北海道大学


3.文系の入試概要

【図表⑥】総合入試導入以降の文系の
     実質倍率(前期)

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【図表⑦】合格者(文系)に占める
   道内・女子割合(前期)

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【図表⑧】合格者(文系)の成績データ
    (23年前期)

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   北海道大学の前期日程は、文系は総合入試文系、文学部、教育学部、法学部、経済学部の5区分で募集されます。総合入試文系は、2011年度の導入から2023年度までの13年間で実質倍率が最も高いことが9回もあり、2023年度も3.2倍と5区分の中で最も高くなりました。文学部は総合入試文系に次ぐ2.7倍で、総合入試文系と文学部は今後も同程度の倍率が続くと考えられます。教育学部は2016年度から2022年度まで隔年現象が続いていましたが、2023年度は2.6倍と2022年度の2.9倍からさらに下がりました。法学部や経済学部はここ4年間、2.5倍以下に収まっています。【図表】参照
   総合入試文系の全国的な人気は以前からデータに表れており、この傾向の主な理由は2次試験で数学を受けなくても教育学部、法学部、経済学部に進学可能であるからと考えられます。全国の旧七帝大中、前期日程の2次試験で数学が必須でないのは、名古屋大学の情報学部人間・社会情報学科と大阪大学の文学部と外国語学部、そして北海道大学の総合入試文系と文学部しかありません。国立大学上位校では文系学部でも2次試験で数学を課すことが多いため、数学が苦手な受験生が全国から北海道大学に集まっていると考えられます。2023年度の合格者に占める道内割合を見ると、前期日程全体が34.2%に対して総合入試文系は15.2%と、総合入試が導入された2011年度以降で最も低い割合となりました。道内勢の合格者が減っている文系の中でも、特に総合入試文系は全国の受験生との戦いが今後も続きそうです。また合格者に占める女子割合を見ると、文系で最も高いのは教育学部で57.1%、最も低いのは経済学部で21.3%(前期日程学部別入試で最も低い割合)となりました。【図表】参照
   次に5区分の共通テストの合格者平均得点率を見てみます。最も高くなったのは文学部で79.4%でした。これは例年通りの傾向で、総合入試文系と同じく前期日程の2次試験で数学が必須でないことや道内の国公立大学で文学部が設置されている唯一の大学であることが理由として考えられます。文系は理系に比べ、共通テスト素点の合格者平均点に大きな差はありませんが、2次試験のボーダーライン(最低点)には開きがあります。2023年度は共通テストの合格者平均得点率が76.6%~79.4%とその差は2.8%でしたが、共通テストで合格者平均点だった場合の2次試験の合格者最低得点率(太枠内の数値は代ゼミ推計)は46.6%~57.4%となり、10%以上の開きがみられました。2次試験の合格者最低得点率を区分ごとに見ると、総合入試文系と文学部が高く、この2つは55%以上の得点率でしたが、教育学部、法学部、経済学部は50%以下の得点率となっています。この3つにおいて2次試験の合格者最低得点率が低かったのは、2次試験で必須である文系数学が難化した影響と考えられます。【図表】参照

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