慶應義塾大学
7.慶應義塾大の一般選抜の特徴と変更点
一般入試の入試科目の特徴は、文系学部において国語がなく、その代わりに小論文を課す学部・方式の多いことが挙げられます。他の上位大学ではあまり出題されない小論文の対策をしなくてはならないことが私大専願者にとってはネックになります。また、経済・商学部にみられる数学を必須とする方式があることも特徴といえます。このような科目構成のため、慶應義塾大の志願者は慶應義塾大の専願者や国立難関大との併願者の比率が高くなる傾向にあります。このことが他の有力大学に比べて志願者数が大きく増減しないことの理由と考えられます。
また、学部ごとで配点構成も異なっています。ただ、文系学部のほとんどは英語重視の配点構成になっていますので、特に英語の学力が合否のカギを握っています。理工系学部では、理工学部が理科の配点が大きいこと(同レベルの早稲田大の3理工学部は各教科均等配点)、また薬学部も理科の配点が大きいこと(他の私大の薬学部の多くは各教科均等配点)が特徴といえます。
多くの私立大で導入されている英語外部試験を利用する入試は、文学部のみで実施しています。ただし、利用できる実用英語技能検定のCSEスコアは2,500以上(準1級相当)とかなり高い水準が必要になります。
科目構成や配点構成と同様に、問題傾向も各学部で異なっていますので、学部ごとの特徴をつかみ、その対策を十分にすることが必須となります。【図表⑮】参照
2025年度入試は文・法・医・薬学部などで入試変更がありましたが、2026年度入試については大きな入試変更はほとんどありません(2025年4月現在)。現在公表されている入試変更点では、医学部に栃木県地域枠(募集人員1名)が導入されることぐらいです。一方で、2027年度入試に関しては、経済学部が小論文の出題を休止し、A方式は英語(200点)+数学(200点)、B方式は英語(200点)+地理歴史(200点)の2教科入試になるという大きな入試変更が公表されています。