東京大学
9.2025年度入試について
各大学は入学志願者保護の観点から、入学者選抜における変更等は2年程度前に予告・公表することとされています。東大は下記内容を発表していますが、3月16日現在で共通テストと2次試験の配点や、共通テストにおける経過措置の取扱いについては決定していません。また、2次試験は旧教育課程履修者に配慮した出題内容にするとしています。
まず東大を含めた国立トップ校9校(冒頭で示した10大学のうち一橋大は2025年度入試について未公表)の共通テストの科目を見ると、地理歴史・公民において『地理総合・歴史総合・公共』は筑波大以外で選択不可となります。『情報Ⅰ』は受験必須となりますが、6校(東大・京大・東北大・東工大・阪大・九大)は配点が発表されていません。その他北大は配点しない、筑波大・名大は配点を低くすることになっています(名大は情報を含め各科目の配点を発表済)。国立大学協会は2025年度入試からの共通テストについて『情報Ⅰ』を加えた6教科8科目を課すことを原則とすると発表しましたが、配点しないとした国立大学は現時点で北大のほか、徳島大・香川大の3大学です。今後、未公表の大学が『情報Ⅰ』の配点をどのように定めるか注視する必要がありそうです。
次に2次試験ですが、国語で全科目(現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語、国語表現、古典探究)から出題としているのは東大のみです。その他は「国語表現」以外の5科目を範囲としている大学が多くなっています。阪大は「現代の国語」、「言語文化」のみで共通テストの出題範囲と同様になっています。国語は「現代の国語」と「言語文化」でどの分野(現代文・古文・漢文)からも出題可能なため、現行入試と大きな変化にならないと推測しています。
地理歴史は東大文科で「地理総合」「歴史総合」の範囲が除外されており、これは京大や筑波大も同様です。但し、共通テストは受験必須であることから「地理総合」「歴史総合」の学習は必要となります。したがって2次試験で「歴史総合」を範囲としている大学は、近現代の日本史と世界史の融合問題が出題されることを見越しておくべきと考えます。
数学が最も特徴的で、東大文科は数学B「数列」、「統計的な推測」、数学C「ベクトル」を出題範囲としています。東大理科はこれに数学C「平面上の曲線と複素数平面」が加わります。他大学は文系学部で「数列」、「ベクトル」、理系学部はこれに「平面上の曲線と複素数平面」が加わる出題範囲としています。「統計的な推測」を出題範囲に含んでいる大学は、公表している国公私立大学を見渡しても少数です。共通テストの『数学Ⅱ・B・C』のB・Cは上述した4つの範囲のうち3つを選択解答することになっていますが、高等学校での指導状況等を勘案すると「数列」、「ベクトル」は必ず解答し、「統計的な推測」または「平面上の曲線と複素数平面」のどちらかを選ぶ受験生が大半を占めると見込んでいます。共通テスト・2次試験を通じて数学B・Cをどのように準備するかは非常に悩ましい課題と言えそうです。また、慶應義塾大のように学部ごとで数学の出題範囲が細かく定められている(2022年10月31日公表)ケースがあるので、各大学の発表内容にはご注意ください。なお、過去統計分野からの入試問題として、1986年度東北大(理・工学部第6問)などの事例はありますが、30年以上遡っても出題されたことは殆どないようです。
まず東大を含めた国立トップ校9校(冒頭で示した10大学のうち一橋大は2025年度入試について未公表)の共通テストの科目を見ると、地理歴史・公民において『地理総合・歴史総合・公共』は筑波大以外で選択不可となります。『情報Ⅰ』は受験必須となりますが、6校(東大・京大・東北大・東工大・阪大・九大)は配点が発表されていません。その他北大は配点しない、筑波大・名大は配点を低くすることになっています(名大は情報を含め各科目の配点を発表済)。国立大学協会は2025年度入試からの共通テストについて『情報Ⅰ』を加えた6教科8科目を課すことを原則とすると発表しましたが、配点しないとした国立大学は現時点で北大のほか、徳島大・香川大の3大学です。今後、未公表の大学が『情報Ⅰ』の配点をどのように定めるか注視する必要がありそうです。
次に2次試験ですが、国語で全科目(現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語、国語表現、古典探究)から出題としているのは東大のみです。その他は「国語表現」以外の5科目を範囲としている大学が多くなっています。阪大は「現代の国語」、「言語文化」のみで共通テストの出題範囲と同様になっています。国語は「現代の国語」と「言語文化」でどの分野(現代文・古文・漢文)からも出題可能なため、現行入試と大きな変化にならないと推測しています。
地理歴史は東大文科で「地理総合」「歴史総合」の範囲が除外されており、これは京大や筑波大も同様です。但し、共通テストは受験必須であることから「地理総合」「歴史総合」の学習は必要となります。したがって2次試験で「歴史総合」を範囲としている大学は、近現代の日本史と世界史の融合問題が出題されることを見越しておくべきと考えます。
数学が最も特徴的で、東大文科は数学B「数列」、「統計的な推測」、数学C「ベクトル」を出題範囲としています。東大理科はこれに数学C「平面上の曲線と複素数平面」が加わります。他大学は文系学部で「数列」、「ベクトル」、理系学部はこれに「平面上の曲線と複素数平面」が加わる出題範囲としています。「統計的な推測」を出題範囲に含んでいる大学は、公表している国公私立大学を見渡しても少数です。共通テストの『数学Ⅱ・B・C』のB・Cは上述した4つの範囲のうち3つを選択解答することになっていますが、高等学校での指導状況等を勘案すると「数列」、「ベクトル」は必ず解答し、「統計的な推測」または「平面上の曲線と複素数平面」のどちらかを選ぶ受験生が大半を占めると見込んでいます。共通テスト・2次試験を通じて数学B・Cをどのように準備するかは非常に悩ましい課題と言えそうです。また、慶應義塾大のように学部ごとで数学の出題範囲が細かく定められている(2022年10月31日公表)ケースがあるので、各大学の発表内容にはご注意ください。なお、過去統計分野からの入試問題として、1986年度東北大(理・工学部第6問)などの事例はありますが、30年以上遡っても出題されたことは殆どないようです。
1)一般選抜の出題教科・科目等
文科各類の共通テスト
※横にスクロールできます。
教科 | 科目 | 選択方法 |
---|---|---|
国語 | 『国語』 | 必須 |
地理歴史 | 『地理総合、地理探究』、『歴史総合、日本史探究』、『歴史総合、世界史探究』 | 2科目選択(公民は1科目まで) |
公民 | 『公共、政治・経済』、『公共、倫理』 | |
数学 | 『数学Ⅰ、数学A』、『数学Ⅱ、数学B、数学C』 | 2科目必須 |
理科 | 『物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎』、『物理』、『化学』、『生物』、『地学』 | 「基礎2」・「専門2」から選択 |
外国語 | 『英語』、『ドイツ語』、『フランス語』、『中国語』、『韓国語』 | 1科目選択 |
情報 | 『情報Ⅰ』 | 必須 |
理科各類の共通テスト
※横にスクロールできます。
教科 | 科目 | 選択方法 |
---|---|---|
国語 | 『国語』 | 必須 |
地理歴史 | 『地理総合、地理探究』、『歴史総合、日本史探究』、『歴史総合、世界史探究』 | 1科目選択 |
公民 | 『公共、政治・経済』、『公共、倫理』 | |
数学 | 『数学Ⅰ、数学A』、『数学Ⅱ、数学B、数学C』 | 2科目必須 |
理科 | 『物理』、『化学』、『生物』、『地学』 | 2科目選択 |
外国語 | 『英語』、『ドイツ語』、『フランス語』、『中国語』、『韓国語』 | 1科目選択 |
情報 | 『情報Ⅰ』 | 必須 |
文科各類の2次試験
※横にスクロールできます。
教科 | 科目 |
---|---|
国語 | 現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語、国語表現、古典探究 |
数学 | 数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学B、数学C
※数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Aは全範囲、数学Bは「数列」、「統計的な推測」から、数学Cは「ベクトル」から出題 |
地理歴史 | 日本史探究、世界史探究、地理探究から2科目選択 |
外国語 | (1)英語(英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ、論理表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ。一部マークシートに解答する問題あり。また、一部分に聞き取り試験を行う)
(2)ドイツ語 (3)フランス語 (4)中国語 から1外国語選択 |
理科各類の2次試験
※横にスクロールできます。
教科 | 科目 |
---|---|
国語 | 現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語、国語表現、古典探究 |
数学 | 数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学B、数学C
※数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学Aは全範囲、数学Bは「数列」、「統計的な推測」から、数学Cは「ベクトル」、「平面上の曲線と複素数平面」から出題 |
理科 | 「物理基礎・物理」、「化学基礎・化学」、「生物基礎・生物」、「地学基礎・地学」から2科目選択
※4科目とも全範囲から出題 |
外国語 | (1)英語(英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ、論理表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ。一部マークシートに解答する問題あり。また、一部分に聞き取り試験を行う)
(2)ドイツ語 (3)フランス語 (4)中国語 から1外国語選択 |
面接 | 【理科三類のみ】個人面接 |
2)学校推薦型選抜の出題教科・科目等
法学部、経済学部、文学部、教育学部(※下記も選択可)、教養学部(※下記も選択可)
※横にスクロールできます。
教科 | 科目 | 選択方法 |
---|---|---|
国語 | 『国語』 | 必須 |
地理歴史 | 『地理総合、地理探究』、『歴史総合、日本史探究』、『歴史総合、世界史探究』 | 2科目選択(公民は1科目まで) |
公民 | 『公共、政治・経済』、『公共、倫理』 | |
数学 | 『数学Ⅰ、数学A』、『数学Ⅱ、数学B、数学C』 | 2科目必須 |
理科 | 『物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎』、『物理』、『化学』、『生物』、『地学』 | 「基礎2」・「専門2」から選択 |
外国語 | 『英語』、『ドイツ語』、『フランス語』、『中国語』、『韓国語』 | 1科目選択 |
情報 | 『情報Ⅰ』 | 必須 |
工学部、理学部、農学部、薬学部、医学部、教育学部(※上記も選択可)、教養学部(※上記も選択可)
※横にスクロールできます。
教科 | 科目 | 選択方法 |
---|---|---|
国語 | 『国語』 | 必須 |
地理歴史 | 『地理総合、地理探究』、『歴史総合、日本史探究』、『歴史総合、世界史探究』 | 1科目選択 |
公民 | 『公共、政治・経済』、『公共、倫理』 | |
数学 | 『数学Ⅰ、数学A』、『数学Ⅱ、数学B、数学C』 | 2科目必須 |
理科 | 『物理』、『化学』、『生物』、『地学』 | 2科目選択 |
外国語 | 『英語』、『ドイツ語』、『フランス語』、『中国語』、『韓国語』 | 1科目選択 |
情報 | 『情報Ⅰ』 | 必須 |
3)学校推薦型選抜の「既卒者に係る取扱い」の変更点について
「既卒者が出願可能な期間」は「高等学校等卒業後1年」までに変更されます。
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