東北大学
3.合格者平均点
続いて2次試験の得点率をみると、すべての学部学科で低下する結果となりました。14の募集単位のうち9つにおいて5.0%以上低下しています。代々木ゼミナ-ル教材研究センタ-の分析によると、2024年度の東北大前期日程の問題難易度は易化した英語と国語、同程度の生物を除いて全体的に2023年度よりも難化しています。得点率が9.4%も低下した工学部は、英語・理系数学・理科2科目(物理・化学が指定)が2次試験で課されるため、英語を除いて2023年度よりも難化した科目が並んでいます。他年度と比較して2023年度は得点率が上昇したことを受け、2次試験の問題内容についても見直された可能性があります。【図表⑧】参照
上記の結果から、1次と2次の合計となる総合点の得点率を加重平均で計算すると、2023年度と比べて文系学部では0.2%の上昇(66.2%)でしたが、理系学部では5.1%の低下(65.3%)となりました。その結果、2024年度の得点率は共通テストが始まった2021年度入試の総合点の得点率(文系:66.4%、理系:66.3%)と同程度の水準となりました。【図表⑨】参照
東北大の大学案内に「入学後に一番必要になる能力は学力です。すなわち高校時代に学ぶべきことを学び、身につけてくることが大切です。その点には、一般選抜でもAO入試でも違いはありません」と明記されている通り、合格するには相応の学力が必要であり、配点比率からわかるように共通テストの得点以上に2次試験の得点が合否に影響します。2025年度入試からはさらに2次試験の重要度が増す(6. 2025年度入試の変更点(2)配点の変更 参照)ため、第1段階選抜を難なく突破できる共通テストの学力と、論理的に他人に伝わり、点数に結びつく2次試験の答案作成能力が必要となります。日々の学習を疎かにすることなく、大学入学後にも活きる学力の養成を目指しましょう。