北海道大学


3.文系の入試概要

【図表⑥】文系の実質倍率(前期)の推移
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【図表⑦】合格者(文系)に占める
   道内・女子割合(前期)

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【図表⑧】合格者(文系)の成績データ
    (24年前期)

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   北海道大学の前期日程は、文系は総合入試文系・文学部・教育学部・法学部・経済学部の5区分で募集されます。総合入試文系は2011年度の導入から2024年度までに実質倍率が最も高いことが10回もあり、2024年度も3.0倍と3年連続で最も高くなりました。文学部は総合入試文系に次ぐ2.4倍ですが、2011年度以降の推移を見ると2014年度・2018年度に並ぶ最低値となりました。教育学部は2016年度から2022年度まで隔年現象が続いていましたが、2024年度は2.3倍と2018年度に並ぶ最低値となり、3年連続で下がりました。法学部は2019年度から隔年現象が続いており、2024年度は2.2倍で2012年度以降は2.5倍以下の倍率が続いています。経済学部は2019年度以降は2.5倍以下であり、2020年度からは隔年現象が見られます。【図表】参照
   総合入試文系の全国的な人気は以前からデータに表れており、この傾向の主な理由は2次試験で数学を受けなくても教育学部・法学部・経済学部に進学可能であるからと考えられます。全国の旧7帝大中、前期日程の2次試験で数学が必須でないのは、名古屋大学の情報学部人間・社会情報学科と大阪大学の文学部と外国語学部、そして北海道大学の総合入試文系と文学部しかありません。国立大学上位校では文系学部でも2次試験で数学を課すことが多いため、数学が苦手な受験生が全国から北海道大学に集まっていると考えられます。2024年度の合格者に占める道内割合を見ると、総合入試文系は14.2%で総合入試が導入された2013年度以降で最も低い割合となりました。道内出身の合格者が減っている文系の中でも、特に総合入試文系は全国の受験生との戦いが今後も続きそうです。また合格者に占める女子割合を見ると、文系で最も高いのは文学部で45.9%、逆に最も低いのは経済学部で26.0%となりました。【図表】参照
   次に5区分の共通テストの合格者平均得点率を見てみます。最も高かったのは文学部で79.5%でした。これは例年通りの傾向で、総合入試文系と同じく前期日程の2次試験で数学が必須でないことや道内の国公立大学で文学部が設置されている唯一の大学であることが理由として考えられます。文系は理系に比べ、各募集単位間の共通テスト素点の合格者平均点に大きな差はありませんが、2次試験のボーダーライン(最低点)には開きがあります。実際、2024年度は共通テストの合格者平均得点率が76.9%~79.5%とその差は2.6%でしたが、共通テストで合格者平均点だった場合の2次試験の合格者最低得点率(代ゼミ推計)は61.1%~74.0%となり、約13%の開きがみられました。区分ごとに見ると、例年は総合入試文系と文学部が高めですが、2024年度は地歴の選択者が含まれる総合入試文系と文学部が低くなっています。この2つは65%以下の得点率でしたが、文系数学が必須の教育学部・法学部・経済学部は70%以上の得点率です。2024年度は5区分すべて2次試験の合格者最低得点率が上がりましたが、これは英語と文系数学の大幅な易化の影響と考えられます(以降、2024年度の入試難易度については代々木ゼミナール教材研究センターの分析による)。【図表】参照

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