東京大学
9.2025年度入試の変更点
(1)共通テスト
2023年12月6日に公表された配点をみると、共通テスト『情報Ⅰ』は一般選抜・学校推薦型選抜ともに100点満点での利用となっています(一般選抜での圧縮後の配点は11点)。配点決定の背景には、「高等学校新学習指導要領において情報Ⅰが必修であること、入学後に全学生に情報を必修科目としていることから、高等学校段階の学習として情報に関する知識・技能の修得に努めてほしい」という大学からのメッセージがあります。2024年度大学案内の「高等学校段階までの学習において身につけてほしいこと」のページおよびウェブサイトにも情報に関する記載がありますので、受験を考えている方は一読するとよいでしょう。その他の科目、配点換算についてはおおむね現行の方針を引き継ぎ、変化はありません。900点満点だったものが1000点満点となり、一般選抜の最終合否判定では現行と同じ110点に換算されます。
【一般選抜】共通テストの出題科目と配点
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教科 | 科目 | 文科 | 理科 |
---|---|---|---|
国語 | 『国語』 | 必須(200) | |
地歴 | 『地理総合、地理探究』、『歴史総合、日本史探究』、『歴史総合、世界史探究』 | 2科目選択 (200) 公民からは1 |
1科目選択 (100) |
公民 | 『公共、政治・経済』、『公共、倫理』 | ||
数学 | 『数学Ⅰ、数学A』、『数学Ⅱ、数学B、数学C』 | 必須(200) | |
理科 | 『物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎』、『物理』、『化学』、『生物』、『地学』 | 基礎から 選択(100)※ |
専門から 2科目選択(200) |
外国語 | 『英語』、『ドイツ語』、『フランス語』、『中国語』、『韓国語』 | 必須(200) | |
情報 | 『情報Ⅰ』 | 必須(100) |
※専門から2科目選択した場合は基礎を選択したものとみなす
【学校推薦型選抜】共通テストの出題科目と配点
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教科 | 科目 | 文科 | 理科 |
---|---|---|---|
国語 | 『国語』 | 必須(200) | |
地歴 | 『地理総合、地理探究』、『歴史総合、日本史探究』、『歴史総合、世界史探究』 | 2科目選択 (200) 公民からは1 |
1科目選択 (100) |
公民 | 『公共、政治・経済』、『公共、倫理』 | ||
数学 | 『数学Ⅰ、数学A』、『数学Ⅱ、数学B、数学C』 | 必須(200) | |
理科 | 『物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎』、『物理』、『化学』、『生物』、『地学』 | 基礎から 選択(100)※ |
専門から 2科目選択(200) |
外国語 | 『英語』、『ドイツ語』、『フランス語』、『中国語』、『韓国語』 | 必須(200) | |
情報 | 『情報Ⅰ』 | 必須(100) |
※①は法学部、経済学部、文学部。②は工学部、理学部、農学部、薬学部、医学部。教育学部、教養学部は①②どちらも選択可
※専門から2科目選択した場合は基礎を選択したものとみなす
(2)2次試験
2次試験の配点・満点は440点で現行の入試と変更はありません。
各教科の出題科目等は下記の通りです。
国語は全科目(現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語、国語表現、古典探究)から出題されます。
地理歴史は「地理総合」「歴史総合」の範囲が除外されていますが、共通テストは受験必須であることから「地理総合」「歴史総合」の学習は必要となります。
数学が最も特徴的で、文科の各類は数学B「数列」と「統計的な推測」、数学C「ベクトル」を出題範囲としています。理科の各類はこれに数学C「平面上の曲線と複素数平面」が加わります。数学Bで「統計的な推測」を出題範囲に含んでいる大学は、公表している国公私立大学を見渡しても少数で、旧帝大系では東大のみです。共通テストの『数学Ⅱ、B、C』のB、Cは上述した4つの範囲のうち3つを選択解答することになっていますが、高等学校での指導状況等を勘案すると「数列」と「ベクトル」は必ず解答し、「統計的な推測」または「平面上の曲線と複素数平面」のどちらかを選ぶ受験生が大半を占めると見込んでいます。共通テスト・2次試験を通じて数学B、Cをどのように対策するかは非常に悩ましい課題と言えそうです。なお、過去統計分野からの入試問題として、1986年度の東北大(理・工学部第6問)などの事例はありますが、30年以上遡っても出題されたことは殆どないようです。
各教科の出題科目等は下記の通りです。
国語は全科目(現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語、国語表現、古典探究)から出題されます。
地理歴史は「地理総合」「歴史総合」の範囲が除外されていますが、共通テストは受験必須であることから「地理総合」「歴史総合」の学習は必要となります。
数学が最も特徴的で、文科の各類は数学B「数列」と「統計的な推測」、数学C「ベクトル」を出題範囲としています。理科の各類はこれに数学C「平面上の曲線と複素数平面」が加わります。数学Bで「統計的な推測」を出題範囲に含んでいる大学は、公表している国公私立大学を見渡しても少数で、旧帝大系では東大のみです。共通テストの『数学Ⅱ、B、C』のB、Cは上述した4つの範囲のうち3つを選択解答することになっていますが、高等学校での指導状況等を勘案すると「数列」と「ベクトル」は必ず解答し、「統計的な推測」または「平面上の曲線と複素数平面」のどちらかを選ぶ受験生が大半を占めると見込んでいます。共通テスト・2次試験を通じて数学B、Cをどのように対策するかは非常に悩ましい課題と言えそうです。なお、過去統計分野からの入試問題として、1986年度の東北大(理・工学部第6問)などの事例はありますが、30年以上遡っても出題されたことは殆どないようです。
2次試験の出題範囲と配点
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教科 | 科目 | 配点 |
---|---|---|
国語 | 現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語、国語表現、古典探究 | 【文科】120 【理科】80 |
数学 | 【文科】 数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学B、数学C ※数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Aは全範囲、数学Bは「数列」、「統計的な推測」から、数学Cは「ベクトル」から出題 |
80 |
【理科】 数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学B、数学C ※数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学Aは全範囲、数学Bは「数列」、「統計的な推測」から、数学Cは「ベクトル」、「平面上の曲線と複素数平面」から出題 |
120 | |
地歴 | 【文科のみ】日本史探究、世界史探究、地理探究から2科目選択 | 120 |
理科 | 【理科のみ】「物理基礎・物理」、「化学基礎・化学」、「生物基礎・生物」、「地学基礎・地学」から、2科目選択 ※4科目とも全範囲から出題 |
120 |
外国語 | (1)英語(英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ、論理表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ。一部マークシートに解答する問題あり。また、一部分に聞き取り試験を行う)
(2)ドイツ語 (3)フランス語 (4)中国語 から1外国語選択 |
120 |
面接 | 【理科三類のみ】個人面接 | * |
*は配点しない。
(3)旧教育課程履修者に対する経過措置
共通テスト
・地理歴史で『旧世界史B』、『旧日本史B』、『旧地理B』、公民で『旧倫理、旧政治・経済』が選択可能
・ 数学①で『旧数学Ⅰ・旧数学A』、数学②で『旧数学Ⅱ・旧数学B』、『旧簿記・会計』、『旧情報関係基礎』(『旧簿記・会計』、『旧情報関係基礎』はこれらの課程を履修した者のみ選択可)が選択可能
・情報で『旧情報』が選択可能
・ 数学①で『旧数学Ⅰ・旧数学A』、数学②で『旧数学Ⅱ・旧数学B』、『旧簿記・会計』、『旧情報関係基礎』(『旧簿記・会計』、『旧情報関係基礎』はこれらの課程を履修した者のみ選択可)が選択可能
・情報で『旧情報』が選択可能
2次試験
旧教育課程を履修した高等学校卒業者等に対しては、「出題する教科・科目の内容によって配慮を行う」としています。
(4)その他の変更点
学校推薦型選抜において、既卒者が出願可能な期間は「高等学校等卒業後1年」までに変更されます。2024年度学校推薦型選抜の志願者数をみると、2022年度卒は全体の4.1%(10人)、2021年度以前卒は0.4%(1人)であり、高等学校卒業後2年以上の志願者はわずかです。そのため、入試変更による影響はほとんどないでしょう。
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