早稲田大学


1.志願者数の推移

【図表①】志願者数推移(2015~2024年)
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【図表②】総志願者・実志願者・併願率の推移
(2020~2024年)

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【図表③】学部別志願者数推移(2015~2024年)
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【図表④】英語4技能利用入試の志願者数推移
(2017年~2024年)

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   早稲田大は長年に渡り、全国最大規模の志願者数を集めてきました。しかしながら、2021年度入試からの政治経済学部を始めとした一部の学部の大胆な入試改革をきっかけに、志願者数は2021年度入試で10万人の大台を割って以来、右肩下がりで年々減少し続けています。また、かつて早稲田大の志願者数を支えていた「浪人してでも早稲田」や「学部はどこでも早稲田」という志向が弱まったこともこの減少に拍車をかけています。しかしながら、このような状況にあるにも関わらず、早稲田大は現状、一般選抜では志願者数を増やすような施策を打つ様子はみられません。つまり、早稲田大の入試は一般的な大学で行われている志願者獲得競争とは一線を画し、志望順位がより高く、優秀な学生を獲得することを目標とする方向に舵を切ったといえます。
   そのような状況の中、2024年度入試の志願者数は昨年比1,459名減の89,420名となり、ついに9万人割れとなりました。この数値はもちろん、2000年以降では最少の志願者数となります。このように、早稲田大は一般選抜の志願者数が毎年減少しているにも関わらず、2025年度入試においても一般選抜のすべての方式で、共通テストを必須とする学部をさらに増やす入試改革を実施します。この入試改革は志願者数を減らす要因となりますので、2025年度入試についても志願者数がさらに減少することが予想されます。これまでは、田中総長の出身学部である政治経済学部や設立が比較的新しい学部で共通テスト重視の入試改革が行われてきました。これからの早稲田大の志願者数の動向は、法・教育・商・文・文化構想・3理工など伝統のある学部の対応が鍵を握っているといえます。【図表】参照
   入試別の出願者数は、一般入試(共通テスト併用方式を含む個別学力試験がある入試)が前年比2.1%減、共通テスト利用入試(共通テストのみ方式)が前年比4.4%増となりました。2023年度入試に引き続き、かつて早稲田大の志願者数を支えた一般入試における志願者数の減少が目立っています。共通テスト利用入試の増加は、共通テスト全体の平均点が上昇したことが要因と考えられます。早稲田大の共通テスト利用入試は、共通テスト実施後に出願ができるため、自身の自己採点の得点を見てからの出願が増え、志願者数の増加につながったと考えられます。
   実志願者数は前年比0.6%減の42,031名で、総志願者数の1.2%減よりも減少幅が小さくなっています。その結果、併願率(総志願者数÷実志願者数)は2.150から2.127に低下しています。この数値は早稲田大が実志願者数を公表し始めてから最も低い数値となります。つまり、志願者が早稲田大の他学部を併願する学部数が減少し続けているといえます。併願が顕著に減少している学部の組み合わせは、法学部と教育・商・社会科の3学部、教育学部と商・社会科・文化構想・人間科の4学部、商学部と文化構想学部、社会科学部と文化構想学部などとなっています。 【図表】参照
   一般入試の学部別の志願者数は、13学部中で5学部が増加、6学部が減少、2学部が横ばいとなっており、増減が拮抗しています。また、一般入試が共通テストとの併用方式である3学部は、政治経済・国際教養学部は減少、スポーツ科学部のみが増加で、2024年度入試に関してもおおむね減少傾向にあります。その他の学部では、文化構想・教育学部の2年連続での減少が目立っています。教育学部は2023年度入試で大きな入試改革を行いましたので、その影響が残っていると考えられます。また、文化構想学部は、特に個別学力試験のみの一般入試と英語4技能テスト利用方式の減少幅の大きさが目立っています。逆に、共通テストを利用しない理系3学部は3学部合計で3年連続の増加となり、大学全体の動きとは相反する動きとなっています。基幹理工学部では数学・情報系、創造理工学部では環境資源工学科、先進理工学部では生命・化学系の学科の志願者増が目立っています。2024年度入試の3理工学部における志願者の女子割合は、3学部とも2000年以降では最高になっていて、理工系学部の志願者の増加は女子受験生の増加が牽引していると考えられます。【図表】参照
   方式別では、英語4技能テスト利用入試の志願者数が2023年度入試に引き続き減少していることが注目されます。特に、2025年度入試以降も継続して実施する文化構想・文の2学部が2年連続で志願者数を減らしています。残りの商学部は、2025年度入試で英語4技能テスト利用入試を廃止しますが、導入してからたった4年での方式廃止ということになります。【図表】参照

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