九州大学
1.志願者数・志願倍率
前期日程において志願者数が最も増加したのは理学部でした。2020年度よりも56人(11.5%)増加し、過去10年間で最も志願者が多かった入試となりました。しかし、志願倍率でみると2.8倍と例年に比べてそこまで大きな変化はなく微増にとどまりました(2018年度が2.4倍、2019年度が2.7倍、2020年が2.5倍)。なお、志願倍率が最も高かったのは教育学部の3.7倍で、志願者も44人(49.4%)増と、理学部と同じく過去10年間で最も志願者が多かった入試になりました。教育学部の志願倍率は、2018年度が2.6倍、2019年度が3.4倍、2020年度が2.5倍と隔年で増減を繰り返しており、2021年度は2020年度の反動を受けて志願者が増えたと考えられます。
逆に、志願者数が最も減少したのは医学部生命科学科でした。2020年度よりも29人(48.3%)減少し、理学部や教育学部とは対照的に過去10年間で最も志願者が少なかった入試となりました。2020年度で5.0倍だった志願者倍率も2.6倍と大きく低下しています。ただし、2018年度が2.7倍、2019年度が2.5倍と、2020年度の5.0倍を除けば概ね例年通りの志願者倍率であるため、志願者が減ったというよりも例年並みに戻ったと考えるとよいでしょう。【図表①②】参照
また、後期日程において志願者数が最も増加したのは経済学部でした。2020年度よりも129人(31.2%)増加し、志願倍率は12.1倍と過去10年間で最も高い数値を記録しました。増加した理由としては、前述の通り、当初難化すると予想されていた共通テストで十分得点できた受験生が多かったことなどが考えられます。
逆に、志願者が最も減少したのは法学部でした。2020年度よりも26人(8.8%)減少し、志願倍率も後期日程を実施した全学部の中で唯一2020年度を下回りました。減少した理由については、2020年度の志願倍率が8.9倍と例年に比べて高かったことや、試験内容が「小論文」から「講義に関する理解度確認試験」という新しいものに変わったことで、受験生が敬遠したことなどが考えられます。