東京科学大学
5.総合型・学校推薦型選抜
「女子枠」の導入とともに、2024年度入試から総合型・学校推薦型選抜が大幅に拡大され、2025年度はさらに女子枠の募集人員が増加しました。入試区分ごとの募集人員をみると、一般選抜の合計は2023年度が930人 → 2024年度が892人 → 2025年度が818人に減少しています。一方で、総合型・学校推薦型選抜の合計は2023年度が98人 → 2024年度が176人 → 2025年度が250人に増加しました。これにより、総合型・学校推薦型選抜の人数比率は2023年度が約9.5% → 2024年度が約16.5% → 2025年度が約23.4%となりました。
実施2年目の「女子枠」の状況をみてみましょう。総合型は募集人員が合計で134人、志願者数が519人、合格者数が123人でした。また学校推薦型選抜は募集人員が15人、志願者数が53人、合格者数が15人でした。志願倍率は方式・学院ごとの募集単位によって差がありますが、最高が環境・社会理工学院で9.7倍、最低は情報理工学院の1.0倍となっています。新規導入の理学院、工学院は志願倍率が4倍前後で、ほぼ募集人員通りの合格者を出しましたが、募集人員を14人から20人に増やした情報理工学院は志願者が19人にとどまり、合格者は8人と募集人員を大きく割る形となりました。全学院合計の志願倍率では一般枠よりも下回ったものの、理学院と環境・社会理工学院は女子枠の方が上回り、情報理工学院以外はほぼ募集人員通りの合格者を出しました。2年目もまずまずの募集状況であったと言えるでしょう。 【図表⑭】参照
医歯学系では全募集単位で学校推薦型選抜が実施されており、医学部医学科では地域特別枠推薦も実施されています。募集人員の合計は62人で、一部の募集単位のみ実施の後期日程よりも多く、22.6%を占めています。医学科地域枠を除く志願倍率は3.1倍と3年連続で一般選抜前期日程よりも低い状況が続いていますが、医学科に関しては、2018年度に学校推薦型選抜を導入して以降、毎年志願倍率が6倍を超えて前期日程を上回っており、近年志願者が伸び悩んでいるものの高倍率を維持しています。
医学科の地域特別枠推薦は2011年度から実施されており、当初は「茨城県枠」「長野県枠」の2つの募集単位でしたが、2023年度から「茨城県枠(県内募集)」「茨城県枠(全国募集)」「長野県枠」「埼玉県枠」の4つに拡大され、募集人員も4人から15人に増員されました。拡大初年度の2023年度はいずれの募集単位も合格者が募集人員を満たしませんでしたが、2024年度、2025年度と充足率が上昇し、特に埼玉県枠は3年連続で最も多くの志願者を集め、志願倍率も年々高くなっています。 【図表⑮⑯】参照