名古屋大学
5.総合型選抜について
入試初年度となった2025年度は理学部全体で83人が出願し、志願倍率は3.3倍であり、実施初年度でありながら受験生の注目が集まったと言えるでしょう。募集人員25人に対し合格者は23人で募集人員を満たすことはなく、厳しい入試となりました。学部別に見ると、数理学科が4.0倍、物理学科が2.7倍、化学科が3.8倍、生命理学科が3.8倍、地球惑星科学科が3.0倍でした。募集人員が9名と最も多い物理学科の志願倍率が若干低めではありますが、共通テストを課す・課さないにかかわらず志願倍率は全体的に高くなっています。
2026年度の実施方法とスケジュールを見ていきましょう。共通テストを課す総合型選抜(数理学科、物理学科、地球惑星科学科が実施)の出願期間は共通テスト後の1週間、合格発表を含む選抜日程は既存の共通テストを課す学校推薦型選抜と同じ時期になります。選抜は2段階で行われ、出願時に提出された書類(志願票、調査書、志願理由書)と共通テストの得点を総合的に評価し第1次選考合格者が選定されます。第2次選考では第1次選考合格者に対して口頭試問による面接を実施し、第1次選考の結果も踏まえて最終的な合格者が決定されます。【図表⑫】参照
共通テストを課さない総合型選抜(化学科、生命理学科が実施)の出願期間は10月1日から6日までとなっており、選抜は10月下旬から11月中旬にかけて行われ、合格発表日は11月21日です。先述の出願資格に加えて、生命理学科では研究プログラムやコンテスト等で優秀な成績を修めていることが要件となっています。選抜方法は各学科によって異なり、化学科では3段階で選抜が実施されます。第1次選考で書類選考、第2次選考では小論文を課し、第3次選考では口頭試問を含めた面接選考が行われます。一方、生命理学科では2段階で選抜が実施されます。第1次選考では書類選考、第2次選考(総合専攻)では、生命科学分野の講義に基づく小論文及び面接が行われます。入試変更点として、化学科における面接の配点を200点から300点に引き上げることが決まっており、入試説明会においても「化学に対する熱意をより評価したい」という説明がなされていました。高校時代の取り組みや自己表現がより重要となることが予想されます。【図表⑬】参照