記述式答案作成のポイント③

2019.11.12

前回の「記述式答案作成のポイント②」では、国語と地歴公民のポイントをお話ししました。
今回は、数学と理科の記述式答案作成のポイントについてお話しします。
「記述式答案作成のポイント①」 の各教科共通の事項と合わせて参考にしてみてください。

数学①

複雑な問題では、前提条件と導くべき解答・結論の条件を整理する

いくつかの条件が関わりあったり、場合分けが必要になったりすることもあるので、頭の中だけでなく、紙に書いて条件を整理することが重要です。

     

必要に応じて図を描いてみる

図を描く場合は、ある程度正確な図でないと逆に題意を勘違いする原因になるので、要注意です。日頃から練習しておきましょう。

     

具体的な数を当てはめて試してみると、問題の構造がわかってくる

確率の問題や証明問題では、具体的な数値で考えてみると何が要求されているかが感覚的にわかる場合があり、その場合、題意が非常にわかりやすくなります。これは選択式の問題にも言えることですが、一から立式しなければならない記述式の場合は特に有効です。

     

思考の筋道が明確かつ簡潔な説明を心がける

なぜそのような式が成り立つのか、どのような条件のケースを考えればよいのかなど、題意をきちんと理解したことや、定理・公式等を正しく使っていることが採点者にわかるように、試験時間も考慮し、必要最小限の説明を加えることを心がけましょう。

ページのトップへ

数学②

式の変形をするときは、同値変形になるよう常に気を配る

同値変形でないと、元々の式と条件が異なってしまう(例えば、a≠0とか、x≧1などの条件を漏らしている)ので、正解に達することはできません。同値変形に気を配ることは、普段から習慣づけしておきましょう。式を変形して得られた結果が十分条件になっているかチェックするとよいでしょう。

     

完全な解答にならなくてもいいので、わかるところ・できるところまで解答する

難関大の数学の問題を完全に解答することは困難です。しかし、難問であればあるほど部分点が設定されていると考えられるので、解けるところまで解くことが極めて重要です。白紙で提出することのないようにしましょう。

     

解答が具体的な数値ではなく関係式の場合は、いくつか数を代入して確認する

選択肢が用意されていない問題では、このような確認をしておかないと「まったく的外れの解答かもしれない」という不安が付きまといます。全ての思考過程、計算過程を再検証することは時間的に無理なので、この作業をすることがある程度の検算になります。例えば、数列の和を求めたとき、n=1、2、3で成立するかチェックしましょう。

ページのトップへ

理科(物理)

計算問題では必要最小限の説明を漏らさないようにする

式を立てるに際して、与えられていない文字量を使う場合にはその定義を必ず記し、立式の根拠となる考え方、原理、法則などを簡潔に記すようにしましょう。解答に至る途中計算を記す必要はありません。


     

答案を作成する前に図を書いて考えをまとめる

記述答案を作成する場合、いきなり書き始めるよりも、考えをまとめてからの方が間違いも少なくスムーズに解答を導くことができます。自分ではわかっているつもりでも、一度問題用紙の空白などに見やすい図を書き、その物体にかかっている力などを整理しましょう。

ページのトップへ

理科(化学)

化学変化の説明では、字数に応じて反応の種類、変化の様子などを表す

反応の種類としては、酸化還元反応や中和反応等に言及し、反応の様子としては、溶液の色の変化、沈殿生成と色、気体の発生などについて、明確に記述するようにしましょう。

     

どの物質がどのくらい存在しているのかを整理して考える

化学反応は基本的にある物質が違う物質に変化するという現象です。そのため、反応の最初・途中・最後でどの物質がどのくらい存在しているのかを整理して解いていく必要があります。特に記述問題では、どの段階でどの物質について問われているのかをきちんと把握してから書くようにしましょう。

ページのトップへ

理科(生物)

論述問題では、ポイントを押さえた論述に心がける

生物論述の採点ではポイント毎に加点されることが多いので、論述問題に対しては、まず設問内容 (資料や実験結果から得られるものか、知識としてまとめるものか等)に応じた論述ポイントを、指定字数を考慮して、過不足なく取り出していくことが重要になります。その上で各ポイントを論理的な流れに沿って文章化していきます。その際に必要となる簡潔な表現力は、教科書巻末の索引にある主な生物用語の内容を、50字程度で説明する練習などを通じて養っておきましょう。


ページのトップへ

理科(地学)

論述問題では、ポイントを箇条書きにしてからまとめ直す

いきなり書き出すのではなく、まずはポイントとなりそうな要素を箇条書きにしてから、設問文で問われている内容と照らし合わせた重要度の順に取捨選択し、指定字数に応じた答案を作成しましょう。重要な地学用語や地学現象については、教科書やテキストなどを参考にして、30字程度と80字程度の説明をそれぞれ作成する練習をしてみましょう。

     

計算問題では単位に注意する

単位の変換、有効数字の扱いに注意しましょう。また、解答欄の枠の中にあらかじめ単位が書かれていないことも多いため、自分で単位をつけるのを忘れないようにしましょう。

ページのトップへ

シェアする

代ゼミJOURNALのトップへもどる

おすすめ記事

ページのトップへ

ページトップボタン