医学部合格への4つのツボを押さえよう

01. 国公立VS私立大きく異なる入試制度、学費

医学部と一口で言っても、国公立大学と私立大学とでは、入試方式と学費の二つの点で大きく異なります。

入試方式については、図表❶の通り、国公立大の一般選抜の場合、前期日程・後期日程とも、共通テストと各大学が実施する個別試験(2次試験)の受験が必要です。共通テストは前期・後期ともに5教科7科目、2次試験は前期では学科試験に加え面接を課しますが、後期では学科試験は課さず、面接に加え小論文を課す大学が少なくありません。

私立大の場合、各大学の個別試験による選抜においては、1次試験で英・数・理2科目、2次試験で小論文・面接を課すのが一般的です。また、半数以上の大学が、個別試験以外に共通テスト利用入試も実施しています。ただし、共通テストは英・数・理2科目だけでなく国語なども必要になるケースが多く、加えて2次試験で小論文・面接を課す大学が大半を占めています。

学費については、国公立大は他学部と変わらず6年間でも350万円程度ですが、私立大は総額で4,500万円以上になるケースもあります。私立大を志望する場合、経済的負担については早めに検討しましょう。また、奨学金制度の利用などについても調べてみるとよいでしょう。

志望校を選ぶにあたって、まず自身がどのような大学で学びたいのか、合格に必要な学力や入試科目・配点、学費はどうなっているのかなど、諸々の条件を徹底的に調べてみましょう。

図表❶ 医学部・一般選抜 主な入試パターン

国公立大 前期日程 [共テ] 英・数・国・理2・地歴公民・情報Ⅰ
[2次] 英・数・理2・面
後期日程 [共テ] 英・数・国・理2・地歴公民・情報Ⅰ
[2次] 面・論
私立大 一般選抜 [1次] 英・数・理2  [2次] 論・面
共通テスト
利用選抜
[共テ] 英・数・理2(・国)  [2次] 論・面

02. 共通テスト大きなカギを握る共通テスト

すべての国公立大は、2段階選抜を実施しています。これは、共通テストの成績によって志願者を事前に選抜(第1段階選抜)した上で、2次試験を実施する制度です。共通テストの結果によっては第1段階選抜で不合格となり、2次試験を受験できないケースもあります。

また、共通テストのスコアが芳しくなく、せっかく思い描いていた第一志望校への出願を直前になってあきらめざるを得なくなるケースも毎年散見されます。

逆に、高スコアが出れば、自信を持って2次試験に臨むことができますし、私立大の共通テスト利用入試での合格を手にする可能性も高まります。

したがって、共通テストでくれぐれも不本意な結果にならないよう、対策は万全にしておきたいものです。2021年度から始まった共通テストの出題形式・傾向も定まってきたといえます。過去問や模擬試験、問題集を有効に活用して、共通テスト本番に向けてしっかり対策を講じておきましょう。

03. 面接対策がモチベーションアップに

医学部入試の大きな特徴の一つに面接があります。面接はすべての医学部で課されており、面接の評価次第で学科試験の点数に関わらず不合格となる大学もあるなど、その結果が重視されています。これは現在進行中の医学教育改革とも軌を一にしており、大学としても医師になる自覚と適性を育むため、入試の段階でしっかり確認しておきたいところなのでしょう。

そうは言っても、学科試験の科目数は多く、しかもハイレベルな学力が要求される医学部受験では、なかなか面接対策まで手が回らないという受験生の声をよく聞きます。しかし、面接対策を日ごろから心掛けることは医学部入試を突破するためのモチベーションアップにもつながることを忘れてはいけません。

まずは、医学・医療の問題について日ごろから関心を持って、ニュースをチェックしたり、本を読んだりしましょう。そうすることで、問題意識が芽生え、良い医師になろうという気持ちがさらに呼び起こされるはずです。そして、それが、厳しい医学部入試を乗り越えようとする原動力につながるのです。

04. 総合型選抜・学校推薦型選抜ますます重要な選抜区分に

近年、総合型・学校推薦型選抜の募集枠は拡大傾向が続いていますが、医学部入試も例外ではありません。特に、医学部では「地域枠」としての募集も多くみられますので、特定地域での医療活動を希望する受験生は要チェックです。

国公立大の総合型・学校推薦型選抜では、多くの場合、共通テストの成績が求められますので、共通テスト対策は最後までしっかり取り組まなければいけません。

総合型・学校推薦型選抜での出願を目指す場合、国公立大・私立大を問わず、受験校選定と準備・対策はできるだけ早く始めることが大切です。高2生の夏休みにはオープンキャンパスに参加するなどして、高3生になるまでには出願校を決めておきたいところです。

医学部定員 令和6年度は現状維持 7年度以降は未定

医学部の定員のあり方については、主に厚生労働省で議論が進められています。令和4年1月の「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」の第5次中間とりまとめを受け、「第8次医療計画等に関する検討会」等における検討状況を踏まえ「第9回地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ」において、同年10月、次の方針が出されました。

令和6年度以降の臨時定員については、臨時定員全体の必要性を十分に精査し、地域における医師の確保に必要な範囲で臨時定員の設置を認めることとし、令和6年度は、令和元年度の医学部総定員数(9,420人)を上限とし、令和5年度の枠組みを暫定的に維持することとする。

これにより、令和6年度は令和5年度の枠組みが維持される見込みとなっています。
なお、令和7年度以降の定員は、同検討会等における議論の状況を踏まえ、改めて検討されるとのことです。
しかし、医師の偏在化がさらに進んでいる等の問題点が上がっていますので、医学部定員の方向性が現段階では見通せない状況です。

医学部入試最新概況
令和6年度からの私立大学医学部の収容定員の増加(一部大学を掲出)

大学名 令和6年入学定員
(増加前)
令和6年入学定員
(増加後)
入学定員
増加数
岩手医科大学 95 130 35
自治医科大学 100 123 23
獨協医科大学 110 126 16
埼玉医科大学 110 130 20
順天堂大学 105 140 35
昭和大学 110 131 21
東京医科大学 113 123 10
東邦大学 110 123 13
日本医科大学 110 125 15
北里大学 110 126 16
愛知医科大学 105 115 10
関西医科大学 110 127 17

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