東京大学


3.最終合格者の合格最低点

【図表(6)】2023年度合格者数等
【図表⑥】2022年度合格者数等
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【図表(7)】文科の合格最低点
(総合550点中の得点率)の推移
【図表⑦】文科の合格最低点(総合550点中の得点率)の推移
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【図表(8)】理科の合格最低点
(総合550点中の得点率)の推移
【図表⑧】理科の合格最低点(総合550点中の得点率)の推移
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   共通テストと2次試験の総合点については、志願倍率や各年度の共通テスト(センター試験)と東大の2次試験の難易度に加えて、2次試験の「採点基準」も点数への影響が出ることをふまえながら、公表された点数をみてみましょう。
   文科については、2014・2015年度は低めの志願倍率や第1段階選抜の不実施などによって、合格最低点が低水準にありました。2次試験の「採点基準」の影響もありますが、この2年間は総合点で50%台の最低点もみられました。しかし7年前の2016年度に各類の最低点が上昇に転じ、その後2021年度までは概ね横ばいの点数が続いていました。
   ただし、4年前の2019年度以降は特筆すべき動きがあります。2019年度は文二の合格者成績が文科の中で最も高く、データ公表が始まった2001年度以降で初のケースでした。また2021年度は文二と文三が2020年度並みの最低点であったのに対し、文一は3年連続で最低点が低下していました。この結果、2019年度と同様に文二を下回っただけでなく、文三の最低点も下回ることとなりました。文一が文三を下回るのもデータ公表が始まった2001年度以降で初のケースでした。
   2022年度は各類の最低点が約6%も低下し、7年ぶりに全て50%台となりました。この点数は公表が始まった2001年度以降で、各類ともに最低の点数でした。共通テストの平均点低下に加えて、2次試験の難易度や採点基準が影響したと考えられます。
   逆に2023年度は各類の最低点が約7%も上昇し、2016~2019年度頃の水準に戻っています。代々木ゼミナールの分析では、2次試験の数学で問題量の減少と難易度の易化、また英語・日本史・世界史などでも同様の傾向にあり、さらに採点基準も影響したようです。【図表(6)(7)】参照
   理科については2014年度からの4年間は合格最低点の上昇が続き、特に6年前の2017年度は各類とも前年から3~4%も最低点が上昇しました。この2017年度の理科は各類ともに、最低点の公表が始まった2001年度以降で最も高い点数であったことが注目点でした。ただし翌年の2018年度は一転して各類の最低点が3~5%も低下し、この年以降は理一・理二が概ね隔年の上下動を繰り返しています。また理三については、2018年度以降は5年連続で最低点の低下傾向(2020年度は前年と横ばい)にありました。文科の最低点は一時的に概ね横ばい傾向もみられるのに対し、理科は隔年の上下動や連続の低下が多くなっていて経年変化が文科よりも目立つ状況にあります。
   2022年度は理科各類の最低点が5%前後の低下(文科と同様に2001年度以降の最低の水準)でしたが、2023年度はいずれの類でも上昇に転じています。代々木ゼミナールの分析では物理が難化した一方、それ以外の教科・科目で難易に大きな変化はないため、採点基準の影響で最低点が上がったと見ています。理一と理二の点数が僅差であり、第1段階選抜の成績でも分かる通り例年よりも理二に高学力層が集まった印象です。【図表(6)(8)】参照

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