記述式答案作成のポイント②

2019.11.12

前回の「記述式答案作成のポイント①」では、各教科共通の事項と英語のポイントをお話ししました。
今回は、国語と地歴公民の記述式答案作成のポイントについてお話しします。
「記述式答案作成のポイント①」 の各教科共通の事項と合わせて参考にしてみてください。

国語①

説明問題では、文中に必ず根拠を探す

これは選択式の問題にも言えることですが、特に記述式の問題の場合、根拠を理解しないと答案を作成することができません。小説、随筆等の心情説明の問題でも、必ず説明の根拠を文中に求めることが必要です。自分勝手にストーリーを作ってしまってはいけません。大学入試の国語で求められていることの大半は、実は論理の読み取りです。文章の構造と論理をきちんと読み取る訓練をしておいてください。

     

主要なポイントと枝葉末節を区別し、主要なポイントだけをまとめる

「各教科共通の事項」のところでも述べましたが、字数制限の多い国語の場合は特にこれが重要です。問題になっている傍線部やその周辺だけではなく、文章全体を正確に読んで、十分に理解しておかないと、この区別がなかなかできません。


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国語②

文中からの抜き書きや、そのつなぎ合わせで満足してはダメ

本文の抜き書きだと、要点だけでなく枝葉末節や余分なことまで含まれていることが多く、制限字数に収まらないことも多いので、そこから要点をまとめ直す作業が必要になります。抜き書きでも主要ポイントが入っていれば部分点がもらえることもありますが、それだけでは確実に合格ラインに達する答案は書けません。
字数制限は、必要なことがぎりぎり書ききれるだけの字数設定になっていることが多いため、字数内に収めるには相当の工夫が必要です。その一例として次のような手順がありますが、この方法は他の教科・科目の説明問題にも応用が利くでしょう。

1. 本文中の「説明の根拠」をまとめて一貫した文章にする
2. 重要度・優先度の低い部分を削る
3. 動詞・形容詞を名詞で言い換える等、字数を減らす工夫をする
4. 接続詞や助詞を省いたり言い換えたりして、さらに字数を減らす

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国語(古文・漢文)

古文・漢文の現代語訳では、文法・句形等の基本をしっかり押さえること

古文では、敬語や受身・可能・使役・伝聞・推定などが正確に訳されていないと減点されます。したがって、これらの意味を担う助動詞をよく理解し区別できるようにしておかなければなりません。
漢文では、基本事項(返り点等の訓読法、否定・命令・禁止・受身等の句形)をきちんと理解していれば、現代語訳はほぼ解くことができるでしょう。


     

古文・漢文の訳すべき部分に主語が示されていない場合には、主語をきちんと補って訳す

「主語を補って訳せ」という指定がある場合が多いのですが、その指定がなくても主語を補っておくべきです(明らかに主語を含まない部分訳の場合は別)。これは、テーマや登場人物、場面・状況など、文章全体をきちんと把握していなければならないことを意味します。当然、出題者もそれを要求しているはずです。


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地歴公民

 

普段から用語集をよく読んで、重要項目の正しい表記や要点を覚える

用語は正確に筆記できるよう実際に書いて覚えましょう。誤字・脱字は、短答記述では0点、論述では減点の対象となる可能性が高いです。また重要項目については、用語集の説明をある程度の字数にまとめて覚えておくとよいでしょう。

      

答案作成の際は、知っていることを箇条書きしてからまとめ直す

学習済みの事柄でも、答案作成に必要な要素のそれぞれがどう関係しているかが整理されていないと、的確な答案は書けません。その整理のために箇条書きは有効です。例えば、歴史科目の場合、いわゆる5W1Hの他、協力・対立関係や、その出来事の結果・影響などに分けてまず箇条書きにし、設問の要求内容や制限字数などから総合的に判断してまとめ直し、答案を作成するといいでしょう。

      

資料読み取りを伴う論述問題では、表面的な読み取りだけで済まない場合がある

グラフや統計表、あるいは文章の表している状況や動向を、的確に把握することが重要です。問題とされている事柄の状況・動向の原因や背景、影響などまで説明する必要がある場合、関連する既習事項を思い起こして整理し、設問の要求内容に応じて総合的に判断し、答案を作成しましょう。

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