慶應義塾大学


1.志願者数の推移について

【図表①】志願者数の推移(2015年~2024年)
志願者数の推移[クリックして拡大]
【図表②】学部別志願者の推移 (2015年~2024年)
学部別志願者数の推移[クリックして拡大]
  慶應義塾大の志願者数は、ここ10年では2017年度入試をピークとして減少期に入っているといえます。慶應義塾大は学部や学科の数を増やしたり、入学定員を増やしたり、また入試方式を増やしたりするなどの志願者数増加のための入試改革をまったく行ってきていません。さらには、慶應義塾大は学部数が他の総合大学よりも少なく、各学部単位での一般選抜の受験機会も1回しかありません。また入試科目の構成も学部ごとで大きく異なります。そのため、学内併願による志願者数の増加が期待しにくく、受験人口の減少による実志願者数の減少の影響を特に受けやすくなっています。
  ただ、ここ数年の志願者数は一定数を集めて、横ばいの状態となっています。近年、上位私大は志願者数を減らした一方で、合格者数を増やしたために実質倍率が大きく下がっています。それにより入試の難易度が下がり、受験生の出願傾向が強気に変化してきたことが要因と考えられます。また、2025年度入試が新課程入試となる特殊事情もあり、現役での入学を目指す難関国立大の併願者も多く、このことも志願者数の増加につながったと考えられます。ですから、現役生の志願者数は前年比458名増の23,737名となり、3年連続の増加となっています。一方で、既卒生の志願者数は全国的な既卒生の減少もあり、269名減の13,863名となり、6年連続で減少しています。これは近年、「浪人してでも慶應」という志向が弱まり、現役時に合格した大学に進学するという現役進学志向の強まりが要因であると考えられます。これらのことから、ここ数年の慶應義塾大の志願者数は増加も減少もしない停滞状態となっています。【図表】参照
  2024年度入試の出願状況ですが、指数は100.5となり、2023年度入試から小幅ながら増加しました。しかしながら、2023年度入試が近年では過去2番目に志願者数の少ない年だったため、2024年度入試は底ばいの状況にあるといえます。学部別では、文系で経済・商学部のA方式の増加が目立っています。この方式は数学を必須としており、例年難関国立大との併願者が多い方式になりますので、上位レベルの受験生が浪人回避のため受験校に加えたことが増加の要因と考えられます。一方で、SFC(総合政策・環境情報学部)は2023年度入試に引き続き減少しています。これで総合政策学部は7年連続、環境情報学部は5年連続の減少となっています。理系学部では、医・理工学部が3年連続で志願者数を増やしています。こちらの2学部も特に難関国立大との併願者が多い学部ですので、このことが志願者増の要因と考えられます。【図表】参照

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