北海道大学
5.総合型選抜の実施状況
次に、合格者の状況です。TypeⅠでは、2025年度の2次選考の合格者は52人(前年比+8人)となり、フロンティア入試導入以降最多となりました。これは志願者数が過去最多であったことが要因だと考えられます。一方で、共通テスト後に発表される最終合格者数は23人(-4人)にとどまり、フロンティア入試導入後初めて減少に転じる結果となりました。TypeⅠでは、コンピテンシー評価の準備や面接の練習など、学力以外の部分での対策に目が行きがちですが、2次選考合格後を見据えて共通テストに向けての学習にも取り組むことが重要です。一方で、TypeⅡの最終合格者は60人(+4人)となりました。2024年度から大きな変動はなく、フロンティア入試導入以降は毎年60人前後で安定した推移を見せています。【図表⑫⑬】参照
それぞれの方式の合格者の女子占有率に注目すると、差がみられます。TypeⅠでは、毎年女子割合は上昇しており、2025年度は52.2%で過去最高となりました。全国的に特別選抜での「女子枠」の導入が進んでおり、北海道大では導入されていないものの、女子生徒の総合型選抜に対する注目度が上がっていることが人数増加につながっていると考えられます。しかし、TypeⅡの合格者女子占有率は15.0%とTypeⅠや一般選抜と比較しても低くなっています。これはTypeⅠ・Ⅱを実施している学科の違いが関係していると考えられます。TypeⅠでは、医学部保健学科での出願が可能であり、この学科は女子割合が高い傾向があります。一方でTypeⅡにおいては理学部、工学部でのみ出願が可能であり、これらの学部は男子割合が高くなりやすい学部です。そのため、TypeⅠとTypeⅡでの女子占有率に差が出ていると考えられます。【図表⑭】参照
最後に定員充足率を見ていきます。TypeⅠでは、20~35%の間で推移しています。これは上記で触れたとおり、2次選考合格者から共通テスト実施後に最終合格者の人数が減少するため、充足率が低い状況が続いています。また、志願者が多くても2次選考で合格者が定員を下回っている学部学科が多く、他の受験生との競争だけではなく、北海道大が求める基準に対しての到達度が合否を分けるポイントになっていると考えられます。
TypeⅡでは、80%を超える高い割合で推移しており、募集定員と同数の合格者が出ている学部学科が多くなっています。また、1次選考の合格率が高いことも特徴で、2025年度は志願者全員が1次選考を通過しています。【図表⑮】参照