慶應義塾大学
2.合格者の詳細状況
2025年度入試の合格者数は前年比153名増の9,956名となり、2年連続の増加となっています。この数は今の一般選抜の体系となった2012年度入試以降で、2022年度入試に次ぐ2番目に多い合格者数になります。2025年度入試は志願者数が大幅な増加、合格者数が小幅な増加となったことから、実質倍率(受験者数÷合格者数)は3.7倍となり、2024年度入試よりも上昇しています。2021年度入試からの4年間、実質倍率は3.5倍~3.6倍で推移していましたが、久々にその水準を離脱しています。【図表③】参照
2025年度入試の学部別合格者数は、文・法・理工・医の4学部が増加、経済・商・総合政策・環境情報・看護医療・薬の6学部が減少となり、減少した学部の方が多くなっています。その状況でも大学全体が増加したのは、理工学部が大幅な合格者増となったことが要因となります。また、法学部は3年連続の増加となっています。一方で、合格者数が減少した中では、経済学部と看護医療学部が比較的大きな減少となっています。また、商学部は5年ぶりの減少、総合政策学部は3年連続の減少となっています。【図表④】参照
正規合格者数と補欠合格者数の内訳をみると、正規合格者数が前年比45名増の9,016名、補欠合格者数が前年比108名増の940名となっています。正規合格者数は小幅ながら5年連続の増加となり、ついに9千人台乗せとなりました。この数は2012年度入試以降では最も多い正規合格者数となります。補欠合格者数は2年連続で減らし、2024年度入試には1千人を切りましたが、2025年度入試では増加に転じています。【図表⑤】参照
学部別に正規合格者数と補欠合格者数の5年分の状況をみると、ほとんどの学部で毎年、補欠合格者を出しています。補欠合格者を出すか出さないかについては、正規合格者の入学手続き状況によって変わりますが、慶應義塾大は例年、多くの学部で補欠合格者を出す傾向にあります。また、補欠者合格候補者の順位を出す学部と出さない学部とがありますが、2024年度入試まで補欠合格候補者の順位を出さなかった理工学部が順位を出すようになりました。2023・2025年度の看護医療学部や2024年度の薬学部のように補欠合格者を出さない場合もありますが、補欠者合格候補者の順位を出す文・経済・法・商・総合政策・環境情報学部では、概ね一定数の補欠合格者数を出しています。ただし、2025年度入試の経済学部や環境情報学部のように正規合格者数を大きく増やした場合には補欠合格者を出さない場合もありますので、留意する必要があります。【図表⑥】参照
2025年度入試において、補欠合格者の学部別の数を多い順に並べると、第1位が理工学部で285名、第2位が文学部で227名の順となっています。また、補欠合格候補者のうちどのくらいの人数が入学許可されたのかをみると、最も比率が高い学部は法学部で、補欠合格候補者全員が入学許可されています。それに次いで比率が高い学部は、文学部で74%、薬学部で65%と続いています。一方で、まったく補欠合格者を出さなかったのは経済学部A・B方式と環境情報学部、看護医療学部となっています。経済学部は2000年以降、毎年補欠合格者を出しており、近年では異例なこととなります。【図表⑦】参照