表⑪】総合型・学校推薦型選抜 2か年比較②

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【図表⑫】総合型・学校推薦型選抜 2か年比較③

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学部学科(コース)別の志願者数を見ると、文系では法学部を除き、すべての学部学科で増加しました。人間科学部は前年比1人(1.8%)の増加と横ばいですが、残る3学部の前年比では文学部で34人(70.8%)、外国語学部で44人(62.0%)、経済学部で26人(48.1%)の増加と大きく数を増やしており、それぞれ過去最多の志願者数となりました。このうち文学部と経済学部は2024年度に数を減らしていたことから、2025年度はその反動で増加したと考えられます。一方、外国語学部は2年続けて前年比60%以上の増加、かつ過去最多の志願者数を記録しており、大阪大の同選抜において今最も注目を集めている学部となっています。この要因としては、2024年度に共通テストの配点が文系科目重視となったことや、合格に必要な共通テスト外国語の得点率が緩和されたことなどが挙げられるでしょう。【図表⑩】参照
学部全体で大幅に増加した文系に対し、理系では募集人員の多い工学部と基礎工学部での減少もあって大きく数を減らしています。まず個々の学部で見ると、理学部と薬学部、歯学部では増加、医学部と工学部、基礎工学部では減少という結果となりました。歯学部を除くすべての学部で2024年度の増減とは反対の結果となったことから、理系は文系以上に前年度の影響による反動が大きく生じたと考えられます。実際に、2025年度に志願者数を最も増やした理学部では特に生物科学科-生物科学コースが前年比10人(250.0%)の増加と数を増やしましたが、2024年度では前年比8人(66.7%)の減少と数を減らしていました。一方、前年比41人(19.5%)の減少と2025年度に志願者数を最も減らした基礎工学部では、2024年度では前年比52人(32.9%)の増加と大きく数を増やしていました。また、工学部も同様に大きく数を減らしており、2025年度では工学部と基礎工学部だけで志願者数が63人も減少しています(2024年度は2学部合わせて77人の増加)。なお、2026年度の基礎工学部においては女性枠が新設されるとともに、2025年度の結果に対する反動も相まって志願者数が大幅に増加する可能性があるため、その動向に注目したいところです。【図表⑪⑫】参照
次に注目したいのは充足率(最終合格者÷募集人員)です。2025年度は合計で88%と、2024年度の82%を上回る過去最高の充足率となりました。この要因としては、2024年度と比べて志願者数が増加したこと、また共通テストの平均得点率が上昇したため共通テストの合計得点の要件を満たすことができた受験生が増加したことなどが考えられます。学科(コース)別で見ても、100%を超えていた学科(コース)は2024年度では全26学科(コース)のうち13学科(コース)とちょうど半数でしたが、2025年度では過半数を超える15学科(コース)とわずかながら増加しました。特に理学部生物科学科-生物科学コースでは2024年度の充足率25%から100%に大きく上昇しています。また、100%にはまだ及ばないものの、外国語学部でも2024年度の46%から75%へと大きく上昇しており、例年かなり低い充足率が続いていた状況から飛躍的な改善を見せました。一方で、理学部(挑戦型)では充足率13%と依然として厳しい入試が続いており、なかでも数学科にいたっては3年連続で0%という結果となりました。なお、総合型・学校推薦型選抜で満たされなかった募集枠は一般選抜の募集に回されます。【図表⑩⑪⑫】参照
上述の充足率からも見てとれるように、大阪大の総合型・学校推薦型選抜では出願要件や共通テストの基準をクリアしていればよいというだけではありません。それに加えて自らが志望する学部学科(専攻)で学びたいという強い意志や明確な志望理由がなければ、書類選考や面接・口頭試問でのアピールが不足し、合格を勝ち取るのは非常に難しくなります。ですが、出願要件を満たし、実際に出願することで合格するチャンスが増えることも事実です。大阪大を志している受験生は、まずは必要な要件を確認し、早めに準備しておくことをおすすめします。