医学部受験合格者インタビュー

『自分自身と向き合った医学部受験から得たもの』
北海道大学 医学部医学科2年 安藤 慶さん

はじめに

私は幼い頃から、医学に強い興味がありました。祖母からもらった「体のしくみ」という本を読んでいるうちに、いつからか、医療に携わる仕事をしてみたいと思うようになりました。人と話すことが好きなことと、人の役に立ちたいという思いから、中学生の時に、医師を志すことに決めました。高校生時代と浪人生時代、共に周りに医学部を目指す友人が多く、互いに切磋琢磨し合える環境に身を置かせていただけたことが合格につながったと思っています。勉強への向き合い方には沢山の形があると思いますが、私の体験記が受験生の皆さんの励みになったら幸いです。

私の勉強法

一日の初めに前日の学習の反省を踏まえた勉強計画を立てていました。家では主に問題を解いて、地下鉄での登下校中や、授業の間の休み時間に単語帳や教科書を読んでいました。まとまった時間をとって暗記をするとなると大変ですが、毎日の中で必ず存在する隙間時間の利用を習慣化していけば、相当な時間を暗記に割くことができます。

また、解けなかった問題は解答解説と一緒に印刷して、一つのノートにまとめていました。弱点を重点的に勉強すると、驚くほど力がつきます。自分一人では解決できないことは、先生や友人に積極的に質問していました。人に教えてもらったり、一緒に考えたりして理解したことは、その記憶と一緒に身につくので、忘れてしまってもすぐに思い出すことができます。勇気が要りますが、臆することなく質問することが大切だと思います。

模試との付き合い方

学年が上がるにつれ、科目数も増えて夜遅くに試験が終わることも多くなりますが、模試を受けたその日に自己採点をして、どこを間違えたのか、どこがわからなかったのかをチェックしましょう。次の日以降、なるべく早めに、わからなかった問題の解法を中心に、正解していたものも含めて全ての問題を復習してほしいと思います。勘や間違った道筋で偶然合っていることもあるからです。また、このようにすることで、別解を身につけることもできます。点数や偏差値は実力を測る際の大事な指標ですが、模試は返却されるまでに時間がかかります。したがって、それらの数字はその時の力を示したものに過ぎません。模試は点数や偏差値を知ることよりも、自分の苦手な部分を知るために受けるものと思うようにして、知識やテクニックを最大限吸収してください。

勉強への姿勢

私は日々の課題やテストをペースメーカーにしながら、自分に不足している力は何かを常に考えていました。一刻も早く先へ行かなければと焦ってしまう気持ちを抑え、目の前にあることを一つ一つ実直にこなしていくことを心がけていました。どうしてもやる気が起きない時は、単語帳などを眺めていました。大事なことは勉強しない日を作らないことです。一日でも勉強しない日を作ってしまうと、一日くらいという甘えが出てしまうからです。どうしてもモチベーションが上がらない時は、大学生活について調べてみたり、YouTubeで勉強を頑張っている人の動画を観てみたりすると良いと思います。どんな方法であれ、自分のやる気を高める手段をたくさん持っておくことが肝要だと思います。

面接について

面接ではなぜその大学を志望したのか、どのような医師になりたいのかに加えて、関心のある医療ニュースや受験生の性格についてきかれます。そのため、日頃から医療時事に触れ、自身の人間性や志望動機をしっかり言葉にして説明できるようにしておくことが必要です。面接の練習は自分のことをよくわかってくれている親や担任の先生に協力してもらっていました。面接は練習の積み重ねです。所作や言葉の使い方は、一朝一夕で磨けるものではありません。ある程度質問を予想してそれらに明確に答えられるよう訓練をしましょう。たとえ想定外のことをきかれたとしても、事前に用意しておいた回答と織り交ぜながら答えられるようになると文句なしです。本番はとても緊張しますが、斜に構えるのではなく、普段の皆さんの姿で堂々と臨みましょう。

最後に

苦手分野を極力減らして得意分野を伸ばしていけ、という言葉は受験を乗り越える上での常套句ですが、それは自分自身にしっかりと向き合うことでもあり、大変難しいことだと思います。しかし、受験を通して培った、うまくいかないことにもきちんと目を向けようとする姿勢は、大学生になった今、自分を助けてくれています。何かに向かって頑張った経験は、これから先の皆さんの味方として伴走してくれると思います。今回書かせてもらったことの一部分でも、読んでくださった方が前進していくための一助になれたら、大変光栄です。日々頑張る皆さんのことを、陰ながら応援しています。

『浪人の末、勝ち取った医学部合格』
新潟大学 医学部医学科2年 江口玖良々さん

はじめに

まず最初に申し上げておきますと、これからお話しするのは理系科目が大の苦手、得意教科は英語と国語、地域枠推薦という共通テストのみの受験形式で運よくギリギリのラインで合格した一浪の人間の経験談です。医学部志望の学生としてはかなりイレギュラーですので皆さんの参考になるかは分かりませんが、現役時代の失敗と、浪人時代の経験を踏まえて推薦入試で医学部を受験するということについてお話ししたいと思います。高みを目指す皆さんには拍子抜けする内容かもしれませんが、こんな人間でも国立大学医学部に入れるのだと、少しでも皆さんのお気持ちを軽くすることができれば幸いです。

医学部を志すうえで大切なこと

これをお読みになっている皆さんが高校1年生などまだ早い段階であるなら、学校の成績を今のうちから少しでも気にしてみてください。私は模試が全然ダメでしたが、なぜか学校の成績だけは良いというパターンの学生でした。学校のテストは丸暗記で通るものも多く、理解より暗記の方が得意だったため点を取りやすかったのだと思います(数学を除く)。「自分は一般試験の実力勝負で勝つんだ!」という意志がある方は別ですが、ある程度の成績を取っておくと私のように一般入試ではとても届かないようなレベルの大学にも合格できる可能性が高まりますので、普段の学校のテストを頑張って損はありません。ただし、いくら成績が良くとも本番で点が取れないと意味がありませんので、受験に通用するような学力を身につけることが大前提で重要なことです。

授業の利用法、勉強の仕方

現役の時は通っていたのが地元では進学校の理数科だったこともあり、理系科目の授業の進度が異様に早く、基礎を理解できないままやたらと難しい問題演習ばかりしていました。もちろん自力で解けるはずもなく、毎回の予習は答えを丸写しするだけ。共通テストの演習でも悲惨な点数ばかり取っていました。不合格だったのも納得の基礎力不足です。浪人が決まり、代々木ゼミナールに入ってから意識したのは、とにかく基礎を固め直すことでした。かなり基本的なことから教えていただけたので、毎回の予習復習をしっかりと行い、一から知識と理解を積み上げていきました。数学は最後まで苦手意識が消えませんでしたが、それでも現役時より学力は向上し点が取れるようになりましたし、理科は基礎を固めることでかなり伸びました。当たり前かもしれませんが、基礎は大事です。

模試の活用法

現役の時は授業の予習などを言い訳にして、模試は受けて結果を確認して終わりというような状態でした。また答えを見るだけで、その問題だけ理解したつもりになって終わっていたので、次に活かせるようにはとてもなりませんでした。浪人中は勉強時間が現役の時よりも多く取れるということもあり、特に基礎知識を入れる必要がある生物や化学などは教科書なども確認しながら、まだ覚えられていないこととその周辺知識をスマホのメモアプリに羅列し、いつでも見返せるようにしていました。これは入試本番直前の最終確認にもとても役立ちました。メモアプリだと画像を貼るのも簡単なので、自分だけの暗記ブックを作ることができます。模試の復習ノートを作りたいけど時間がない、という方におすすめです。

面接や小論文の対策はどのようにしていたか

推薦入試は、面接と志望理由書が特に重要です。面接は、私の時の新潟大学はいたってシンプルな内容だったので、そこまで頑張って回答を用意するといったことはしていませんでしたが、新潟大学の特徴や教育理念など回答で使える情報は積極的に調べてすぐに言えるようにしました。また面接や志望理由書は浪人の時も高校の先生がある程度サポートしてくださったので、それと代ゼミの担任の先生方にチェックや練習をしてもらい、さほど心配することなく本番に臨めました。志望理由書は現役の時とかなり内容を変えました。大学が求めている人物像を理解し、そのうえで面接官に伝わる志望理由書になるよう心がけました。信頼のおける先生にアドバイスをもらうのが一番いいと思います。

最後に

以上が私の受験体験談です。私は、浪人することは不名誉なことだとは思いません。むしろ浪人してよかったとも思います。一浪の末の合格も結局は運だったのかもしれませんが、浪人中に学んだ勉強に対する姿勢は間違いなく大学2年生になった今でも役立っています。浪人をしないために自分に合ったレベルに志望校を下げるというのももちろん否定はしませんが、行きたいと強く思う目標なのであれば、もう一年頑張るという選択肢を取るのも一つの手だと思います。皆さんが悔いを残さず合格を勝ち取れることを、心から応援しています。

『医学部を志す皆さんへ私の医学部受験戦略』
北海道大学 医学部医学科5年 山崎 慎司さん

はじめに

北海道大学医学部医学科5年の山崎慎司と申します。高校は札幌北高校に進学し、代ゼミには1年生の春から受験までの高校3年間にわたってお世話になりました。北大医学部には無事現役で合格することができたのですが、私の受験勉強の経験が皆さんの参考になればと思いこの度筆を執らせていただきました。もちろん勉強法というのは人によって様々ですので、皆さんにはぜひ先生や友達、私のような遠くの他人を含めたたくさんの人の意見を参考にして、自分に合った勉強法を見極めてほしいと思います。

医学部を志すうえで大切なこと

受験は団体戦だという話をよく聞きます。私が初めてそれを聞いた時、なんて綺麗事だろうと感じたのを覚えていますが、今はその言葉の意味が分かります。受験、特に医学部受験にたった一人で立ち向かうというのは私(達)のような凡人には土台無理な話なのです。一人だとよくモチベーションが下がって勉強に飽きてきます。そんな時、自習室のピリついた空気や昨日解いた良問について熱く語る友人によく刺激されたものです。一人だとよく自分の学力に自信が持てず不安を感じます。そんな時、友達に問題を解説してあげる機会があると自信が持てましたし、同じ志望校の友人と悩みを共有すると心が軽くなった経験があります。周りには支え合える仲間がいることを自覚すると、不安や怠慢に負けにくくなるはずですよ。

3年間の受験戦略

私は1・2年時では英数に学習のウエイトをかなり置きました。各単元が密接に関わる数学と、文法理解・語彙力・読解力を並行して養う必要のある英語はコツコツと積み上げていくことが必須だと考えました。この2教科に時間を多く割いた分手薄だった理科は、穴埋め式の平易な参考書に加えて代ゼミの夏期・冬期講習の分野別講座を活用しました。自力で解法を紐解くより効率がよく、理解度で後れを取ることなく英数の学習の時間を確保できました。また北大入試における国語の影響を重く捉え、2年時に代ゼミで国語の映像授業を受講しました。体系的な読解方法を確立することは国語の得点力に直結します。3年時では英数の貯蓄のおかげで理科社会の学習の追い込みに注力できました。このような3年間を通した受験勉強の見通しは持っておくとよいでしょう。

模試の活用法

北大医学部の入試は問題が比較的平易で高い平均点の中で順位を争うという勝負なので、苦手な単元の存在や凡ミスが命取りです。そのため模試は自分の課題を発見できる絶好の機会でした。間違えた、時間がかかった問題があればむしろ喜んで解き直しをしましたし、問題集で類似問題を探してより理解を深めました。もちろん一発では覚えられずまた同じところを間違えることもありますが、「前模試で似た問題間違えたなぁ」というのは覚えていて、その悔しさを重ねて次第に知識が定着していくのです。また本番さながらの緊張感の中で時間配分の感覚を養えるのもよい点ですし、志望大学の模試であれば問題の傾向をつかむのにも有用です。一粒で数度おいしい模試をぜひ無駄にしないようにしてください。

いかに試験で得点するか

受験において、いかに点を伸ばし、失点を防ぎ、速く解くことができるかは、学力とはまた別のいわば受験力が関わってきます。難問を自覚した時、最初に全体を見て決めた時間配分と相談してその大問でどこまで点を伸ばせるかを見切れる力。古文や英語長文で、文脈から知らない単語の意味を補完し読解できる力。一つのミスがその後の問題にも影響する物理化学や数学の問題で、解きながらも手早く検算・見直しをできる力。他にもいろいろあるでしょう。こうした受験力は日々時間を決めて問題を解き、模試で実践することの積み重ねで磨かれていきます。皆さんも模試を受けるときは、学力とは別の受験力を培うことを意識してみてください。

最後に

医学部入試に挑む過程にある皆さんにひとつ、覚えておいてほしいことがあります。その入試の先にある医学部というものはゴールではなく、あくまでスタートであるということです。言ってしまえば、医学部には入試で点を取るのが得意であれば入れます。しかし大学では、難関を乗り越えてきた学力を前提として、そこから個人の資質が問われてきます。私はクラスメイトの計画性、リーダーシップ、コミュニケーション能力、バイタリティにしばしば驚かされます。私はただ驚いてばかりの凡人ですが、皆さんにはぜひ周りを惹きつけるような個性を持った存在になってほしいと思います。

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