推薦・AO入試の基礎知識

2017.12.20

推薦・AO入試の基礎知識

大学入試は、受験生の能力を多面的に評価する方向にあります。特に私立大学では近年、推薦入試やAO入試による入学者が増えています。大学・受験生がともに注目する推薦入試やAO入試についてご説明します。

推薦入試とAO入試はどこが違うのでしょう?

一般入試と推薦・AO入試

推薦入試とは高校の調査書を主な合格判定資料とする選抜方法で、出願するためには出身学校長の推薦が必要となります。推薦入試は、高校を問わず出願できる「公募制」と、大学が指定した高校の生徒のみが出願できる「指定校制」に大別されます。一方、AO入試とは、大学の求める学生像(アドミッション・ポリシー)に適合しているかどうかで合否を判定する選抜方法です。高校の推薦書を必要とせず、受験生が提出した志望理由書やエントリーシートに基づいて面接を実施し、学びに対する意欲や適性が評価されます。推薦入試が高校での実績を評価するのに対して、AO入試は大学入学後の可能性を評価する入試といえます。

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出願条件はどうなっていますか?

推薦入試は高校での実績を主な評価の対象としますから、一定の評定平均値や部活等の活動実績などが出願条件となります。AO入試は大学入学後の学習意欲や能力を重視しますので、評定平均値のほか各種の資格取得状況や傑出した能力を証明するもの(例えば、数学オリンピック入賞など)も評価の対象となります。なお両入試とも、合格した場合、入学を辞退できない「専願制」と辞退可能な「併願制」があります。第一志望が別の大学であっても、入学辞退ができなくなる場合もありますので、出願条件を入試要項でよく確認をしましょう。

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国公立大学でも、推薦入試やAO入試で入学できますか?

国公立大の推薦入試・AO入試は、出願条件として評定値に高い基準(平均評定値4.0以上など)が設定されていることが多く、募集人員が少ないのが特徴です。また、センター試験が課されることもあり、合格者のセンター試験の得点は一般入試の合格者の得点とほとんど変わらないことから、基礎学力がしっかり身についていなければ合格は困難です。各大学での試験は面接、口頭試問、論文などが中心ですが、そこには学力的要素が含まれていることもありますので、入念な準備が必要です。近年増加しているのが、医学科の地域枠推薦です。この枠で入学した場合、卒業後の勤務地が特定の地域に限定されることがほとんどです。国公立大については、このように厳しい条件や制約がありますので、出願には注意しましょう。

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「自己推薦」って、どんな試験ですか?

選抜方式による入学者割合

私立大では推薦・AO入試による入学者が全体の約半数を占めており、一般入試と並ぶ規模の入試となっています。選抜方法も多様で、公募制・指定校制のほかに、高校の推薦書を必要としない「自己推薦」と呼ばれる方式を実施している大学もあります。これは、高校の推薦書を必要としない代わりに、受験生自身が意欲、特技、長所などを記した自己推薦書を提出します。公募制や自己推薦入試では入学を辞退できることがあり、この場合複数の大学を受験することができるため、一般入試よりも高い競争率になることもあります。出願条件は国公立大ほど厳しくありませんが、小論文や面接に加えて学力検査が課されることもあるため、各大学の選考方法を事前によく確認しておく必要があります。

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推薦入試やAO入試の結果はいつわかるのでしょう?

私立大の場合は夏頃から出願が始まり、合格発表は10~11月を中心に、大半が年内に行われます。国公立大は、センター試験を課さない場合は11月以降に、センター試験を課す場合は2月上旬に合格発表を行う大学が主です。発表が早い私立大では、入学までの期間を利用して「入学前教育」や「補習教育」(大学入学後に必要となる教科目・スキルの強化や未履修科目の補充)を行う大学も多くあります。

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